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信用保険のコファスジャパングループ(東京都港区)は、売掛債権を買い取る形で早期に資金化する「ファクタリング」と呼ばれるサービスを強化する。ファクタリングは、仏コファスグループが欧州を中心に、中堅・中小企業へのファイナンスの手段として展開しており、そのノウハウを日本市場に応用する。景気後退懸念が強まり、中小企業の資金繰りが厳しくなる中で、ファクタリングを中核事業へと育成する。
ファクタリングは、コファスグループの基幹事業の一つで世界15カ国で展開している。日本でのスタートは平成18年12月からで、営業期間は1年半に過ぎない。しかし、コファスグループ日本代表の本橋博之氏は「顧客である中小企業からの引き合いには手応えを感じている」と事業拡大に自信を示す。 ファクタリングは、顧客が商品やサービスの買い主に対して持っている売掛債権を、コファスが買い取ることで、通常、数カ月後になる売掛債権の現金化を前倒しする仕組み。買い主の現金不払いのリスクを回避でき、取り立ての手間が省け、事務の効率化や財務改善の効果が期待できる。 買い取り限度額は買い主会社の信用リスクによって設定する。買い取り金利は、ファイナンスの金額や期間、手数料は買い取り金額によって、それぞれ決まる。また、買い主の調査手数料などがかかる。 日本では、銀行による貸し渋りが横行した14年ごろから、中小企業が持つ大企業などの優良な売掛債権を買い取ったり、担保とした融資を行ったりするスキームが立ち上がった。しかし、その後の景気回復で、通常の融資が復活し、ファクタリング市場は大きく育っていない。 コファスジャパンのサービスは、国内だけでなく海外の売掛債権も買い取るのが強み。世界5000万件以上の企業の格付け情報が登録されている企業信用情報システムによって、海外企業の信用度を判定できるからだ。顧客からの支払いの遅れや、資金繰りの必要に遭う可能性が高い輸出業者にも提供できる。 同社は、取引先の倒産などの貸し倒れ損害をカバーする売掛債権保全の損害保険が主力商品。本橋代表は「ファクタリングで年率ふたケタの伸びを続けて日本市場の開拓者となり、損害保険に匹敵する事業に育成したい」としている。
by yurinass
| 2008-05-14 20:26
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