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by yurinass
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実はこれ、粉飾です

コンパッソ税理士法人 白井輝次

 平成10年3月末のことになるが、確定申告シーズンも落ち着き、たまたまある司法書士さんの事務所に伺ったついでに、その司法書士さんと同じビルに入っていた知り合いのS社を訪問した。

 雑談をひとしきりして、さあ帰ろうとした時に、奥さんが「ちょっと先生お待ちください、実は相談したいことがあります」と引き留められた。決算書を見て欲しいのだと言う。S社とは仕事上の付き合いはなかったが、「見るくらいは」ということで、拝見したのが実は全ての始まりであった。

 貸借対照表を見て、棚卸しが異常に多いのにまず気がついた。また手形も借入金も多い。損益計算書を見て、売り上げが10億円以上あるのにずいぶん利益が低いし、金利も多い。一目見ただけで、バランスの悪い決算書ということがわかる決算書だった。「このままでは倒産しますよ!倒産分岐点オーバーです!」と率直に言わせてもらいつつ、棚卸しに話が移ったら、「実はこれは粉飾です」と打ち明けられた。

 売り上げを上げなければ銀行からお金が借りられなくなると考え、儲からない仕事でもひたすら引き受けてきた。また、会計事務所は毎月10万円の顧問料だがなにもしてくれないと、事情を説明してくれた。

 ちょっと立ち寄ったつもりが、大変なことに巻き込まれてしまったと感じつつも、商売柄、言わせてもらった。「今なら、なんとかなるかもしれません。そのかわり、抜本的な対策が必要ですね。あしたもう一度お会いして、じっくり練りましょう」。

 翌日次のような対策をたてた。
(1)貸借対照表をきれいにする作戦(自己資本充実作戦)
 個人の資産中、マンションと自宅の半分を会社の資本に組み入れて、つまり増資と減資を組み合わせて過年度の実質繰り越し赤字5000万円解消作戦開始。これによって債務超過脱出。 
 (2)売り上げ先変更作戦
 公共工事が売り上げの60%以上を占めていたが、この関係は特に経営の足を引っ張っていたので、この関係を縮小撤退の方向へ。利益率の良い仕事を受注する作戦へ転換。これによって売り上げ大幅減少覚悟。
 (3)会社経費の大幅削減
 本社をビルから撤退し、自宅の半分を簡易改造して本社とする。併せて、人員を含む各種リストラ断行作戦。
 (4)リスケ作戦
 三つの金融機関から合計約1億5千万円の借金。毎月元利計290万円の返済。これを、リスケ(条件変更)して月々42万円程へ縮小。(売り上げ10億円以上のスキームで借り入れ返済計画が成り立っていたが、これを大幅に縮小)

 以上の止血栄養作戦を断行し、売り上げ先変更作戦は最終的に数年かかったが、おおむね1年で作戦完了した。その結果、再生初年度の損益は、年間売り上げ1億5千万円 (前年は粉飾後10億円超)、年間純利益5百万円 (実質)となって、それまでの粉飾体質を一掃し、小さな会社でも実質利益の出る会社となった。

 再生開始当初は、奥様と娘さんとただ一人残った社員さんであったが、再生2年目になると、息子さんが大学を卒業し、S社に入社した。この息子さんの縁とみんなの力で、売り上げは年々回復し、利益体質も強化され、昨年は売り上げ6億円・利益3千万円をあげる会社となった。5年前には、金融機関の月々返済も完全にもとに戻し新規借り入れもできるような状況になった。借入金残高は10年前の60%ほどですが、社長はもう借り入れる気はない。

 再生話ばかりですが、実はこの間、特に株価の低い時期に入社したての息子さんに株を相当数移動してしまったので、結果的に所有面の事業承継対策も完了してしまった。さらにこの間父子での苦しい商売を一緒にやれたので、商売上のノウハウも苦労も会得し、社長は永年の苦労のため昨年脳梗塞で倒れたが、会社の経営はやる気ある息子さんの存在によって以前にもまして成長中です。


プロフィール
白井 輝次(しらい てるじ)
コンパッソ税理士法人代表社員

1948年、群馬県出身。70年法政大学経営学部卒業。税理士・医業経営コンサルタント。73年竹平会計勤務。78年白井会計設立。90年(株)東京パートナー会計事務所合同設立。04年コンパッソ税理士法人設立。06年同法人の代表社員就任現在に至る。「だれでもわかる企業承継の実務」・「非公開会社の法務」各第一法規出版刊。全国中小企業団体中央会委員。東京都社会的事業承継システム研究会委員。事業承継対策・相続対策・自社株対策などに精通。非公開会社法研究会員。
コンパッソ税理士法人 http://www.compasso-group.jp/
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by yurinass | 2008-05-31 10:20

ダイレクトメールは今も有効なメッセージ伝達手法 ~新規顧客をみつけるための10の方法

ダイレクトメール(DM)とは、葉書や封筒などの郵便により特定の個人に対して直接メッセージを伝える、ダイレクトマーケティングの手法の1つだ。

広くはFAXや電子メールなども含まれ、その形態はさまざまあるが、ここでは葉書や封筒など紙のダイレクトメールによるリードジェネレーションに注目する。インターネットの普及で影に隠れがちだが、紙だからこその利点は多いのだ。
見込み客からメディア会員まで、さまざまな手段でアプローチ

一口にダイレクトメール(DM)といっても、その形態はさまざまだ。郵便なのかそれともメール便や宅急便なのかといった配達の手段による分類もあれば、手紙、葉書、カタログ、チラシ、小冊子などコンテンツによって分類することもできる。

どの手段でも課題になるのが、送付先となる顧客情報をどうするか、リストをどうするかだ。

利用できる送付先リストとしては、帝国データバンクや東京商工リサーチ、ダイヤモンド社などのデータベース会社のリスト、ネットから集めた広告掲載や団体の会員リスト、または社内のハウスリストなどが挙げられる。

また、媒体(メディア)社などの同梱サービスを利用することもできる。これは、出版社やカード会社などが、定期購読物や会員への会報、請求書などを送る際に、そこにカタログやチラシを同梱するサービスだ。形や分量は限られるが、媒体ごとの絞り込まれたリード獲得が期待できるのが利点だ。コストも一件あたり数十円からと安価だ。

次にDMの発送だ。外注先を使う場合は大きく次の3つにわけられる。

1. 発送代行会社
2. DMの企画制作会社
3. マーケティング会社

1は発送のみ、2はコンテンツ制作のみの委託となる。3のマーケティング会社にはリード獲得の企画からコンテンツの制作送付先リストの提案まで、さらにはその後のフォローや効果検証までを一括して依頼できる。

まったく新規のリード獲得となると、DMの送付先から探さなくてはならない。たとえば「○○業界向けの製品を開発したので効果的な営業先を見つけたい」といった場合に、製品・サービスを理解して、適切な営業先を提案し、パートナーとして動いてくれる存在は心強い。また、イノベーションではDMを利用するときに、テレマーケティングを組み合わせて実施する案件が多いのだが、こうした複合的な提案ができるのもマーケティング会社の強みだ。
DMで受付を突破せよ――開封させるクリエイティブ

DMならではの利点に“直接手元に届く”ということが挙げられる。たとえば企業の役員にコンタクトするとしよう。直接電話をした場合、代表電話の入り口でブロックされることが簡単に想像できるはずだ。しかし、DMなら直接手元に届けることができる。そして、DMが届いたタイミングで「先日お送りした○○は見ていただけたでしょうか」と電話でコンタクトするのだ。

だがDMも開封されなければ意味がない。開封率を上げる基本としては、

* キャッチで興味を引く
* 定形外や厚みをつけた郵便で目立たせる

などの工夫が必要である。

さらに、結婚式の案内などでよく使われる、「大礼紙」と呼ばれる上質の紙+毛筆書体で送るのも有効だ。こうした手紙は重要なご案内が多く、秘書の選別をもくぐり抜けられる。会社設立や上場の案内、役員交代の案内などで見かけたことはないだろうか。この場合、多忙でもすぐに確認しないわけにはいかないので開封率は非常に高い。
仮説と検証がなければ意味がない
成否はPDCAサイクルで測る

どのリード獲得手法にもいえることだが、仮説を立てて効果検証することが必要だ。たとえば、5000件のDMで1通あたり200円のコスト(制作費、送料、発送代行手数料)なら100万円かかる。そのDM発送から100件の返信があれば、1リードあたりの獲得コスト(CPA:Cost per Acquisition)は1万円となる。その獲得コストが投資対効果に見合わなければ継続させるのは難しい。

DMを5000件発送

↓1通あたり200円のコスト

合計コストは100万円

↓コンバージョン(返信)率2%

100件のリードを獲得

↓100万円÷100件

1件あたりの獲得コストは1万円

DMは1件ごとに郵送費や印刷代がかかるため、ネットの検索連動型広告やメール広告などに比べると高コストになりがちだ。そのため、リストやクリエイティブについて綿密なプランと検証をし、改善を繰り返すべきである。

DMのキャッチの大きさや位置、文言はどれが適切なのかなど、継続して検証すべき点は多い。リードジェネレーション手法とうまく組み合わせたうえで、仮説検証を立ててPDCAサイクルを回すのが、DMによる見込み客の獲得を成功させるポイントだといえるだろう。
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by yurinass | 2008-05-31 10:18

GE、家電部門を売却へ

 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米ゼネラル・エレクトリック(NYSE:GE)は家電部門を売却するため、競争入札を開始する計画だ。事情に詳しい筋が明らかにした。

 同部門の売却が完了すれば、100年以上にわたるGEの家電事業に終止符が打たれることになる。同筋によると、GEはこの「白物家電」部門の競争入札の運営で米ゴールドマン・サックス・グループと契約した。売却額は50億-80億ドルになる見通しという。

 家電販売は米国の景気鈍化や住宅市場低迷による打撃を受けている。同事業の売却は、年間で少なくとも10%の増益というGEの長期目標の達成に寄与する見込みだ。

 家電部門の売却は、拠点のあるケンタッキー州ルイビルの人々や多くのGE幹部の感情に訴えるものになるだろう。だが、売却は、成長ペースの遅い工業部門を整理し、より高い成長を遂げるハイテク部門に経営資源を集中するというジェフリー・イメルト会長兼最高経営責任者(CEO)の戦略に沿っている。さらに、120年の歴史を持つ同社に対し、より劇的な再編を求めている向きをなだめることに寄与するとみられる。GEは先月、期待外れの1-3月期業績と通期の業績見通しの下方修正を発表したが、それ以来、大掛かりな事業再編を求める声は高まっている。

 家電部門の売上高は約70億ドル。GEの年間売上高(1730億ドル)に比べるとごくわずかにすぎず、売却しても同社に与える影響は限定的となるもよう。GEのウェブサイトによると、同部門の製品は冷蔵庫、冷凍庫、電熱器、ガスレンジ、食器洗い機、洗濯機、ドライヤー、電子レンジ、エアコンなど。「GEプロフィール」や「ホットポイント」といったブランドで販売している。GEが同事業に参入したのは1907年。1930年には初めてエアコンを発売するなど、数々の歴史的功績を誇る。
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by yurinass | 2008-05-31 10:13

日生、新契約高07年度3位・4割減、首位転落

 日本生命保険の2007年度に獲得した新契約から得られる保険金の総額(新契約高)が、前年度比約4割減の約6兆5000億円にとどまったもようであることが25日わかった。第一生命保険、住友生命保険を下回り、3位に転落した。日生が通期で新契約高の首位を明け渡すのは戦後初とみられる。保険金の不払い問題などで、新規の顧客開拓が進まなかったことが影響した。

 新契約高は大手生保の主力商品である高額の死亡保障商品などがどれくらい売れたかを示す指標となる。大手生保は昨年、販売の主体である営業職員が不払い問題の調査などで既契約者の訪問活動に追われたため、いずれも新契約高を落とした。首位となった第一生命の新契約高は約8兆8000億円、2位の住友生命は7兆4000億円といずれも前年度比2ケタ台の落ち込みとなったもようだ。
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by yurinass | 2008-05-31 10:07

三菱東京UFJ銀、動産担保融資3倍に 3社と提携

 三菱東京UFJ銀行は、企業の設備や商品在庫といった動産を担保に資金を貸し出す事業を強化するため、グループ内外の専門業者3社と提携した。動産の評価や回収の精度と効率を上げ、従来の3倍以上のペースで関連融資を手がける計画。動産担保融資を本格展開する体制を整え、不動産資産の乏しい中小企業の資金需要に応える。

 提携したのは動産の調査・評価大手のトゥルーバグループホールディングス(東京・渋谷)、三菱UFJフィナンシャル・グループの債権回収会社エム・ユー・フロンティア債権回収、三菱総合研究所の3社。(
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by yurinass | 2008-05-30 08:28

IXI粉飾決算、元社長が不正を指示

 経営破綻した大阪市のシステム開発会社アイ・エックス・アイ(IXI、清算手続き中)の粉飾決算事件で、元社長の嶋田博一容疑者(49)=証券取引法(現金融商品取引法)違反容疑で逮捕=が2002年、ほかの幹部らに「会社を大きくするために大切」と架空循環取引を指示していたことが29日、関係者の話などで分かった。

 大阪地検特捜部は同日、元社員の佐山敬祐容疑者(44)を共犯容疑で逮捕、嶋田容疑者が架空循環取引を主導したとみて捜査している
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by yurinass | 2008-05-30 08:02

米証券取引委員会,XBRL形式による財務報告の義務化提案へ

 米証券取引委員会(SEC)は米国時間2008年5月14日,eXtensible Business Reporting Language(XBRL)形式による財務報告書の提出義務化を正式提案することが決定したと発表した。

 XBRLは,財務諸表の記述を目的としたXMLベースのビジネスデータ記述言語仕様。財務報告書などのデータにタグ付けすることで項目の識別が可能となり,コンピュータによる処理が容易になる。インターネット上での検索,表計算ソフトウエアやデータベースへの取り込みなどが可能となり,比較や分析がしやすくなるとしている。

 今回の提案が公示期間を経て正式に承認された場合,米会計原則を適用する米国および外資系の大規模企業の約500社は,2008年12 月15日よりXBRL形式による財務報告が義務付けられる。これ以外の企業には3年以内にXBRL形式による財務報告を開始することが義務付けられる。

 SECは2005年からのXBRL試験運用プログラムを実施しており,76社が参加しているという。SECの調査によれば,XBRL形式による最初の財務報告にかかる平均費用は約3万ドルだが,2回目以降は大幅に低下するとしている。
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by yurinass | 2008-05-21 22:59

生保の逆ざや

 ■運用不調で利差損益マイナス/バブル崩壊・ゼロ金利が影響

 日本生命保険と第一生命保険が、契約者にあらかじめ約束した予定利率よりも実際の運用利回りが下回る「逆ざや」を2008年3月期決算で解消したことが明らかになりました。大手生保が逆ざやを解消するのは01年3月期の開示以来初めてで、日本生命は運用実績の収支を示す「利差損益」で数百億円の黒字が出ます。逆ざやとはどのようなもので、どうして発生したのでしょうか。

 生保会社は、契約者から払い込まれる保険料で株式や国債などを購入して運用しています。この運用による収益を契約時にあらかじめ見込んだものが予定利率で、保険商品はその分保険料を割り引く仕組みになっています。

 そして、予定利率と運用実績のトータルの収支が利差損益です。予定利率が実際の運用実績を上回れば利益が出ますが、逆に運用実績が予定利率を下回れば収支は赤字となります。このように運用実績が不調で、利差損益がマイナスになる状態が逆ざやというわけです。

 バブル景気の時代に、生保各社は高い運用効果を見込んで5%を超える予定利率を設定しました。しかし、バブル崩壊に伴う株価の低迷や日銀のゼロ金利政策によって、予定利率を大幅に下回る運用実績を余儀なくされました。それにより多額の逆ざやが生じ、ピークの1999年3月期決算では大手生保7社で1兆2757億円にも達しました。多額の逆ざやを抱えた生保会社は、契約の維持などのため必要と予想した経費と実際の経費との差で生じる「費差損益」など他の利益で穴埋めしました。しかし、そういった無理は生保会社の経営体力を奪い、日産生命など中堅生保の破綻(はたん)が相次ぎました。

 生保各社では、逆ざや解消のため新規契約の予定利率引き下げや事業効率化を実施。また、生じた利益を内部留保として蓄積し、逆ざやの縮小を図りました。そういった対応に加え、06年のゼロ金利政策の解除や企業業績の回復による配当金の増加といった運用環境の改善で、逆ざやの解消は一気に進みました。

 ただ、日本生命と第一生命は業績数値では逆ざやを解消したものの、個人向け保険を中心に個々の契約では依然として逆ざやが残っています。そのため、日本生命では個人保険の責任準備金を07年3月期から5年間で計1兆2000億円積み増す計画を進めることで逆ざやの一掃を進めています。住友生命など他の大手生保でも、同様の逆ざや解消策を実施しています。

 逆ざやが解消されると、契約者への利益還元を進めやすい環境になります。これまでのように手厚い内部留保積み上げの必要性が薄れるためで、08年3月期でも大手生保4社が4年連続で増配を実施することを決めています。今後は、生保会社の体力差が、契約者への利益還元面で差を生みそうです。(三塚聖平)
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by yurinass | 2008-05-21 22:58

資金供給にブレーキ、融資による物件、企業の選別進む

不動産投資市場の拡大を支えてきた金融機関に、融資姿勢見直しの動きが広がっている。ローンの証券化を前提にしている金融機関のなかには、事実上、融資を停止したところも。投資家の不動産への投資意欲は引き続き強いが、金融機関の審査厳格化は避けられない。今後、融資サイドからの不動産および企業の選別が進みそうだ。

 不動産投資を手がけるレイコフ(本社:大阪市)が2008年3月、民事再生法の適用を申請した。引き金となったのは、サブプライムローン問題に端を発した不動産への融資引き締めだ。ホテルの取得や開発の費用を融資で賄うことができず、手元資金が流出。物件の保有コストもかさみ、資金繰りがつかなくなった。

 あるデベロッパーの社長はこの事件を、人ごととは思えなかったという。「この半年間、開発事業に対する金融機関の融資姿勢が非常に厳しくなり、ビジネスに支障を来した。最近になって資本調達にこぎつけたので、ようやく一息ついた」と語る。


主要金融機関の不動産向け融資残高の推移
 図表は主な金融機関の不動産業向け融資残高の推移を示したグラフだ。2004年9月時点の残高を100とし、その後3年間の動きを指数化している。ノンリコースローンを中心に積極的に融資する金融機関は多く、2007年9月までは全体として右肩上がりだった。

 この動きが転換点を迎えている。住信基礎研究所が2007年12月、主なファンド運用会社を対象に資金調達の状況を調べたところ、投資家のエクイティ投資意欲は高いものの、73%の会社が「金融機関の融資が消極的になっている」と感じていた。

 「特にノンリコースローンの落ち込みが激しい。バブル経済が崩壊した直後よりも強い資金詰まりを、ファンド運用会社は感じているはずだ」と、ある大手銀行のローン担当者はみる。正確な統計はないが、ノンリコースローンの新規融資の5割以上は外資系金融機関を中心とする「証券化レンダー」が出していた。

 不動産ローン債権を裏付けとした証券(CMBS)の発行を前提に融資をしてきたが、サブプライムローン問題が証券化市場に波及。過熱する不動産市場に懸念を持つ金融庁の指導もあって、金融機関を中心としたCMBS投資家も投資が難しい状況に追い込まれた。CMBSが売れない状況下で、証券化レンダーの資金供給が大幅に減っている。

一方、国内金融機関にも影響が及んでいる。新BIS規制とよばれる国際的な取り決めによって、国際業務を行う銀行は自己資本比率8%を維持する必要がある。リスクの高い投融資をするほど自己資本比率が悪化する算定式となっていることから、各銀行は融資業種ごとに融資枠を設定し、リスク管理を徹底している。

 「ところが昨今の株価低迷で銀行の自己資本にマイナスの影響が出ており、融資に対するリスク許容度が低下した。不動産への融資は額が大きく、不動産市場の先行き不透明感もあって、慎重にならざるを得ない」(大手銀行)という。


ファンド運用会社は融資枠確保に動く

 今年3月、ある投資会社が東京都心のビルを取得した。売り主との粘り強い交渉の結果、売却希望価格の7割程度で購入することになった。「金融機関4社と交渉したが、いずれも『ぜひ融資したい』との回答をもらった」と、取得担当者は金融環境の悪化もどこ吹く風の様子だ。ほかにも資金調達に困っていない会社が少なからずある。

 融資対象を選別する金融機関の動きが鮮明になっている。「優良な物件とそうではない物件との二極化が進んでいく。企業も同様だ。不動産価格の上昇局面では誰がやっても利益が出ていたが、今後は不動産を扱う力量が問われる。金融商品取引法の施行もあり、淘汰される企業があるのは仕方がない」(大手銀行)。

 こうしたなかで、金融機関とコミットメントライン契約を結ぶファンド運用会社が目立ち始めた。設定した期間と金額の範囲内で自由に融資を受けられる契約で、手数料が発生するものの、安定的かつ機動的に資金を調達できる。例えばケネディクスは2008年3月、三菱東京UFJ銀行をアレンジャーとした複数金融機関の協調融資で213億円の枠を確保した。ファンドやREITに組み入れる不動産を先行取得する資金に充当する。

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by yurinass | 2008-05-21 21:08

7兆円を突破したREIT運用資産、東急不動産が四半期調査で分析

REIT(不動産投資信託)の運用資産は取得実績ベースで7兆円を超え、鑑定評価額ベースでは8兆円を超えた――。東急不動産がこのたびまとめた「TOREIT四半期報告」で、このような結果が明らかになった。TOREIT(トゥリート)は同社が運営する会員制データベースシステムで、上場REITの物件情報を提供している。

報告書によると、2008年3月末時点のREITの所有物件数は1792だ。資産総額は取得金額ベースで7兆2102億円、時価(直近の鑑定評価額)ベースで8兆1560億円になった。REITは1月~3月に98件、4782億円相当の不動産を取得する一方で、39件、671億円規模の運用資産を売却した。こうしたことから、「成長スピードが鈍化したものの、資産規模は拡大傾向で推移している」と東急不動産は分析している。
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by yurinass | 2008-05-21 21:05