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ふくおかフィナンシャルグループ(FG)は1日、福岡、熊本ファミリーの両行に加え、新たに親和銀行を完全子会社化して経営統合し、総資産で国内最大の地域金融グループが始動した。同日から「ゆうちょ銀行」もスタートし、地場金融業界の競争は新たな局面を迎えた。
◆総資産で地銀首位 「新たなステージに踏み出した。スケールメリットをいかして顧客基盤を拡大する」 この日、福岡市内で行われた記者会見で、ふくおかFGの谷正明社長(福岡銀頭取)は広域戦略を加速させる考えを強調した。 4月に発足したふくおかFGの総資産は親和銀の分を加え11・7兆円となり、横浜銀行を上回る地銀首位に躍進した。ふくおかFGは持ち株会社に地銀3行がぶら下がる全国初のケースとなる。谷社長は「3行体制で地域情報などの厚みが増す。各行のブランドをいかす一方で、本部機能を高め、独自の一体経営を追求する」と語った。 ◆課題克服は未知数 ふくおかFGの本業のもうけを示すコア業務純益は約900億円で、横浜銀などに水をあけられている。09年度は1000億円に伸ばすとしているが、長崎は十八銀行、熊本は肥後銀行が迎撃態勢を強めており、競争激化は避けられない。 一方、ふくおかFGの不良債権比率は親和銀のグループ化で発足時の2%台から5%台(9月末見込み)に上昇した。同日就任した親和銀の鬼木和夫頭取は「新中期経営計画(09年度まで)の前半で、不良債権処理と収益力強化にめどをつけたい」と語ったが、最大の課題である「規模に見合った収益性や健全性の確保」(谷社長)が計画通り進むかは未知数だ。 ◆広域連携で対抗 地場では、西日本シティ銀行も豊和銀行と資本・業務提携し、9月には懸案だった子会社、長崎銀行の資本増強にも踏み切った。 西日本、福岡シティによる合併から3年を迎えた西シ銀は、旧福岡シティに注入された公的資金を早期に完済し、攻めの経営を加速させる構えだ。 山口、もみじ両行が昨年10月に経営統合した山口FGも福岡、山口、広島で地盤固めを進めている。 十八、佐賀、筑邦の3行もシステム共同化で手を組んでおり、生き残りをかけた広域連携の行方が引き続き焦点となる。
by yurinass
| 2007-10-04 07:55
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