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◇社長謝罪も出席者は不満強く
民事再生手続きの開始を申請した建設県内大手の長田組土木は2日夜、甲府市内で初の債権者説明会を開き、完成工事の未収入金に実態のない約38億円を架空計上していたことが明らかになった。負債総額は約107億円で、経営破綻(はたん)した県内建設業者で過去最大となり、現時点では清算配当率は6・38%にしかならないとの見通しも示した。しかし、申請に至る詳しい経緯の説明はなかったといい、出席者からは不満の声が上がった。 説明会は非公開で行われた。代理人弁護士によると、出席した約600人を前に長田達機社長が冒頭、「迷惑をかけ誠に申し訳ない」と謝罪したが、経営責任や進退に関する発言はなかった。資金繰りに困る下請けや取引先を支援するため、長田社長の親族が私財を提供する意向を示しているという。 会場では、07年11月末時点での清算貸借対照表が配布され、資産の一部を構成する完成工事未収入金が帳簿上は約60億円あったが、うち約38億円は実態がない粉飾決算で、約1億円は回収不能という。現時点で破産すると、債務超過額は73億円に上るとみられる。 粉飾決算について、弁護士は経営陣の責任などを含め、詳細を調べて報告書にまとめる意向を示した。再生計画案の可否を決める債権者集会は7月ごろの見通しという。 一方、出席者からは同社の説明では納得できないといった不満の声が強く上がった。東京都内から駆けつけた取引先業者は「民事再生手続きの申請に至った具体的な経緯説明がない」と不信感を募らせ、甲府市内の債権者も「何を聞いても『裁判所の決定がないと答えられない』ばかりで、結論が出てこない」と話し、困惑した表情で途中退席した。【宇都宮裕一】
by yurinass
| 2008-03-05 07:58
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