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by yurinass
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ビブロス倒産関連⑤


(Q:2006年内定者)
 私たちは、3月15日に内定辞退を薦められたのだが、弁護士が今回の件に関与したのはいつからなのか?

(A:神田弁護士)
 ビブロス自体に関与したのは、それこそ申し立ての5日前くらいからである。内定者がいることを失念しており、大変失礼した。

(Q:2006年内定者)
 B/Sの車両運搬具で1千万円近い金額がこの時点であるが、減損処理されているので実際の金額はもっとあったと思う。この車の車種と台数と社長の私物だったのかを教えて欲しい。

(A:山本氏)
 この金額はもう残っていない。

(A:神田弁護士)
 税理士と相談した中では簿価では残っている。

(A:山本氏)
 1台はBMW735。他は全て売却している。12年前に買ったポルシェ、6年前に買ったレンジローバーである。

(Q:2006年内定者)
 出版社で必要ないもので、それは社長の私物的扱いなのか?

(A:山本氏)
 私の常時乗る車として使っていた。レンジローバーは、アウトドアや自然関係の出版のために使った。

(Q:不詳)
 自身の自己破産の予定は?

(A:山本氏)
 近々自己破産させていただく。

(Q:2006年内定者)
 ビブロポートの社長は誰になるのか?

(A:山本氏)
 まだ、代表取締役をしているが、将来事業に直接関わることはない。現場のプロジェクトリーダー等が今後の方向性を決める事になる。話を聞いてアドバイスをしている。

(Q:2006年内定者)
 続投することはない?

(A:山本氏)
 社会的責任があると感じている。基本的にこの業界から身を引かせていただく考えである。

(Q:不詳)
 2004年9月と今回のB/Sで、土地の資産が4900万円から8500万円に増えている。土地の購入目的と買った場所を教えていただきたい。

(A:山本氏)
 私の個人資産の土地を会社財産にして、そのお金を会社に貸し付ける形にした。

(神田弁護士)
 それでは、今日は皆様お忙しいところ、ご参集いただきありがとうございました。本当に申し訳ございませんでした。こちらで、散会といたします。



ハイランド債権者説明会
*)内容を読むにあたっては、ビブロス債権者説明会についてのコメントをお読みいただけると幸いである。

2006年4月13日午後1時~1時40分
弁護士会館2F大講堂「クレオ」
説明者:破産申請代理人:弁護士 神田 元
    株式会社ハイランド 元・代表取締役 水野 晴夫
[配付資料]
・株式会社ハイランド債権者説明会・式次第(アップは割愛)
・破産手続開始申立日における修正賃貸対照表(スキャニング画像有り)
・破産手続きの流れ(手続きなので、アップは割愛)
・「債権者の皆さまへ」(社長お詫び状)(スキャニング画像有り)

【破産申請代理人神田弁護士挨拶】
・挨拶
・資料確認
・式次第確認

【水野氏挨拶】
・資料配付の「債権者の皆さまへ」の第一段落に即してお詫びが行われた。

 事業の調子が少し良かった時に、新しい事業を展開すべく新しい事業を始めたが、皆さんのご支援があったにもかかわらず、少しばかりの実績で新しいことに手を出してしまった私の経営者としての未熟さ、判断の甘さが、それが今回の原因の全てだと思う。
 会社の業績が3年ほど前から少し調子が悪くなったときに、再建計画を立てて努力してみたが、なかなかうまく行かず、不採算部門を2年前に閉じることになり、一気に規模が縮小してしまった。その後もなかなか立ち直る機会を見つけられないまま、去年の段階で大幅なリストラをしたが、効果がなかなか上がらかった。今年にいたって、ようやく債権の目処が付くような事業計画を立て、最後の最後まで金融機関の皆さんとも相談しながら、3月の末日までがんばったのだが、前提となる貸付金の回収が不可能となった段階で、今回のような事態に相成った。

【破産申立に至る経緯説明】
(神田弁護士) 4月5日に東京地方裁判所に破産申し立てを行った。同日午後5時東京地裁から破産手続き開始決定。破産管財人に田川淳一弁護士が即刻選任された。
 破産にいたる経緯であるが、株式会社ビブロスとの関係で、手形の裏書きをしあっていた。ビブロスが4月5日に破産申し立てをしたのにあわせて、申し立てをした次第。3月31日に破産申し立てをし、宣告を受けた碧天舎の破綻の余波を受けた連鎖倒産という形。

【貸借対照表の説明】
(神田弁護士)
 裁判所には3月31日の修正貸借対照表を提出している。ハイランドは12月末決算。配っている資料は、3月31日修正したものをベースに作成したもの。ハイランドにはめぼしい資産が残っていない。現金は約220万円しか残っていないが、全額破産財団の管理口座に入れた。売掛金は簿価としては4千万円あるが、相手先は取次等であり、返本が出てくれば、これは減っていく。最悪の場合、返本がこれを上回れば過払いとなり、逆に債務が増えることになる。返本の見込みとしては相当あるので、売掛金の回収の見込みは薄いと思われる。返本等で確定するのは相当先になるが、処理が進まないので、管財人は、取次と話し合いをされて、何らかの形で和解をされると思われる。ただし、破産財団を増殖するような内容はない。
 敷金については既に解約済みなので、既に0円になっているので、ご訂正願いたい。差し入れ保証金については、原状回復義務を履行した場合、いくら残るかは不明。
 財団として金額的に確定しているのは、現金のみ。負債額は約2億6200万円、約2億900万円の債務超過。配当については、金額的には厳しい状況。

【今後の手続き】
(神田弁護士)
・資料に基づいて、破産手続きの流れについて説明を行った。

 4月5日の段階で支払い停止。合わせて債務超過になっているので、破産申し立ての両因を充足している。債権届は、出していただきたい。法定の第一回債権者集会は、7月31日午後3時30分より、東京地裁3Fの集会所で行われる。ここで、管財人のからの破産に至る経緯説明、破産財団の現状報告がある。本日の説明会は、皆さんへのお詫びとご挨拶のための任意の集会である。
 今回の場合、配当が見込まれない可能性が高く、第一回の債権者集会で廃止決定になると思われる。

【質疑応答】
(Q:リース会社)
 解約されると思うが、物件はどうすればよいか?

(A:神田弁護士)
 返すことになると思うが、決定は管財人からあると思う。

(Q:リース会社)
 マニュフェストの問題があり、物件の処理がうるさいので、手続きをしっかりする必要がある。指示をいただきたい。

(A:神田弁護士)
 物件は管財人の占有下。いずれにしろ、早々に事務所を退去する方向なので、管財人にご一報いただきたい。基本的には契約解除になる。

(Q:リース会社)
 物件が電話なので、支障が出るのではと考える。

(水野氏)
 一部可能なリース物件については、管財人の了承の元、一部、返却を始めている。最後にはなろうとは思う。

(A:神田弁護士)
 長くても事務所立ち退きまで。

(Q:リース会社)
 指定場所にご返却したい。その辺は別途ご連絡する。

(Q:リース会社)
 社長さん個人はどうなる?

(水野氏) 個人についても手続きを神田先生にお願いしている。会社が片付き次第手続きを進める。

(A:神田弁護士)
 受任している。

(Q:印刷会社)
 資産についてだが、ソフトを売却して返済に充てられる考えがあるのか? 印刷用の原板・データを保管しているが、どうする? 今までの判例では、使用権は印刷会社・所有権は出版社に、ということが一般的に言われているが、所有権は放棄されるのか? 保管しているのも費用がかかるので、廃棄したい。所有権を主張されるのであれば、運ぶのにもお金がかかるので、指定の期日までにお引き取り願いたい。

(A:神田弁護士)
 在庫の本については価値はおそらくゼロということで考えている。原板・データは転売できる可能性もないのでので、処分いただくことになろうかと。結論は管財人の方から。

(Q:印刷会社)
 コミックソフトの売却は? 他社に売られるのか?

(A:水野氏)
 倉庫業者・管財人と話し合って、在庫については、ゾッキに流すかどうかを決める。

(A:神田弁護士)
 ゾッキ本市場に流すにしても、ビブロスと違って価値が見いだせないので、管財人もそこまで手間をかけて交渉するかはなかなか難しいかと。

(Q:印刷会社)
 破産の経緯の中に新会社の設立とあるが名前を教えていただきたい。また、貸付金の回収もままならないと言うことだが、貸付先はどちらか? 貸付金がB/Sに入っていないように見えるのだが?

(A:神田弁護士)
 貸付先はビブロスグループの関連会社、中には実態のない会社もある。B/Sに書かなかったのは、実質回収不可能なので、ゼロとした。

(A:水野氏)
 作った会社はビブロポート。貸付先は、ビブロポート、碧天舎、ビブロスの持ち株をある程度持っていた会社であるプラセットになる。

(Q:印刷会社)
 ビブロポートは、ハイランドが設立したのか?

(A:水野氏)
 ビブロポートは、山本、中村、私の3人が個人で起こした。

(Q:印刷会社)
 個人で設立し、そこに、ハイランドのお金をビブロポートに貸し付けた?

(A:水野氏)
 私が取締役を辞める前の話になる。私は、去年の決算でビブロポートの取締役は退任している。

(Q:印刷会社)
 それぞれの貸付金額をお教え願いたい。

(A:水野氏)
 ビブロポートが1900万円強、プラセットが2650万円、碧天舎が2900万円。碧天舎については、ハイランド名義で3000万円の株式を所有しており、2~3年前に4000万円債権放棄している。

(Q:印刷会社)
 先ほどのビブロスの債権者説明会において、ビブロスも碧天舎に債権放棄している経緯があったので、プラセットという実態のない会社から迂回をして貸し付けたという説明があったが、ほぼ同様と考えてよいのか?

(A:水野氏)
 ほぼ同じような感じ。個人で持っていた土地があったので、それを売却して、会社に貸し付けて清算した。

(Q:印刷会社)
 個人の資産を売却して、個人で貸し付けたものを会社で精算したとは? 会社から社長に戻ってきたということ?

(A:水野氏)
 4000万円位を貸し付けて。一部は過去の貸し付けと相殺した。残りが2900万円。

(Q:ライター)
 インターネット事業でelfiledを運営しているフォレスタルという会社があるが、そちらの特定商取引法に基づく表示の販売責任者水野氏の名前になっているが、御社とフォレスタルの関係は?

(A:水野氏)
 ビブロポートは上場するつもりだったので、アダルト関係の切り離してその受け皿としてフォレスタルを作ったが、まだ全然動いていなかった。elfiledは実際の運営をビブロポートが行っていたが、サイトの名義にハイランドにして欲しいという話があり、名義を貸した経緯がある。フォレスタル自体は実際まだ業務を引き受けておらず、会社は別の人に引渡をした。私の代表ではなくなっているはず。

(神田弁護士)
 それでは、今日は皆様お忙しいところ、ご参集いただきありがとうございました。本当に申し訳ございませんでした。

【水野氏挨拶】
 後始末についてはできるだけ速やかに諸処の手続きを進める。本当にありがとうございました。申し訳ありませんでした。
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by yurinass | 2008-02-29 13:38

ビブロス倒産関連④

【質疑応答】
(Q:印刷会社)
 修正貸借対照表に疑問がある。短期貸付金が約9億円ある。私の手元にある前前期最終貸借対照表での計上は2億700万円。1年間ちょっとの間で7億円もの短期貸付金がどこにいつ出たのか、どういう経緯なのか、回収可能額はどの程度なのか? 監査法人がどこかも教えて欲しい。常識的には1年ちょっとの間で7億円もの短期貸付金がこの程度の総資産規模の中で膨らんでいることは考えられないので、納得のいく説明をいただきたい。

(A:神田弁護士)
 私は、会社の顧問弁護士でも何でもなく、見始めたのは3月の半ば以降。それ以前のことは社長に聞いて欲しい。監査法人は入っていない。この程度の規模であれば、監査法人をつける法定義務はない。税務申告のために税理士が見ているだけである。どうしてそれだけ膨らんだかについては具体的な数字は、基本的には裁判所に提出している資料を閲覧して欲しい。この場では、どこにいくらとか、正確なことは申立代理人の立場上申し上げないことは御理解いただきたい。ただ、どのようなところにいくらくらい貸し付けていたかについて、経営責任の一環としてのご報告はあると思うので、それについては社長から説明してもらう。

(Q:山本氏)
 短期貸付金については9月以降急激に増えた。ひとつには実際に貸し付けた金額があるということと、ビブロポートでベンチャーキャピタルから資金調達しようとしていた。そのときに、監査法人を入れて見ていただいた。その中で、ビブロスの支払いの中でビブロポートの事業に対して資金出動があるということで、これについて、ビブロスからの貸付金として振り替わっている。ビブロポートの資金調達も、碧天舎が原因で時間的にうまく行かなかった。その中で、ビブロポートへの貸付金も急速に増えている。監査法人も、資金調達に成功すれば、やっていけるだろう、ということだったのだが、碧天舎の方の業績が思ったようにはいかず、9月から3月にかけてやはり悪化してしまった。ビブロスは碧天舎にある程度債務保証しているので、その代位弁済が起こってしまった。

(A:神田弁護士)
 17年9月末、直近の期の財務諸表では、短期貸付金は6億3千万円。この時点でビブロポートへのは3億円、プラセットに3億3千万円貸し付けている。ここからさらに増えたのは、社長の説明の通り。

(A:山本氏)
 補足させていただくと、前々期については、9月に2億円の債権放棄をビブロスがして、一時的に圧縮されている。同様に9月に債権放棄して、その後の3ヶ月でソフトランディングしようと思った。碧天舎の著者の皆様に迷惑をかけないように処理を試みるつもりだった。ところが、10月~12月は非常に業績が悪く、債務がいきなり膨らんでしまいできなくなった。そこが悔やまれるところ。碧天舎は4年間がんばってきたが、市場の変化についていけなかった。2回くらい撤退のチャンスもあったが、顧客のこと、従業員のことを考えるとどうしても踏み切れなかった、経営判断の甘さがあった。

(Q:銀行)
 ビブロポートについては処理の方向はどうなのか? また、手前どものお客様の中で、ビブロスの出版事業と版権についてかなり興味を持たれている方がおり、照会等がある。管財人の方でお話を進めているという話があったが、今後それについて一緒に話し合いをしたい、という人がいた場合の対応についてご説明願いたい。

(A:神田弁護士)
 最初の質問については、私は3社のみ受任しており、中身も見ていないので社長の方からご説明したい。二点目については、倒産は一番資産劣化が早いので、事業譲渡をするのであれば、早くしたいと管財人とも話している。できましたら、この集会が終わってすぐにでも、管財人にお電話でもいただければありがたい。

(A:山本氏)
 ビブロポートについて、システムはかなり高度なもの。ベンチャーキャピタル、監査法人、投資会社から事業性はあるというご意見をいただいている。全体を引き受けてくれる方がいらっしゃったら、是非お願いしたい。ただし、後、3億円近い投資が必要である。したがって、エルフィックス等の小さいモデルの部分だけを売却して、システムの有効性を証明したい。現場も色々な方のご相談をうけながら進めている。
 二番目のご質問については、現在管財人が進めており、私は何の発言権もないが、20年間皆さんの協力でやってきたことなので、是非新天地でいい形で、残ってくれれば私としてはうれしい。私見を述べるならば、仕組みが大きいので、経営権譲渡ではなく、受け皿の会社を作ることが必要。それには7~9億円の費用はかかるので、かなりの資金力のある会社でないと。劣化の問題を考えると、今週、来週のうちの話ではないか。

(Q:銀行)
 この7~9億円というのは、ビブロスの事業譲渡ということか?

(A:山本氏)
 コア・コンピタンスであり収益力の高い「ビーボーイ」を引受会社に身請けさせて、色々な交渉をまとめ上げると、最善の方法で6億5千万円、悪い場合は、ピーク時8億円以上の資金が必要だと私は見る。

(Q:不詳)
 債権譲渡をしている話があるが、その経緯と有効なのか無効なのか? の説明をお願いしたい。

(A:山本氏)
 取次の売掛金について債権譲渡登記されている。

(A:神田弁護士)
 3月30日にチェックした限りでは商業登記簿謄本に載っていない。その後であればわからないが。

(Q:不詳)
 それは、昨年に法が変わっていて、謄本を取るときにその部分は申請しないと、商業登記簿謄本に載らないのでは?

(A:神田弁護士)
 失念していた。申し訳ない。通常は会社の方からもそのような場合説明があるが、聞いていない。

(A:山本氏)
 正月に印刷会社2社に手形ジャンプを申し込んでいる。その際、ある1社から条件として債権譲渡登記をさせろ、ということの申し入れがあった。時間がなかったので、これを受けてしまった。微妙な時期なので、法律の専門家ではない私にはわからない。

(A:神田弁護士)
 基本的には、破産前の財産隠匿行為は否認権の対象となる。無義務弁済・無義務の担保設定については、否認の可能性がある。この話については何も聞いていないので、何とも申し上げられないが、1月ということであれば、否認の可能性はあるのでは? 他の事件でも、どさくさの無義務の担保設定には、裁判所は厳しい決定を出しているケースが多い。いずれにしろ、管財人が調べられることになる。

(Q:不詳)
 4月5日に東販・日販の支払いがあったはずだが? このB/Sに計上されているのか?

(A:神田弁護士)
 このB/Sは3月末現在なので、載っていない。

(Q:倉庫業者)
 債権額が約2800万円ほどある。商品を管理しており、在庫が約100万冊ある。なりゆきが決まるまで、きっちり預かるつもりだが、新たに売掛金が発生する。これへの請求は、管財人に送って良いよいか?

(A:神田弁護士)
 管財人と相談してほしい。私は出版業には詳しくないが、もうビブロスの名前では書店では売れないのか? そこら辺が管財人がどのように調べられるかによる。

(A:倉庫業者)
 取次各社に毎月14万冊から17万冊でていた。返品率は非常に少ない。だれか、再建してくれる会社がいれば売れるはずだが、入ってくるものが入ってこなければ、いつまでも、預かれない。保管料という形の売掛金は生じる。

(Q:神田弁護士)
 ビブロスの名前で定価で売れるかにかかってくる。売れるのであればよいが、ゾッキでしか売れないのであれば、全額の支払いは難しいのでは?

(A:山本氏)
 新しい引き受け者がいた場合、過去の版権を増刷することになるが、在庫をゾッキ本市場に流した場合は、増刷計画に影響を及ぼす。引受会社が決まったときに、新しい会社と話し合いをしていただきたい。それが皆さんのためになる。

(A:弁護士)
 出版契約の帰趨にもよる。増刷ができるかどうかは何とも言えない。現在管理処分権は管財人にあり、管財人と作家さんとの間で決めること。
 流通在庫の問題については、早く管財人と話し合いをして欲しい。碧天舎についても同じ問題もあるが、碧天舎の場合は、碧天舎では話にならないので、直に倉庫会社と話すというような人もいる。

(A:山本氏)
 引き受けた出版社に成功していただきたい。2重に出れば増刷計画が狂う。話し合って欲しい。

(Q:倉庫会社)
 最終決定が決まるまで、大切に預からしていただく。再建者が現れれて、今までのような形でやらしてもらえればと思っている。

(A:神田弁護士)
 それは、社長の希望的観測。管財人と引き取る会社があればその会社の相談で決まる話。こちら側には管理処分権はないので、自己決定でお決めいただきたい。

(Q:作家)
 ビブロスで発行した版権については、白紙に戻ったと考えていいのか?

(A:神田弁護士)
 出版権を継続するのか、解除して白紙に戻すのかは、管財人の判断。もし、他で出す予定があるなら、管財人に催告してほしい。編集部ごとどこかに引き受けてもらうというのは、あくまで、こちらの計画であり、迷惑をおかけするわけにはいかないので、それぞれの判断でお願いしたい。

(Q:リース会社)
 ビブロスグループは、全体で何社ぐらいあり、それぞれどういう事業展開していたのか? 破綻したのは3社で、ビブロポートは申し立てしていないが、この辺の判断基準は?

(A:神田弁護士)
 相談をうけたのは3社のみで、それを受任している。

(A:山本氏)
 ビブロポートは、経営者の構成が違い、その意見を取り入れて現状まだ営業している。しかし、現実的には法的処理はやむなしの状況である。客観的にみて、今の形で存続は難しい。営業権譲渡等をやらざるを得ない。

(Q:元社員)
 短期貸付金をプラセットに貸し付けていたということだが、プラセットは実態がない会社だと認識している。こちらについて貸付金が発生している理由は? また、その貸付金の使い道は?

(A:神田弁護士)
 私は他の会社の存在は知っているが、内容は知らない。帳簿上の簿価としては把握している。

(A:山本氏)
 一期前に(碧天舎)の2億円の債権放棄をしている。一度債権放棄をしている会社に貸し付けをするのは、税理士からダメだと言われたので、形式上、プラセットを通して(碧天舎に)貸し付けていた。税務署も私どもの経営が困難であることを推測していたのか、問い合わせは来なかった。

(Q:元社員)
 状況をよく見せようとするごまかしなのでは?

(A:山本氏)
 この事について問い合わせがあった場合、碧天舎向けの貸付だったと回答している。

(Q:印刷会社)
 倉庫会社の100万冊の在庫は、資産として貸借表のどこに入るのか? また、先ほどの話によると、新しい引受会社の重版計画にあたって、今保管している本を出すと、重版計画に影響が出るから資産価値がないと言っているように聞こえるが?

(A:山本氏)
 そういう意味ではない。この本に価値はある。しかし、引受会社との増刷とは利益が相反している。スムーズな形で増刷と販売が行われるために、この在庫を引受会社にそれなりの価格で引き受けていただいて断裁するなどを行う必要があるのではないか、というのが私の私見である。

(Q:印刷会社)
 在庫の資産の金額については、売掛金の中に入っていると考えていいのか?

(A:神田弁護士)
 そのようになっていると思う。

(A:山本氏)
 私の見る限り入っていないと思う。

(A:印刷会社)
 それでは、どのくらいの資産価値があると考えるのか?

(A:山本氏)
 二次市場に流れるのであれば、流通量もコントロールできず、いっぺんに大量に出てしまう。その場合の価格は、取次に対する出庫価格とはかけ離れた値段になってしまう。一冊10円とか20円とかになるのではないか。

(Q:印刷会社)
 その話は、現実の話であり、帳簿上はどうなっているのか?

(A:神田弁護士)
 税理士と話したときには、在庫についてはそういった要素も加味してくれといっているので、一冊10円くらいの評価になっているのかと思われる。

(Q:ライター)
 ビブロデザイン等の数社の関連会社はまだつぶれていないと思うが、どうなるのか? そちらからのお金はどういう風になるのか? 隠しているという印象があるので説明していただきたい。

(A:社長)
 ビブロデザインは碧天舎と合併して今は存在していない。その他小さな会社はいくつかあるが、これらの関係会社に資金がプールされているようなことは絶対にない。名誉をかけて断言する。

(A:神田弁護士)
 基本的には3社だけしか話を聞いていない。プラセットの件は事情として聞いてはいるが、調査する時間はなかった。ビブロスの場合は、社長が破産の決断をしてから5日間でやった。関係会社の方はまったくタッチしていない。ビブロポートの場合、中の人間関係もあってなかなかむずかしいのかなと思っている。法的な問題を離れていろいろあるようなので、私はこれ以上は受けるつもりはない。

(Q:印刷会社)
 5日前から依頼を受けたという話だが、私は、4月3日に社長に会って、4月5日の手形はお金の手当がついて大丈夫です聞いたので、(自社の)経理にその旨申し送りをした。5日にダメになっているとわかっていて、私にそう言ったのか? 社内的に責任があるので、お教え願いたい。

(A:山本氏)
 全額投入すれば、手形だけは落とせる状況ではあった。しかし、作家さんに原稿料と印税が払えないのでは、手形が落とせないのと同じくらい事業に対する影響がある。ご不審を招くような結果になって申し訳ない。

(A:神田弁護士)
 破綻手続きの場合には、債権者の方々にウソはつくな、「努力しています」と答えるように指示はしている。社長は手形だけは何とかしたいと言っていたが、それでは他の債権者との平等が図れないので無理だと言った。

(Q:ゲームメーカー)
 ウチが出しているゲームの二次著作物としてビブロスが本を出している。その本に描いている作家さんへの支払いについて、ウチの会社を通して描いていただいた経緯があるので、立て替えてうちの会社から作家さんに支払いをしたいが、問題ないか?

(A:神田弁護士)
 法的には破産債権を買い取るということなので、私人間でやりとりするのは構わない。破産債権なので、ゼロに限りない近い額になるのだろうが、そこは経済的合理性で判断するのだろうから、伺っている限りでは問題ない。

(Q:ゲームメーカー)
 ビブロスさんの本の在庫を買い取って、うちが直接通販で売っている。それを売っても問題ないか? また、ユーザが楽しみにしている本なので、さらに在庫を買って通販することは可能か?

(A:神田弁護士)
 契約書を見てみないとわからないので、即答はできない。倉庫保管との兼ね合いもある。管財人に相談された方がよい。

(Q:ライター)
 ビブロポートに関して、法的措置もやむを得ないということだが、ビブロポートについては、現時点でサイトを運営されていて、サービスを提供している。もし、サービスをしている最中に、つぶれてしまったら、サービスを受けている方にさらに二次的な被害が生じるのではないか?

(A:山本氏)
 それを避けるために、今、引き受け先を交渉している。他社に引き受けていただけるまでサービスを続けたいという考えでいる。

(Q:ライター)
 それは、希望的な考えであって、うまく行かなかった場合、ビブロポートはつぶれると思われるが、それをユーザに説明しないで、ビジネスを展開しているのは、道義的に問題があるのではないか?

(A:山本氏)
 貸し付けている側の会社が破綻しているのだから、資金現況に問題があるのは事実。ただ、現場の人間はほとんど無給でこれをやっている。引き受け先との交渉はほとんど最後のところまで来ているので、充分やれると判断している。

(Q:ライター)
 やれるやれないの判断ではなく、ユーザに説明しないのはどうなのかと申し上げているのだが? 実際お金を払ってモノが届かない可能性があると思うのだが?

(A:山本氏)
 ないように努力している。

(A:神田弁護士)
 自己判断ということだ。

(Q:ライター)
 一般消費者においても、自己判断そういうことか?

(A:神田弁護士)
 そうなるでしょう。

(Q:ライター)
 おそらく、ここにはマスコミの方が来ていると思うので、ちゃんと説明された方がよろしいのでないか?

(A:神田弁護士)
 山本社長の責任でやっていただくしかない。

(Q:2006年度内定者)
 社長は、私たちの立場をどのように考えているのか?

(A:山本氏)
 本当に申し訳なく思っている。今となっては甘い経営判断であったが、去年6月の段階では充分やれると考えていた。皆さんの人生について、申し訳ないことをしたと思っている。

(Q:2006年内定者)
 3月31日には、「まだ入れます」と言われた。6月どころではない。11月の懇親会でも、(3月)15日にも言われた。お金も払う、と言われた。まだ、社会に出てもいない私たちにそういうことが言えるのか?

(A:山本氏)
 3月15日以降、ビブロスだけを存続させようと思って、直前まで資金調達しようとしてがんばっていたが、必要額を集められなかった。ギリギリまでがんばった結果、かえってご迷惑をおかけした。反省しても反省しようがない。去年中に皆さんの雇用を難しいと言うべきだったかとは考える。去年6月の段階では事業存続に疑いを持っていなかった。

(Q:2006年内定者)
 3月31日の時点まで、だまされていた。私たちは社会的になかった存在になっているのか?

(A:山本氏)
 3月31日の段階で事業存続をしようと思ってがんばっていた。労働関係法の中でああいう形でお願いしようということになった。

(Q:2006年内定者)
 社員の方は失業保険も下りるし、引き受け先が見つかった場合、もう一度再就職ということになるのかもしれないが、内定取り消しの書類の日付は4月1日付。内定者の中には引っ越し等の都合でまだ受け取っていない者もいる。私たちは4月1日時点で受け取っていないので、入社した形になっていると思うのだが。引き受け先が見つかった時など、何か考えはないのか?

(A:山本氏)
 皆さんとても優秀な方なので、いい会社に行っていただきたいが、現況「ビーボーイ」事業は管財人の管理下にあり、私には発言権はない、無力な状態である。

(A:神田弁護士)
 内定者の方には申し訳ない。債権者一覧表から内定者の方が漏れてしまってご迷惑をおかけした。今後は何か届かないということはない。どうなるかについてはわからないが、管財人には内定者の存在を考慮して欲しいと申し送りはしておく。また、入社していたかどうかについては、私の立場からは何とも申し上げられないので、管財人とお話して欲しい。入社していたということであれば、何らかの債権が発生するはずである。
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by yurinass | 2008-02-29 13:38

ビブロス倒産関連③

ビブロス債権者説明会
*)内容を読むにあたっては、ビブロス債権者説明会についてのコメントをお読みいただけると幸いである。

2006年4月13日午前10時~12時
弁護士会館2F大講堂「クレオ」
説明者:破産申請代理人:弁護士 神田 元
    株式会社ビブロス 元・代表取締役 山本 裕昭
[配付資料]
・株式会社ビブロス債権者説明会・式次第(アップは割愛)
・破産手続開始申立日における修正賃貸対照表(スキャニング画像有り)
・破産手続きの流れ(手続きなので、アップは割愛)
・「債権者の皆様へ」(社長お詫び状)(スキャニング画像有り)

【破産申請代理人神田弁護士挨拶】
・挨拶
・資料確認
・式次第確認

【山本氏挨拶】
 資料配付の「債権者の皆様へ」の読み上げた後、「私の事業を信じ、協力してくださった債権者の信頼を裏切って、このようなことになり申し訳ない気持ちでいっぱいである」というお詫びが行われた。

【破産申立に至る経緯説明】
(神田弁護士)
 4月5日午前11時に東京地方裁判所民事20部に破産申し立てを行った。同日午後5時東京地裁から破産手続き開始決定。破産管財人に田川淳一弁護士が即刻選任された。今後は田川先生の元で、破産財団の処理がなされることになる。
 今回の説明会は、皆さんにご挨拶し、ご質問をうけるための任意の集会である。法定の正式な債権者集会は、7月31日午後3時より、東京地裁3Fの集会所で行われる。

 資本関係はないが、いわゆる兄弟会社である株式会社碧天舎が3月31日に破産申し立てを行い、同日破産手続き開始決定がなされた。この会社の手形等の裏書き等の保証を株式会社ビブロスがしていた。今回の直接の破綻の原因は、4月5日の決済すべきビブロスが振りだしていた手形及びビブロスが裏書きしている手形が決済できなかった。したがって、支払い停止を原因として破産申し立てを行った。

(山本氏)
 ビブロスについては経営は安定して業績を上げていた。
 出版業界は斜陽産業であり、将来を考えて、電子出版に未来を見るしかないと思った。エリバシステムというインターネットの書籍販売とダウンロード書籍販売のシステムを構築しようと思った。ほぼ完全な形でできあがり、後は携帯をつなぐだけだった。ベンチャーキャピタルとも話し合いをしていた。一株5万円の元値であれば出資をする、という形でかなり話は進んでいた。
 同時にテストケースとして一般の書籍出版社をやってみようと考えた。最初は普通の書籍出版社をやろうと思っていたのだが、当時自費出版が非常に流行っていて、事業性を調べてみたら、その段階で事業性があると考えた。成約金額も200万円強ぐらいで、その水準であれば、書店への配本、役務の提供の費用、広告料を支払っても何とかやれるのかなと考え、リスクも少ないと思い参入した。今回の破綻の原因はこの参入にある。ところが、参入後、驚いたことに市場の構造がどんどん変わり、過当競争が始まった。後、ある会社が文学賞を作って、賞に応募して来た人にアプローチして出版をするビジネスモデルを考えた。これが主流になってしまった。そのことによって、市場の成約の水準が約160万円ぐらいに下がってしまった。これに適応しようとして、4年間何度も経営再建計画を作ってやってきた。一時的にかなり安定した時期もあったが、4年間赤字基調が続いた。去年の春頃にたてた事業計画で何とかなると思ったのだが、年末に向けてまったく予想とは違う展開になってしまい、11月~2月にかけてあっという間に資金現況が悪化してしまい、今回のような状態になってしまった。2月、3月の段階で売却等のいろんな話を進め、まだやれると思っていた。私どもの破綻の沿革はそのような次第である。

(神田弁護士)
 ビブロスの方から碧天舎その他の新規事業に近年相当の投資をして、資金用立てをしてきたのだが、結局のところ碧天舎は破綻してしまい、他の事業についてもうまくいっていない状態であり、一言で言ってしまえば、新規事業に対する見通しの甘さが、今回の破綻に影響してしまったということになる。

【貸借対照表の説明】
(神田弁護士)
 配布した修正貸借対照表は裁判所にも提出している。決算期ではなく3月31日時点のもの。本来ならば、4月5日現在のものでであるべきだが、準備の都合もあり、3月31日時点で区切ったもの。
 総負債額は、約20億3千万円。資本の部を見ればわかるとおり、約2億5千万円の債務超過となっている。破産申し立ての原因である、支払い停止及び債務超過の両因を充足している。
 資産の部は、17億7千万円ある。本来なら、修正B/Sの後、精算B/Sを作って、精算価値がどのくらいかの試算をしなければならないが、出版業界の場合、取次に対する売掛金が簿価として5億6千万円立っているが、返本等があるので確定するのは相当先になる。ただし、そんなことを言っていては処理が進まなず、、債権者の皆さんにご迷惑をおかけするので、管財人としては、取次と話し合いをされて、早い段階で何らかの形で和解で収束するのではないかと思われる。最終的には管財人が決める。
 短期貸付金については、碧天舎等グループ各社に対するものがほとんどなので、管財人に回収をお願いすることになるが、回収は困難と思われる。私が受任しているのは、碧天舎、ビブロス、ハイランドのみなので、それ以外のグループ会社については把握していない。グループ各社についても、必要に応じて管財人が調査の上、それぞれの会社に資産があり回収が可能であれば、回収されると思われる。
 流動資産については、現金として約4000万円を管財人に引きついだ。現在確定的に破産財団にあるのはその数字のみ。他は、あくまで修正B/Sの簿価として財団を形成しているが、実際にいくらになるかについては非常に見えない。
 固定資産等は、建物・土地には担保が付いている。車両運搬具・工具器具備品については、精算時は二束三文になってしまう。逆に引き取り費用を取られてしまうぐらいで、お金になるのは難しい。
 投資その他の資産については、ビブロスが借りている事務所の保証金等。原状回復して返すので、ほとんど使い切ってしまうと思われる。足りない可能性もあり得る。
 現状、配当があるのかないのかについては、私の立場からは何とも言えない。

【破産手続きの流れ】
(神田弁護士)
・資料に基づいて、破産手続きの流れについて説明を行った。

 今日お越しの皆さんには、裁判所の方から通知が行っていると思うが、同封されていた債権届については、皆さん方の債権額をお書きいただいて、ご提出をお願いしたい。会社側で把握している皆さんの債権額と、皆さんが把握している金額が往々にして違っている場合がある。債権者の皆さんの側で把握している破産債権額を正確に記入した上で、債権届をご提出願いたい。
 第一回債権者集会においては、管財人の方から、調査すべき事項の調査結果の報告、破産に至った経過報告と破産財団でどのような決定がなされ、それが換価されてお金になるのかの報告がなされる。
 管財人から配当が見込まれるという意見があれば、続行され、第2回の債権者集会が行われる。その期日に、財団の換価状況で配当原資が決まり、配布額が確定する、というだいたいの見通しがなされる。
 労働債権などの優先債権が多く、配当が見込まれなければ「廃止決定」がなされる可能性もある。
 社長の方から他社にビブロスの事業を売却できないかという話が出ている。過去のB/SとP/Lを見たが、営業利益はきちんと出ており、早い段階で何とかできたのではないか。惜しい会社である。碧天舎は営業利益も出ておらず、私見だがビジネスモデルが間違っていたのだと思う。いずれにせよ、倒産の世界においては、手形決済ができなければ、どんなに儲かっている会社であってもアウトであり、一度不渡りを出してしまえば、事実上アウトになってしまうので、残念ではあるが、申し立てをせざるを得ない状況であった。金融機関等への混乱等は、私の方から銀行各位にお願いして、最小限度に留めた次第。
 「ビーボーイ」というブランドでの出版事業については、非常にもったいないし、従業員の雇用の確保という問題もあるので、現在管財人が色々と引き受け先を探している。債務を引き受けてくれるような奇特な会社はないので、債務は、破産財団で処理せざるを得ないが、資産としての編集部を中心としての有機的一体としての出版事業については、第三者に売却あるいは営業譲渡できないか、管財人の方で話を進めている。それが、首尾良く事業譲渡となれば対価が見込まれ、破産財団の原資となる。管財人からは、期待ばかりを高めるような説明は控えてほしいという注意をいただいているので、そういうような可能性がある、ということだけご理解いただきたい。
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by yurinass | 2008-02-29 13:37

ビブロス倒産関連②

■ビブロス倒産関連。
・債権者説明会(日常茶飯事/鹿住槙さんのサイトの日記)
・ビブロス、債権者説明会開催(Garbagenews.com)
・DL同人観測所
・ビブロス・ハイランド倒産簡単まとめ?(腐ログ。~腐女子(書店員)のブログ。~)
・「本を出した出版社が倒産した」 その5  その6  その7  その8 (岡村日記)



2006年4月14日(金)
■ビブロス倒産関連。
 13日のところで、ビブロスの債権者説明会の様子は全部アップ完了。加えて、お詫び文と貸借対照表のスキャンデータもアップした。相当長くなったので、そのうち、ページを独立させる予定。また、ハイランドの債権者説明会も聞いたので、それについても今後同様にその様子をレポートする。

(マスコミ)
・「ビブロス、債権者説明会」(新文化)
・今日の日本テレビの「スッキリ!!」に山本裕昭氏が出演。碧天舎の倒産問題について語った。テリー伊藤に「あなたはズルイよ! これは計画倒産ですよ!」 と突っ込まれていたようだ(未見)。

(参考)
・ボーイズラブ最大手ビブロス倒産に関して作家コメント集(萌えプレ)。

■エルフィックス等ビブロポート運営サイト利用の方への当ページからの警鐘。
 債権者説明会で山本氏はビブロポートについて「現実的には法的処理はやむなし。客観的にみて、今の形で存続は無理。」と述べている。「そのような状況であることをユーザーに説明しないで、サービスを続けているのは、いかがなものか?」という質問が出たのだが、それについては、神田弁護士からは「ユーザの自己判断」という回答があった。
 ビブロス倒産については、当ページにおいては、基本的には情報提供に徹し、作家を中心とした関係者が、情報不足による不利益が生じないようにというスタンスで文章を書いてきた。したがって、ビブロス倒産に関する評価については、極力避けてきたが、本件については、ビブロス・ビブロポート側の対応は明らかにおかしいと考える。したがって、ビブロポートのサービスを利用している方々については、ビブロポートは、そのような状況であること理解した上で、対応していただきたい(既に、皆さんそういうスタンスではあろうが……)。また、ビブロス倒産に伴って製作が中止になったものについて、ビブロポートが行うと説明している返金についてだが、返金された方はいるのだろうか? 情報をお持ちの方はお教え願いたい。また、このような状況下で返金の約束が履行されるかについては疑念を抱かざるをえないので、ビブロポートの返金を待っている人は、早急に一度、ビブロポートに問い合わせを行うことを強くお奨めする。

(追記)
 早速、メールをいただいた。その方は、3月中旬に申し込んだドラマCDの返金が4月9日に郵便為替にて届いているとのこと。

(参考)
・「十光土佐の日記」の4月5日。



2006年4月13日(木)
■ビブロス債権者説明会に行ってきました。
 場所移動。こちらを参照。

■ビブロス倒産関連。
・自費出版「碧天舎」が倒産、250人「お金返して」 (YOMIURI ONLINE)



2006年4月11日(火)
■えー、ホントにそこなのー??
 そのパターンは、シミュレーションしたけど、その会社の事業内容を考えるとリスクが大きすぎると思った(いや今でも思っている)のだが……。昨日夜からの情報がすべて同じ会社を指しているので、間違いはないのだろうけど、どのタイミングで固有名詞を書いて良いのか思案中なので、しばしお待ちを。

■ビブロス倒産続報その4。
 elfics.comはメンテナンスが終わり、無事復旧した。ビブロポートのサイトも、一時アクセスできなかったのだが、復旧した。その一方、eLfiledは、サーバダウンではなくなり、メンテナンス中の画面が出ているが、ELNAVIはサーバダウンのまま。



2006年4月10日(月)
■ビブロス倒産続報その3。
 elfics.comのメンテナンスが長引いているようで、未だにメンテナンス画面のまま。最初は、21時復旧予定が24時予定になっている(21時確認)。メンテナンス画面には、「サーバー機器の移設に時間がかかっております」という文言があり、どこへの移設かが気になるところ。一方、eLfiledとELNAVIは、メンテナンス画面も表示されず、サーバダウンしている。

 今日の夕刊フジに「オタク出版社倒産で「やおい」人材争奪戦のワケ」という記事が掲載されている。「オタクエリート」について、「『利益を出すことができたようだ。第2号がまもなく発刊される直前の破産となった』(関係者)」というコメントが出ているが、アキバblogでも報じられたように、書店での「オタクエリート」の売れ行きの悪さ(個人的にはそもそも刷りすぎだと思う)を見ると、ちょっとこのコメントは信じがたい。また、やおいファンの20代女性の「過激さは他誌の追随を許さない」というコメントも、ホントにお前は小4から読んでいるのか、と聞きたいところ(苦笑)。その他、藤本由香里とあの杉浦由美子がコメントを寄せている。
 ちなみに、どこの出版社が第一編集部を引き取るかについては、さまざまな噂や憶測が倒産以来まんが業界を乱れ飛んでいる。作家や読者のことを考えれば早期解決が望まれるが、第一編集部は、雑誌数も多く編集者の数も同業他社の比ではなく多い(20数人程度)ので、常識的に考えて、それだけの数を受け入れる交渉が簡単ではないだろうことは想像される。

 その他、マスコミ報道は以下を参照。
・「自費出版 ある専門会社の倒産」(東京新聞)

 また、碧天舎の債権者説明会の債権者の方のレポは以下を参照。
・「債権者説明会」(ネガティブ最前線)
・「本を出した出版社が倒産した」 その1  その2  その3  その4 (岡村日記)


2006年4月07日(金)
■営業熱心な講談社コミック販売局。
 寸止め感溢れるチラシが何ともはや……。

■ビブロス倒産続報その2。
 昨日の日記を読んで勘の良い方は気づいたかもしれないが、筆者も実は原稿料の未払いがある(甚だ少額ではあるが)。ということで、本日筆者の自宅にも破産手続開始通知書と債権者説明会御案内が届いている。まあ、通常の破産債権の届出と特には変わらない。以下、取り込み画像参照。

 ・破産手続開始通知書
 ・封筒表書見本
 ・破産債権届出書
 ・破産者に対する注意事項

 ・債権者説明会御案内
 ・債権者説明会御案内(続き)
 ・これに、弁護士会館への地図がついているが省略

 なお、ハイランドで発行されていた作品については、作家に版権が戻る旨の連絡が行っているようだ。

 後、台湾のblogに、ビブロポートからのメールが転載されており、通販運営会社であるビブロポートが、注文済の製作中止の商品の返金に応じるらしい。ということで、ビブロポートは生きているわけで、これまた不思議な話である。以下、メールの転載。

「こんにちは!「b-boy shop.net」です。ご利用ありがとうございます。

「武将画帖」複製原画、YEBISUセレブリティーズ3、YEBISUセレブリティーズ4を予約してくださった皆様へ

いつもb-boy shop.netをご利用いただきありがとうございます。
また、このたびは「武将画帖」複製原画、YEBISUセレブリティーズ3、YEBISUセレブリティーズ4をご予約くださり、誠にありがとうございました。

さて、この「武将画帖」複製原画、YEBISUセレブリティーズ3、YEBISUセレブリティーズ4につきまして、
誠に遺憾ながら、株式会社ビブロスの自己破産申請により
制作中止となってしみました。
皆様には多くのご期待を頂いておりながら
このような事態となりましたこと、心より深くお詫び申し上げます。

ご入金いただきました代金につきましては、
b-boy shop.netを管理しております株式会社ビブロポートが責任を持って
早急にご登録いただきましたご住所宛、為替または現金書留にて返金いたします。
返金作業には1~2週間かかる可能性がありますが、
あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。

b-boy shop.net管理担当:株式会社ビブロポート
〒162-0825 東京都新宿区神楽坂6-77 神谷ビル4F
mail:shop@bibloport.com」

(追記)
ビブロス倒産について米マンガ出版社のコメント。(英語で!アニメ・マンガ)。



2006年4月06日(木)
■ビブロス倒産続報。
 既に本日から、ビブロスは残務整理の総務・経理関係の人間のみしか残っておらず、そのフロア以外のフロアは、ロックアウトされている。
 破産管財人として、ビブロス・碧天舎とも功記総合法律事務所の田川淳一弁護士が選任された(ハイランドは未確認)。なお破産申立の事件番号はビブロスが東京地方裁判所平成18年(フ)第6300号、碧天舎は東京地方裁判所平成18年(フ)第6000号(同じくハイランドは未確認)。
 昨日、関係者には破産決定通知書と債権者説明会案内が送付されている。ビブロスの債権者説明会は4月13日午前10時から、場所は霞ヶ関の弁護士会館で行われる。したがって、各作家の元には、明日くらいからこれらの通知が到着するはずである。原稿料・印税等の未払いがある作家の方は、週末まで待って届かない場合、田川弁護士にコンタクトをとる必要があると思われる。ただし、本日行われた碧天舎の債権者説明会では、破産申請代理人の神田元弁護士から「債務超過につき、配当はできない」という説明が債権者になされているので、ビブロスの方も配当を期待することはかなり難しいかもしれない。しかしながら、期日までに債権者として名乗り出ないと、そもそも原則債権者として認められないので、積極的に手続きをすべきだ。編集者は原稿は守ってくれたし、次の仕事も守ってくれるかもしれない。もしかしたら、心優しい次の会社が未払い分を補填してくれるかもしれない(皮肉だがかつてのジャッパンミックス倒産時のビブロスのように)が、それはあまりに希望的観測に過ぎる。ビブロスの未払いについては、解雇された編集者には頼れないし、頼るのも酷である。作家自らが債権者として行動するしかない。

 さて、ビブロスを破綻に追い込んだのは、碧天舎の社長でもある山本裕昭社長の経営の問題と言える。山本社長のワンマン経営はつとに有名だった。mixiでは元社員を名乗る女性が、内幕を日記で書いているが、その方の日記によると、会社の倉庫が壺や皿の社長の私物で埋まっている一方で、やまねあやのや新田祐克の画集も含め、コミックスやノベルズを平気で破棄していたとのこと。本業を疎かにしてはやはり会社は成り立ってはゆかない。

 ところで、同じく山本氏が社長をつとめ、ビブロスの会社概要の関連会社に名を連ね、同人ソフトのダウンロードサイトであるelfics.comを開発・運営しているビブロポートは経営を継続しているのであろうか?(ちなみに、elfics.comは最近、黒字化の目処がたっており、筆者が3月に聞いた男性系のリストラの中でも、他社への譲渡の可能性があると言われていた)
 同様に、美少女コミックのダウンロードサイトeLfiledを運営している(ビブロポートはシステム開発・提供の位置づけ)フォレスタルはどうなのだろうか? フォレスタルは特定商取引法に基づく表示の販売責任者は水野晴夫氏で、当然この人は、ハイランドの社長であり、碧天舎の取締役である。また、筆者も原稿を執筆していた同人情報総合サイトELNAVIは、運営がハイランド、開発・運営がビブロポートになっている。しかしながら、筆者の担当編集者はビブロスの名前を名乗っていた。これ以外にもビブロスの会社概要の関連会社にはプラセットという会社が載っているのだが、colorful.co.jpのドメインの所有者であることは、WHOISで確認できるが、実態不明。ということで、関連会社間の関係が非常に複雑でよくわからない。
 そもそも、ビブロス・碧天舎・ハイランドには資本関係がない、という話を以前から聞いていたのだが……(未確認)。このようなビブロスを取り巻く関連会社について、詳しい方からの解説が欲しいところである。

 マスコミ報道は以下を参照。
・「出版社「ビブロス」破産…ホモの恋愛描いた作品も」(ZAKZAK)
・「オタク検定とBL小説のビブロス倒産(4/6)」(アニメ!アニメ!ビジネス)

 その他各種リンク。
・「ボーイズラブ・耽美系 Topics」(まんが王)。ページの一番下に注目。
・新田祐克のコメント。
・「KILL MEの件」(高河日誌)。
・「ビブロス倒産について」 (作品感想・ファンレター用BBS)。こだか和麻のサイトのBBS。
・「裏モノ日記」(4月6日参照)(唐沢俊一)。
・「日刊漫画屋無駄話」(其の1917)(塩山芳明)。辰巳グループと言っているが?


2006年4月05日(水)
■ビブロス倒産へ。
 先月来、不穏な噂が流れていたビブロスだが、本日午前に破産の申し立てをした模様。詳細はまだ不明。巨額の投資をした電子出版事業の失敗等もあり、黒字のBL部門は残して、男性向等の不採算事業はリストラするという話で3月中旬~下旬までは動いていたようなのだが、結果的には会社そのものが保たなかったようだ。既に、BL部門の第一編集部では、会社が危険な状態であることから、先週末から編集部にある原稿を作家に返却しており、原稿流失という最悪の事態を避けられた。別資本参入による経営陣の刷新による会社存続、編集部ごとの身売り等、様々な話が出ているようだが、事態は流動的であり、今後の状況は予断を許さない。当然ながら、ビブロスで執筆している作家には、耳ざとい他社の編集者が既にアプローチをかけてもおり、作家の流出もあり得るだろう。BL業界NO.1の突然の崩壊、激震が予想される。

(追記)
 「文化通信速報版」に情報が出た。ハイランドも破産申請。

(追記その2)
 まだ、未確認だが、碧天舎からの連鎖倒産。負債額はビブロス20億円、碧天舎8億6千万円、ハイランド2億6千万円ということらしい。詳しくは明日の帝国データバンクと東京商工リサーチに出るのではないかと思われる。

(追記その3)
 7日発売の「MAGAZINE BE×BOY」は配本されるとのこと。10日発売のコミックスは出ない。「新文化」にも、情報が。この記事で触れられているハイランドの他社への貸付金って、ビブロポートへのものと以前聞いたが、どうなのだろう?

(追記その4)
 「ビブロス:負債総額20億円で倒産 オタク検定で話題に」(MSN毎日インタラクティブ)より。うーん、世間から見ると、そんなモンなのだろうか……。このリードは可哀想すぎる。
 やまねあやののメールに、色々な情報が載っている。

(追記その5)
 「女性向けコミックスなどを出版、ビブロスが倒産」(読売新聞)より。普通はこうでしょ。

(追記その6)
 b-boy.netに挨拶。おそらく近日中にアクセスできなくなるとは思うが。



碧天舎第1回債権者集会
■碧天舎債権者集会(13:30~15:40)
 財産目録と収支計算書を置いておく。



ビブロス第1回債権者集会
■ビブロス債権者集会(15:00~15:40)
 資料として、財産目録(P1 P2 P3 P4 )と収支計算書が配布された。基本的には、破産管財人田川淳一弁護士から、同資料の説明が行われた後、簡単な質疑応答があった。以下に、それらを簡単にまとめる。資料を見ながらでないと全くわからないと思われるので、資料と対比しながら確認いただきたい。

【財産目録】
 「5.車両」については売却額は590万円であるが、借入金の担保になっていた自動車があり、それを差し引くと約70万円である。「6.投資有価証券」のうち、日高カントリークラブのゴルフ会員権については売却済で、引継金に含まれる。
 「8.売掛金」のうち、取次に対するものについては、返品等の手続きが済んだ後に入ってくるという業界慣行があるが、早期回収を目指して交渉中。「トーハン」の売掛金については、文苑堂に対する債権譲渡登記が設定されているが、その効力については協議中。同様に、そのほかの取次の売掛金については、大日本印刷に対する債権譲渡登記が設定されているが、その効力についても協議中。
 「9.電話加入権」については未払いの電話料金を差し引いた結果、10万円ほど残った。「10.未収金・立替金・仮払金」のうち、「プラセット」「スプレイ」という関連企業の分については回収不能と思われる。山本社長に対する仮払金が帳簿上6200万円計上されているが、損金その他について現在調査中。
 「11.不動産」については高知と八ヶ岳に不動産がある。高知についてはビブロス名義だが担保が設定されている。金融機関と話し合い中だが、現在競売手続き中で、競売における評価額が出ないと任意売却に進めないので、それを待っている。八ヶ岳(小淵沢)のマンションについては、破産申し立ての2ヶ月ほど前に、ビブロス役員の個人名義に変更になっており、しかも、無担保である。こちらについては、本来ビブロスの財産に帰属するものであるとして、破産管財人の方から否認の請求(返還の請求)を行っているが、確定するまでに若干の時間がかかると思われる。返ってくることになれば、これを売却して破産財団に組み入れることになる。
 「13.雑収入」のうち、前払いの受講料や、新聞の購読中止による前払いの料金を返してもらっている。「商標等譲渡代金」は、「b-boy」その他のビブロスが発行していた雑誌に対する未登録の商標その他をリブレ出版に譲渡した対価として1575万円を得ている。
 「16.還付金」については、破産手続き開始後、税務署に還付請求をした結果。消費税・地方消費税の還付金については未払いの消費税・地方消費税に充当されて、財団には入っていない。法人税についても還付金は、未払いの源泉税・消費税・地方消費税に充当されている。ただし、その充当分だけ一般債権に優先する財団債権の公租公課が減っている。
 「負債の部」のうち、一般債権に優先する財団債権として116,482,349円ある。内訳は、税金(還付金の充当分除く)28,397,350円、3ヶ月以内の労働債権(未払い給与及び解雇予告手当)85,871,927円、その他として倉庫料が2,213,072円。優先債権として、労働債権が401,700円ある。これは、3ヶ月を超えた前の未払いである。一般破産債権として、担保権の付いたものを含めて約20億円の届出があった。

【収支計算書】
 「収入の部」については、基本的に財産目録と対応している。「20.通信費等清算金」については、リブレ出版が負担すべきだが、破産財団で名義上払わなければならないものがあり、それがこの形で入金されている。
 「支出の部」の「2.管財人補助者給与」は、破産管財業務を遂行する上で、旧従業員の方にご協力いただいたものに対する給与。「3.自動車税」は、4月1日現在の所有者に対して課せられる。売却した自動車の自動車税。「9.破産手続開始申立費用(郵券含む)」は、破産管財人が、債権者として債務者(具体的にはプラセット他1社)に対して、破産申立した際に、裁判所に納付したお金と郵券等。「15.原状回復費」は、リブレ出版社にビブロスが借りていた物件を居抜きで借りていただいた関係で、原状回復費相当額を支払っている。「16.業務委託料」は、元ビブロス従業員の経理の方に引き続き協力をいただかなければならないが、リブレ出版に再雇用されており、常時ビブロスの業務していただく人を2名置いていただくための人件費等として支払っている。

【質疑応答】
(Q:凸版印刷)
 売掛金に対する債権譲渡登記の時期と金額をそれぞれ知りたい。

(A:田川弁護士)
 文苑堂の債権譲渡登記は、平成18年4月4日、破産申し立ての前日である。登記事項証明書に記載されているこの遠因となる契約は、平成17年5月1日に譲渡担保で提供したとなっている。その事実があったかについては現在調査中。否認その他の手続きをするべく準備中。債権の具体的金額は記載がないが、届出債権額が約5100万円。大日本印刷の債権譲渡登記は、平成18年1月5日にされている。こちらの遠因となる契約も、平成17年5月1日の譲渡担保と記載されている。破産開始よりは3ヶ月ほど前である。この有効性については検討中であるが、印刷会社でもあるので、取引のために飲まざるを得なかったということがあるのかもしれない。破綻を具体的に認識していたかどうかは現在調査中。届出債権額は約9540万円。

(Q:凸版印刷)
 私どもも登記ではないが債権譲渡契約を結ぼうとしていた。その段階では譲渡担保も債権譲渡登記はどこもしていなかった。前年5月の担保契約は現実的には疑わしい。私どもが債権譲渡契約をいただいたときは、登記してしまうと登記簿で各外注先や取引先、銀行等に知られてしまうので、こういう事態は回避したいということで、登記ではなく通知書にとどめた。契約自体はそれを元に支払いのジャンプを受けた。通知書を内容証明で送り、契約書も渡してある。前述の2社が有効であるのであれば、私どももその問題を持ち出さなくてはいけない。債権者保護の立場から6ヶ月以内に交わされたこういったものは無効であるという場合もある。場合によっては譲渡担保の日付が虚偽であることも念頭にいただいてお調べいただきたい。

(A:田川弁護士)
 そういったことも含めて検討中である。否認については各社各様の否認をさせていただいており、各社と協議中である。

(Q:債権者)
 一般債権者にどのくらい戻ってくると考えているか? 今わからなければ、いつくらいまでにそれが確定できるのか?

(A:田川弁護士)
 配当が出来るかについては、取次さんからどれだけ売掛金が回収できるかにかかっている。取次からは通常2年間で、返品をしてその後確定となる、と言われているが、早期回収を図るべく交渉中である。現状、財団債権にも足りない状況。いつ頃までに話がつくかも何とも言えない。

(Q:債権者)
 リブレ出版への商標等譲渡代金の根拠、著作権譲渡代金の具体的内容についてお教えいただきたい。後、山本社長ご自身の自己破産についてお伺いしたい。

(A:田川弁護士)
 ビブロスの破綻により、従業員は全員解雇され、著者への未払いもある状況であり、八方ふさがりであった。編集部の皆さんが一丸となって、アニメイトの傘下に入ることになり、仕事がしたいという話があった。破産管財人の方にはいろいろなお話があったが、「いくらで買ってくれるのか?」という話になると、「タダ」というところもあったり、「50万円だ」というところもあった。破産の申し立て前にも買いたいという話もあったようだが、その当時言われていたような金額とは全く全然違う二束三文という話がほとんどであった。実際商標を譲渡するにしても、編集部の人がいないところに譲渡することはあり得ない。そこでいくらだ? ということになるが、出版コードを譲渡できるわけでもない、従業員も管理下にない、著者さんとの関係もわからないという中で、いろいろお願いした結果、むしろ1500万円で買っていただけることになった、とむしろお考えいただきたい。著作権譲渡については、一銘柄のドラマCDについて共同開発先にビブロス持ち分を譲渡したもの。

(A:山本社長)
 今回は私の経営の未熟で皆さんに多大なご迷惑をかけて大変申し訳ない。ビブロポートについて、あのシステムをなんとかしたいということで、売却先の交渉をしていたため、自己破産が少し遅れてしまったが、多大な金融債務の保証等をしているので、自己破産は避けられない。近々に手続きを行う予定。

ハイランド第1回債権者集会
■ハイランド債権者集会(15:40~16:00)
 資料として、財産目録(P1 P2 )と収支計算書が配布された。ビブロスと同様に、破産管財人田川淳一弁護士から、同資料の説明が行われた後、質疑応答の時間があったが、質疑はなかった。説明についても、ビブロスと重複しない部分に特筆すべきこともないので、省略する。
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by yurinass | 2008-02-29 13:36

ビブロス倒産関連

時系列の動き
2006年9月18日(月)
■リブレ出版情報
 どの範囲までかは不明だが、ビブロスでの未払い原稿料をリブレ出版として支払っているようだ。その昔のジャパンミックス倒産時に、ビブロスが「PUREGIRL」の未払い原稿料を払ったことを思い出してしまった。



2006年9月03日(金)
■7月31日ビブロス等債権者集会について
 7月31日に東京地方裁判所にて、碧天舎(13:30~15:00)、ビブロス(15:00~15:40)、ハイランド(15:40~16:00)の債権者集会が行われた。倒産直後4月に行われた債権者説明会は、任意の会議であったが、これは、法的な破産手続きによって開かれるものであり、裁判官、破産管財人(弁護士)、破産申請代理人(弁護士)、元代表取締役社長及び、債権者が集まり開催された。詳細は後に譲る。なお、集会にて配付された資料については、各社経営陣以外の個人名義の部分については、各社が賃借していた土地・建物の所有者と思われるので、これを伏せた形で掲載する。マスコミ・利害関係者等で伏せていない資料を希望される方は、別途メールにて連絡をいただきたい。
 碧天舎、ビブロス、ハイランド、いずれもこの債権者集会では配当等が確定しなかったので、次回の債権者集会が10月30日に開催されることになった。時刻は、碧天舎が13:30~、ビブロスが14:40~、ハイランドが15:30~となる。なお、この日の16:00からは、リブロポートの第1回債権者集会も予定されており、ビブロス関連各社の債権者集会が一気に行われることになる。



2006年7月21日(金)
■ビブロポート続報。
 ビブロスやハイランドの時のような債権者説明会は今回は開催されないようだ。以下、債権者に送付された資料参照。
 ・債権者への「ご連絡」
 ・破産手続開始通知書



2006年7月15日(土)
■ビブロポート破産手続き開始(DL同人観測所より)。
 案の定、つぶれてしまいました。エルフィックス関係の視点から今回の一件をずっと追いかけてきたDL同人観測所さんのブログの情報によると、1)平成18年7月10日午後5時に東京地裁へ破産手続き申し立て、2)負債は総額約6億円、3)法的な債権者集会は、平成18年10月30日午後4時 東京地方裁判所(3階)債権者集会場、ということになるようだ。碧天舎、ビブロス、ハイランドの時には開かれた任意の債権者説明会が開催されるかは不明。「ちびっき」は現在も稼働しているので、この事態を見越しての運営移管と思われる。


2006年7月9日(日)
■ビブロポートサイト閉鎖。
 リブレ出版しかフォローしてないだろう、というおしかりのメールをいただいた。大変申し訳ない。6月上旬に、日記サイトである「ちびっき」以外のほぼすべてのサービスが終了。サイトの会社概要を見ると、会社所在地が神楽坂6丁目から新宿6丁目に変わっているが、社長は山本氏のまま変わっていなかった。その後、6月末に、ビブロポートがサイトを閉鎖。「ちびっき」についても7月3日付で7月7日をもってサービス終了の告知がいったん出たが、その後、7月6日に、有志によるサービス継続が告知されており、現在も稼働中。
 先日のビブロスの債権者説明会では、引き受け先との交渉も実施しているようなことを山本氏は語っていたわけだが、この状況からするに、その交渉は不調に終わったと想像されるわけだが……。今月末には法的な集まりである債権者集会が開催されるので、またその場で何かがわかるかもしれない。



2006年6月14日(水)
■リブレ出版関連。
 6月1日よりb-boy Webが開設され、6月7日に「MAGAZINE BE×BOY」、6月14日に「小説b-Boy」が無事復刊された。当初は雑誌コードすら変わらないという話もあったが、実際には新しい雑誌コートが割り振られている。取次との交渉において、正味をビブロス並みとするか全くの新出版社として扱うかで、厳しい交渉があったとも聞いているが、何はとまれ、無事の復刊については、素直にお祝いを述べたい。なお、「b-Boy LUV」は「b-Boy Phoenix」という現状にふさわしい名前に変わる(笑)。「MAGAZINE BE×BOY」および「小説b-Boy」には牧編集部長の「お詫びとご挨拶」が掲載されており、その中で、読者の最大関心事の一つであるシリーズ物の復刊についても触れられているが、来年度頭からの発行ということのようだ。
 Webの会社概要を見ると、平成12年12月28日に設立した会社を「リブレ出版株式会社として平成18年5月1日商号変更登記」という記述があるので、新しく会社を興したのではなく、おそらくアニメイトグループ内にあった休眠(?)会社をリブレ出版に模様替えしたのであろう。なお、会長にはアニメイトの高橋豊社長が就任している。



2006年5月27日(土)
■「サイゾー6月号」その1
 やたらとおたくネタが多い今月号。まずは、「ボーイズラブの火付け役ビブロス倒産の舞台裏」。えーと、ウチのサイトも紹介されている(笑)。新ネタとしては山本裕昭氏が4月末の段階でまだ自己破産の申し立てをしておらず、今月施行の改正会社法で破産者も取締役に就任できることになることを狙っている、という話。これ非常にわかりにくいと思うので一応解説(えーと、法律に詳しい方、間違っていたら、ツッコミよろしく)。
 今までの会社法では「破産手続開始の決定を受け、まだ復権を得ていない者」は取締役にはなれなかった。この条項が改正ではなくなる。ちなみに「復権」というのは、破産による公的・私的制限がなくなることで、取締役になれないというのは私的制限に当たる。改正会社法では、改正前の「破産手続開始の決定を受け、まだ復権を得ていない者」は除外というようなことはないので、いつ破産しようが、5月以降であればいつでも取締役にはなれるはずなわけだが……。であるとすれば、わざわざ自己破産を引き延ばししている理由は、現在まだ取締役をしている会社(つまりはビブロポート)の取締役をブランクなく続けたい(施行前に破産してしまえば、取締役に就任できないブランクの期間が生まれてしまう)と考えているのではないか? いう憶測が生まれるのは致し方ないところ。もちろん、これが事実ならば、山本氏の債権者説明会での説明とまったく食い違うことになる。



2006年5月02日(月)
■リブレ出版誕生へ
 4月27日付の新会社社長及び編集部の御挨拶文が週明けに関係者に送付されている。5月8日付での発足となる新社名はリブレ出版株式会社。社長には株式会社コアデ社長でもある岩越孝夫氏が就任した。オフィスは、旧ビブロスのローベル神楽坂ビルの6・7Fをそのまま利用する。

 既に、会社発足よりも前倒しで、取次へのコードの申請は行われており、ほぼ問題なく進んでいるようだ。過去の実績とアニメイトのバックアップということで、通常では考えられない寛大な扱い。「マガジンBE×BOY」「小説b-boy」「BE・BOY GOLD」の復刊は既定。6月7日発売で「マガジンBE×BOY」7月号からスタートするようで、あまりのスピードぶりにはちょっとオドロキ。債務は引き継がないが、義理もあるということで印刷所とかの変更もないという話。

 ところで、リブレ出版関係者は対外的には口を揃えて「アニメイトにはバックアップをしてもらうが、グループ傘下には入らない」という説明を繰り返している。先日のアニメイトの高橋社長名義の挨拶文には明確に「弊社がご用意する弊社子会社にて、事業の譲り受けをいたします。」と記されており、アニメイトとしては明確に「子会社」の位置づけであることを表明しているのだが、「子会社」ではあるが「グループ」には入らないという有り様は正直よくわからない。ただ、新会社の社長に、アニメイト本体でもムービックでもマリン・エンタテイメントでもフロンティアワークスでもなく、アニメイトグループの制作部門からは一番遠い会社であるコアデの社長が就任したということに、筆者が以前から懸念している問題点へのアニメイト側の配慮を感じずにはおれない。出資比率や社長以外の役員構成も気になるところである。

(参考)
・Free Talk(4月28日)…こだか和麻のコメント
・旧ビブロスの出版部門、アニメイトグループ3社が新会社にて引き受け(アニマキシス)
 「ネット上では一時、ビブロスの出版部門は角川書店が引き継ぐのではないかとの憶測も流れていたが、結局破談になりアニメイトグループに落ち着いた模様。」とのことだが、私が聞いている限り、角川書店が旧ビブロス第1編集部と接触していた形跡はない。憶測が流れていたのはその通りだが「破談」になるような交渉はなかったと思われるが、根拠のある記述なのだろうか?

■エルフィックス閉鎖。
 こちらは、4月20日に予定通り閉鎖。ビブロポートの他のサービスも長期のメンテナンスが入ったり、メンテナンスから復旧していないサービスがあったりと安定していない。

■旧ビブロス内定者の方からメールをいただいた。
 一言で言うと、「4月16日の記事『ビブロス債権者説明会についてのコメント』について、内定者が受けた説明が違うので訂正して欲しい」ということで資料と合わせて申し入れをいただいた。
 ただ、この記事については、読んでいただければわかるように、債権者説明会のやり取りからではそのようにしか理解できず、首をかしげざるを得ない、と言ったまでであり、そもそもこの記事全体で、「この説明会でのやり取りが事実に基づいているものかどうかは検証できていない」ということについて、注意を喚起しているものでもある。実際の経緯と債権者説明会でのやり取りには齟齬があるのは当たり前であり、「内定者が受けた説明と違うので訂正を」とのことだが、債権者説明会でのやり取りから、そのようにしか理解できない以上、訂正する必要はないと考える次第である。
 それでは、実際のところはどうなのか? ということになるが、内定者の方からいただいた資料(したがって、これはあくまで内定者側の主張と御理解いただきたい)によれば、3月15日には、以下の説明が行われたということである。まず、事務職内定者に対しては半年入社を待って欲しい、しかしながら待ってもらっても身分保障ができないので、できるだけ内定を辞退して欲しい、それでも、入社を希望される場合、入社遅延措置をとるものの、入社することも構わない、内定辞退の場合は1ヶ月分の給与保障をおこなう、というものだったようだ。一方、編集職内定者に対しては、編集職は、元々の採用自体がとても少なく特殊であり、経験もない皆さんを既卒として不利にすることはできないので、入社遅延という方向で進めていきたい。上手くいけば、9月以前に入社をしていただける可能性もある、という対応がなされたということである。
 3月31日には東京労働相談情報センターの方と旧ビブロスの人事担当が電話で話し合い、人事担当より「社長(山本氏)は碧天社(関連会社)の整理等の為会社にはいない。また、内定辞退の人に対する保証金の金額明示は出来ない。入社遅延の人の場合、話は進めていくが、当初予定していた4月3日の入社手続きは遅らせて欲しい。来週中にはもう一度連絡をする。遠方の方については、郵送等の方法で入社手続きを進めたい。」という説明があったということである。その後、4月2日に、内定辞退・入社遅延の区別なく、全員に内定取り消しの書類が速達で届いたということになる。
 このような経緯の上で、内定者の方は債権者説明会で発言されているわけで、ようやく、内定辞退を3月15日に薦められているのに、3月31日に「まだ入れます」と言われたと主張していたのが理解できる。ただ、3月31日のやり取りを「3月31日には、『まだ入れます』と言われた。」と債権者説明会で内定者の方が発言されたのは、正直なところ「言い切りすぎ」という感は否めない。



2006年4月20日(木)
■【続報】アニメイト、出版関連子会社3社と新会社(新文化)。
 すいません、やはり、アニメイトの他にも出資会社がいるということで正解のようだ。お詫びして訂正させていただく。「ムービック、フロンティアワークスなど子会社3社との共同出資」ということなので、アニメイトグループによる出資ということにはなるかと。新会社の関係者に対しての新文化の取材によると、「6月出版開始」については、「可能であれば」とのこと。また、その関係者によると、「書店や倉庫にある在庫についても「新会社が引き継ぐかたちにはならない」」ということだが、債務を引き継がないのであれば、そういう形にはなるだろう。

(参考)
・Free Talk(4月20日)…こだか和麻のコメント



2006年4月19日(水)
■ビブロスのビーボーイ事業をアニメイトに売却(新文化)。
 既に、既定の事実として業界周知の状況ではあったが、アニメイトが子会社を立ち上げ、ビブロスの「BE×BOY」関連事業を引き受けることになり、本日契約が行われた。当然ながら、ビブロスの債務はこの会社には承継されない。

・破産管財人田川弁護士のご報告とアニメイト高橋豊代表取締役の御挨拶
 アニメイト側の問い合わせ先の電話番号は個人の携帯番号のため、伏せさせていただいた。必要な方がおられれば、お問い合わせいただきたい。

 管財人の「ご報告」によると、「破産者に対する破産手続き開始決定に先立ち、破産者の従業員はすべて解雇されており、また、破産手続き開始決定により、破産者を取り巻く契約関係は解除の効力が発生することになりますので、上記事業に関連する従業員は受皿会社との間で新たに雇用契約を締結することになりますし、破産者との間で取引関係を有しておられた方のうち、受皿会社との間で取引関係を継続されたい方は、破産者との間の契約関係が効力を失ったことを前提に、受皿会社との間で新たに契約を締結しなければならないこととなります。」(なんか、もの凄い悪文なのだが……)ということなので、事業の移行は比較的スムーズに進む事が予想される。

 当初の予定では、アニメイト他数社の出資にて新会社設立ということで動いていたようだが、結果的にはアニメイトの単独出資の模様。第一編集部については概ねこの新会社に参加することになるようだ(一部この新会社に参加しない人もいるようだが)。また、同様に当初の段階では6月再スタートというような話も出ていたが、新会社への譲渡決定が本日ということになると、さすがにそれは難しいのではないかとも思われる。

 また、アニメイト側の「御挨拶」を読むと、「ビブロス社一部出版物の存続をお手伝い」ということなので、その範囲がどの程度なのかについても注目されるところである。

 引受先がアニメイトというのは、業界内で静かな、しかしながら、かなりの波紋を呼んでいる。なぜなら、アニメイトグループは、ドラマ・音楽CD、ゲーム、アニメーションの制作や 各種イベントや催し物等のプロモート、インターネットサービス、各種グッズの開発をグループ各社で行い、それぞれの面で、出版各社と密接な関係がある。そして、それらの商品や各社のコミックスを、全国展開の販売網で取り扱っており、女性向けの商品に関して言えば、この業界随一の販売力を有している。つまり、出版各社は、アニメイトグループとの間に補完関係が既に出来上がっており、例えば、協業及び営業上の観点から自社の様々な新企画を事前にアニメイトグループに伝えたりすることもしばしばだ。ところが、ビブロス第一編集部がグループ傘下入りするということは、ビブロスと競合してきた会社からすれば、協業グループ内にライバルが存在するという形になるわけで、これは甚だやりにくいことになる。これまでもアニメイトグループとしては「ダリア」や「マクベス」といった女性向けの媒体が存在してはいたが、正直な話、出版社サイドからすれば、さほど脅威には感じてはいなかったわけで、軋轢も生じていなかった。しかし、これが旧ビブロスとなれば、話はかなり変わってくる。出版社側からすれば、今後はアニメイトグループに新しい企画を説明するのに、ライバルへの情報伝達を懸念して、慎重になる場合も当然出てくるだろう。
 もちろん、アニメイトグループからすれば、傘下におさめるのが大手出版社とは直接競合が少ないボーイズラブ分野である以上、大手出版社とのこれまでの関係は壊れないだろうし、ビブロスと直接競合する他の出版社について言えば、アニメイトの販売力への依存度が高い以上、これまた事を荒立てるようなことはないだろう、という読みがあるものと思われる。特に、今回のフレームワークが、既存会社への吸収という形をとらずに、新会社を設立するというのも、そうした既存事業への影響が生じないようにするための、ある種の分離政策と考えられなくもない。

 新会社を立ち上げるということは、イニシャルコストや人件費、そして倒産に伴う未払い原稿料を肩代わりするのであれば、最初の半年間ほとんどお金が入らない状態にも関わらず、ざっと計算しても億を越える費用が発生することになるし、破産財団からの事業譲渡に関わる費用負担もある。また、発行雑誌数が多かったビブロス第一編集部にとって、新会社で十分な数の雑誌コードを手に入れることができたのか、あるいはできるのかも、重要な点であり、倒産直後から業界の注視するところであったが、これは、アニメイトグループの傘下に入ることで、決定的な要因ではなくなってきた。なぜなら、アニメイトの店舗での販売及び通販は雑誌コードがあろうがなかろうができるわけだし、それに加えてアマゾンなどのネット書店と直取引ができれば、直販だけでも相当なボリュームを稼ぐことは可能だからだ。むしろ、取次を通さない分だけ、その方が儲かるような気さえするが、さすがにこのやり方では取次との関係が問題となってくるだろう。もっとも、アニメイトは、既に「アニカン」を取次を通さずに扱っているのだが……。

 引受先が決まったということ自体は、もちろん喜ぶべき事ではあるが、上記のようにまだまだ前途多難であることは言うまでもない。新会社の方々にはこの難局を乗り越え、是非ともがんばってもらいたいものである。
 そして、「アニメ店長」はこの話題をどう扱うのかも興味深いところである(笑)。

(追記)
・アニメイト ビブロスのビーボーイ事業買収(4/19)(アニメ!アニメ!ビジネス)

■本を出した出版社が倒産した その10(その後のこと5)。(岡村日記)
 これによると、碧天舎から債権者の方々に手紙が送られた。それによると、以下のようになるようだ。

 1)碧天舎との出版契約は全て解除。
 2)破産管財人の管理下にある原稿は4月末までに著作者へと返還。
 3)破産管財人から他の出版社への引継ぎはなし。
 4)倉庫に存在する在庫の書籍については、著作者本人が定価の2割で引取可能。

■エルフィックス以外のサイト、閉鎖延期。
 4月20日に閉鎖すると発表があった、エリバドットコム、電影写真館、エリバコミックスについて、一転閉鎖が延期となった。一方、エルフィックスについては、閉鎖延期の告知はない。

 また、ビブロポートの提供している「chibikki」については、ユーザに対して、17日の段階で運営元が変更になる旨のメールが送られているが、このような状況ではそれが確定した話なのか、何とも言えないところだ。

(参考)
・ちび存続アナウンスの裏側になにがある?(余白から指先へ)
・上記の他、mixiの「ちびっかーず」コミュニティに詳しい情報がある。



2006年4月17日(月)
■エルフィックス、サイト閉鎖へ。
 その後もサーバダウンを繰り返していた、エルフィックスだが、結論的に4月15日の発表通り、4月20日でサイト閉鎖へ。サークルへの支払いはなされるようだが、支払いを持って連絡とし、個別集計の問い合わせには応じられないということは、支払額が本当に正しいかどうかは、サークル側では確認できないということ? 

■本を出した出版社が倒産した その9(その後のこと4)。(岡村日記)
 こちらの情報によると、碧天舎に原稿を預けたまま返却されなかった方々の一部(?)に、「元社員一同」の名のメッセージ付きで、15日(土)に原稿が送られてきたようだ。破産管財人の了解を得て、元社員の有志数人が作業した模様。



2006年4月16日(日)
■ハイランド債権者説明会
 少々遅くなったが、説明会の内容は、上記リンクで当該部分へ。
 印象としては、ビブロス、碧天舎に巻き込まれての倒産という印象が強い。なお、こちらの説明会についても、下記のビブロスと同様、説明会でのやり取りが事実に基づいているものかどうかは検証できていないということには留意いただきたい。

■エルフィックス、サービス終了のお知らせを削除の後、コンテンツ削除?
 一時、アクセスできなくなったと思っていたら、復活。そうしたら、サービス終了のお知らせが削除されている。その後、サイトを確認した鱈、今度はコンテンツが消えている。だいぶ混乱が見られるようだ

■ビブロス債権者説明会についてのコメント。
 説明会の様子については、早急なアップを優先したので、内容を再度確認・修正を行った。既に、あちらこちらのサイトから、リンクをいただいているが、ご注意願いたいのは、この説明会でのやり取りが事実に基づいているものかどうかは検証できていない、ということである。山本氏・神田弁護士は、聞かれていないことについては当然話していないし、聞かれたことについても、十分な回答がなかったものも正直多い。グループ会社の状況が詳しくわかったわけでもないし、お金の流れもまだまだ正直よく見えない。例えば、B/Sについても、取材に来ていた業界紙の方にうかがったところ、青山ブックセンターや鈴木書店等の倒産時は、過去のB/Sまで資料として配付しており、今回の対応については、不十分な印象を受けておられた。また、悪意があるとは言わないが、山本氏、神田弁護士で説明が食い違うこともあり、勘違い・思い違いも当然あると思われる。 同様に、質問された債権者の方々についても、債権者側の事情については、まったく見えないわけで、主張は主張として尊重すべきであるが、それが正当なものであるかは、このやり取りだけではわからない。例えば、2006年内定者の方々は本当にお気の毒かとは思うが、内定辞退を3月15日に薦められているのに、3月31日に「まだ入れます」と言われたというのも、この説明会のやり取りだけでは少々首をかしげるところではある。



2006年4月15日(土)
■ビブロポート、サービスの大半を4月20日で終了。
 本当に事態が流動的だ。言ってるそばから、今度は、ビブロポート関係のサービスのいくつかが4月20日で終了するようだ。

(終了する発表があったもの)
・エリバドットコム
・電影写真館
・エルフィックス
・エリバコミックス

(メンテナンス中のままのもの)
・elfield
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by yurinass | 2008-02-29 13:35

営業マンにもできる、販売先の信用調査と不良債権防止

■営業マンにもできる、販売先の
         信用調査と不良債権防止(ビデオ・DVD)の目次■



<基本原則編>

1章 倒産会社からの回収率(40分)
 1.逃げ勝ち実行の必要条件
 2.不良債権防止の要因とウエイト
 3.情報をどうやって集めるか
 4.情報の内容と信頼度

2章 経営の構成要因
 1.会社は粗利益で生きている
 2.経営の全体像と構成要因
 3.経営の構成要因とウエイト付
 4.利益性が決まる条件
 5.市場占有率の原則

3章 戦略と戦術(65分)
 1.戦術の正しい意味を知る
 2.戦略の正しい意味を知る
 3.ランチェスターの法則
 4.優勢軍の戦略と劣勢軍の戦略
 5.強者の戦略
 6.弱者の戦略
 7.戦略の混同が不振の原因

4章 実行要因のウエイト付(48分)
 1.実行手順をはっきりさせる
 2.経営の全体図
 3.実行要因のウエイト付
 4.規模で変わる社長の役目
 5.営業リーダーの戦略教育が大事
 6.教育の3大要因



<実践編>

5章 商品、地域、客層情報の集め方(50分)
 1.商品情報の集め方
 2.営業地域情報の集め方
 3.業界と客層情報の集め方

6章 営業情報、顧客対応情報(49分)
 1.営業情報の集め方
 2.顧客対応情報の集め方

7章 組織と資金情報、利益情報の集め方(85分)
 1.組織情報の集め方
 2.資金情報の集め方。決算書の見方
 3.決算書が取れないときの資金情報
 4.利益性の分析法。PLの分析
 5.決算書が取れないときの利益情報

8章 社長の実力情報の集め方(66分)
 1.社長の時間情報を集める
 2.社長の戦略知識情報を集める
 3.社長の性格情報を集める
 4.社長実力の総合評価

9章 総合評価と悪くなった会社の見分け方(67分)
 1.経営内容のマトリクス
 2.支払条件との整合性をチェック
 3.危なくなった会社の見分け方
 4.証拠の情報は、訪問回数に比例
 5.赤字穴埋めの方法が、即ち情報
 6.金策性の安売を始める
 7.倒産直前に出る兆候

10章 不動産抵当の読み方とパクリ屋の見分け方(84分)
 1.不動産謄本の取り方
 2.不動産抵当の読み方
 3.パクリ屋の見分け方
 4.与信管理会議の開き方
 5.新規取引をするときの調査事項
 6.取引の切り方・逃げ方
 7.滞留売掛金の回収方法
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by yurinass | 2008-02-29 08:39

数多くの企業再生を手掛けて分かった「ダメになる企業」の公式とは

ダメになる企業は、企業のコアが分かっていない

――冨山さんは、カネボウやダイエーをはじめ、多くの企業再生の修羅場を体験してこられたわけですが、ダメになっていく企業と生き残る企業を分けるものとは何なのでしょうか。

冨山氏(以下敬称略):  現在、日本の多くの企業は、好むと好まざるに関係なく、グローバル化の波にさらされています。これまでのように日本国内や地域の地場だけのライバル関係やビジネスの連係だけを考えていたのでは、生き残れません。環境変化から、企業経営自体が、数十年前に比べると、ダイナミックで、変化の激しいものになっています。こうした時代に生き残るポイントは、2つあります。



株式会社経営共創基盤
代表取締役CEO
冨山 和彦 氏

 まず、企業にとってのコアを考えることです。これは、変えてはいけないものです。会社の理念かもしれないし、会社のいろいろな事業ドメインかもしれません。その企業にとって、10年、20年、もしかしたら100年経っても変えてはいけないものです。ビジョナリーカンパニーとして、本当に最後の拠り所になる部分。「企業の本当の価値」といえる、普遍的な部分です。ここをきちんと押さえておかなければなりません。

 もうひとつは、逆に、変わっていくことです。とにかく速くPDCAサイクルを回して、自分たちのやっていることを検証して、状況や環境の変化に対して、ビジネスをどんどん変化させていくことが重要です。

 この2つは、相反するものではありません。重要なことは、「変化させてはならないこと」「変化すべきこと」が存在するということを、きちんとわきまえることです。私も産業再生機構で多くの会社の再生を手掛けてきましたが、ダメな会社というのは、これらのことが中途半端になっていることが多いです。

――変化させてはならないことと、変化すべきことを見分けるのに、ポイントはあるのでしょうか。

冨山氏:  企業のコアというのは、企業にとっての価値観といったことで、「私たちはこの企業で何をやりたいのか?」ということとイコールです。これはなにも経営層だけの問題ではなく、社員1人1人がどのような思いを持って、その企業で仕事をしているのかということなのです。たとえば自動車メーカーの社員なら、「いい車を作りたい」と思って、その会社にいるのでしょう。企業のコアというのは、なにもその企業の主要な事業分野を指しているのではありませんが、どんな企業でも、まず自社がどのような環境・事業で利益を得ているのか、きちんと理解しておく必要があります。そうしておいて、自社のコアとなるものを抽出します。

――しかし、たとえば売り上げが減少して赤字が続いたなどの状況では、新規事業に生き残りを賭けるような戦略を取る企業もあるでしょう。

冨山氏:  もちろんです。たとえばですが、自社のコアがぶれなければ、事業ドメインを大幅に変更することもあり得るのです。ただ、コアを見失ってはいけません。経営者や従業員が、自分たちのコアをきちんと問い直す作業をさぼっていると、経営がぐだぐだになっていきます。企業のコアというものは、社員数の多い会社になればなるほど、どんどんと希薄になっていきます。



株式会社経営共創基盤
代表取締役CEO
冨山 和彦 氏

 「自社はどのような存在価値があるのか。自分は何のためにこの会社にいるのか。何のために生きているのか」と存在意義を始終問い直すというのは、精神的にしんどい作業です。でも、この作業をしていかないと、ブレてはいけないときに判断を誤ってしまうのです。

 ビジネスの1シーンで考えてみて、「目の前に簡単に儲けられる仕事があるけれど、これをやってしまっては、自分たちの理念や本来やろうとしていることから外れてしまう」ということがあると思います。たとえばバブルのときの不動産投資などです。そのときに、その会社がどのように考えるか。自分たちの企業にとってのコアを考えて、踏みとどまるのか、行ってしまうのかで、企業のありようが大きく変わります。ダメになる企業は、こういった場合、踏みとどまれずに行ってしまうことが多いですね。

 企業は食べていかないといけないので、目先のビジネスに走ることも必要な場合があります。しかし、永続的に持続するビジネスを指向することも、企業にとっては重要な要素です。目先に儲かるビジネスがあるとして、多くの人を雇い入れて儲かっても、数年後解散になるということでは、企業の社会的な責任を果たしているとはいえません。

 企業経営は、「変えてはいけないもの」「変わっていくべきもの」を見極める状況に、常時直面しているものです。

――経営者からいち従業員に至るまで、企業哲学を持つ必要があるということでしょうか。

冨山氏:  たしかに、哲学や信念に近いものでしょう。こういったものを従業員すべてが共有することで、企業のコアというものが守られていくのだと思います。企業のコアに照らし合わせれば、するべき仕事、やってはいけないことといったコンプライアンス面もきちんと確立していきます。

激変する経営環境にどのように対応していくべきか

――グローバル化で全世界のプレーヤーを相手にしなければならなくなったり、国内マーケットの人口減少などにより、企業経営にとって厳しい時代を迎えていると思います。こうした状況で経営戦略を誤らないためには、企業はどのような対応をしていけばいいのでしょうか。

冨山:  企業はさまざまな経営計画や営業戦略、製品戦略、IT戦略を立てていきますが、所詮は仮説なんです。戦略を実際のマーケットに当てはめてみて、検証する。状況が変わってくれば、それに合わせて仮説を修正し、再度検証していく。ビジネスは、このサイクルの繰り返しなんです。



株式会社経営共創基盤
代表取締役CEO
冨山 和彦 氏

 戦略はある意味机上の空論ですから、実際にやってみると、うまくいかないことのほうが多いんです。その状況をきちんと把握し、原因を検証して、再度仮説を立て、戦略を練り直すということを、永遠に繰り返しているのです。どんなに高いコンサルティング会社に依頼したって、絶対当たる戦略というものはありません。

 どんな戦略も仮説なので、実際にマーケットに出して試すしかないんです。どこかに実験室があって、事前に試せるわけではありません。このとき、仮説なき戦いをすると、まったくフィードバックがかかりません。それでは長期にわたり有効な企業経営はできないでしょう。

 立てた戦略を実際のマーケットに出してみても、ほとんどといっていいほど、うまくいかないものです。何か問題なのか? マーケットに対する読みが違ったのか? 新しい技術革新が起こったのか? 組織自体が新しい戦略に対する抵抗があってうまくいかなかったのか? などをきちんと検証して、フィードバックしていくことが必要なのです。

 私が以前いた電話会社でもそうでした。携帯電話という市場に参入するときに、当初はビジネスユースがメインだと思って基地局を設置し、料金プラン、販売チャネルを考えました。とはいえ、もしかしたら個人ユースのマーケットがあるかもしれないと思って、一部にその戦略も入れておきました。当初は、まあ当面は個人はないだろうと多くの人も思っていたのですが、実際やってみると個人市場が爆発的に増えたんです。

 この時点で戦略が外れたわけです。PDCAサイクルを回す観点からいえば、ビジネスユースから個人ユースに戦略を変更しなければなりません。これには、基地局のカバーエリアの変更から、マーケティングの変更、さらに販売チャネルの変更といった膨大な作業を必要としました。

 女性ユーザーが徐々に増えていきそうだったので、女性を取り込む戦略を考えました。でも、これはたいへんでした。その当時携帯電話の販売チャネルは、多少怪しげな店が多かったのです。女性が買うにはやはり家電量販店などでないとというので、チャネルを整備しました。でもいちばんたいへんだったのが、女性向きの端末デザインと基地局の整備でした。端末開発は年単位で時間が掛かりますし、男性と女性で携帯電話を使用する場所が違っていたのです。女性は家の中で使い出したので、オフィス街だけをカバーしていた基地局を、住宅地に拡張していかなければなりません。数年掛かりました。その間は「売れない」とかうまくいかない話ばかりで、すごく戦略がぶれそうになりました。我々だって神様じゃないですから、すべてを見通すなんてことはできません。なんとか、うまくいかなかった数年を乗り越えて、環境が整ったところで、女性向けのCMやマーケティングを展開することで、やっとうまくいくようになったのです。



株式会社経営共創基盤
代表取締役CEO
冨山 和彦 氏

――うまく行っていない状況で、経営戦略をぶらさないでいるのは、難しそうですね。

冨山:  ダメな会社は、PDCAサイクルが実際のマーケットの変化に比べてあまりにも遅すぎるとか、検証の部分で希望的観測が多く入りすぎて、きちんとした現状認識ができていない、などということが多いです。

 設備投資や技術開発など、成果が出るまでに時間の掛かるものがあります。こういったものは、成果がきちんと出るまでは非常にたいへんです。PDCAを速く回している企業ほどマーケットに対する落ち込みがよく分かるため、この間は企業戦略が揺れる方向に強くバイアスが掛かります。このとき自社のコアを明確に持っていれば、設備投資や技術開発の成果が出るまで何とか持ちこたえることができるでしょう。こういった局面で、軸をぶらしてしまっては元も子もありません。

企業戦略の成否を左右する人的資源の問題



株式会社経営共創基盤
代表取締役CEO
冨山 和彦 氏

――企業戦略を誤らせる要因には、どのようなものがあるのでしょうか。

冨山:  厄介なのは、企業の組織の問題です。たとえば酒屋さんや化粧品屋さんのように昔からのチャネルが存在している場合は、新しいチャネルにシフトしていくといっても、社内の多くの人々が反対して、なかなかうまくいきません。今までやっていた営業スタイルやマーケティングを大規模量販店型に変えていくというのは、現場に出ている人たちにとっては、今までとは180度違ったビジネスにやり方を強いるため、非常に強い軋轢や反発が出てきます。

 人がトラブルのポイントになっている場合は、無意識にサボタージュしている場合があります。こういう場合、現場の人たちの話を聞いているだけでは、どんどん軸がぶれるだけで、解決はできません。こういったことを解決するには、人に対する洞察力を持つことです。ただ、人に対しての問題には、一般解というものがありません。さまざまな立場や業界で違うので、どれだけ人に対して洞察力や想像力を持てるのかが、経営陣には重要になります。

――企業は人なりともいうくらいですから、人材をどのように動かすかは非常に重要ですね。

冨山:  あと日本の企業でよくあるのは、戦略を神格化して、それに縛られ過ぎてしまうことです。たとえば「有名なコンサルティング会社やマーケッターに作ってもらった戦略だから、これがいいんだ」などと信じ切って、実際のマーケットとかけ離れたことをやってしまうことがあります。

 こんな場合は、だいたい検証部分に問題があるのです。冷静に分析しなければならないのに、見たくない現実やデータは見ずに、戦略に合致したデータだけを探し出してみてしまったりとか。

 これは非常に苦労の多い作業なんです。誰だって、苦労して作った戦略が外れたことを認識する際は、自分を否定されたような気になります。特にトップは、認めたくないものなんです。トップが認めたくないと思っていると、下のほうも情報操作とまではいいませんが、都合の悪いデータを上に上げなかったり、いいデータばかり見せるようになります。これでは、きちんと現状を分析することはできません。

 うまくいっている企業を見てみると、PDCAがきちんと回っているんです。組織全体がうまくいかないことを認めながら、きちんとフィードバックをして仕事をしていける企業というのは、組織的制度的なインフラなり精神的なタフさなりが、きちんとでき上がっています。特にトップは、精神的に最もタフである必要があります。

――トップだけでなく、一般の従業員でも、上司や経営者にいい情報を上げたがるものなような気がします。



株式会社経営共創基盤
代表取締役CEO
冨山 和彦 氏

冨山:  経営者にとって、いい情報ほど役に立たない情報はありません。「うまくいっています」という情報を聞いても、ほとんど意味はありません。経営者にとっては、バッドニュースこそが価値のある情報なんです。

 バッドニュースを吸い上げるには、その価値を組織全体としてきちんと認識しているかどうかです。上司や経営者にバッドニュースを伝えたときに、いい顔をされなかったり、不機嫌だったりすれば、自ずとグッドニュースだけを伝えるようになります。逆に目をらんらんと輝かせて、一所懸命に話を聞いてくる状況になれば、バッドニュースも伝わりやすくなるでしょう。

 基本的に従業員側は、バッドニュースを伝えたくないものですから、どれだけバッドニュースを伝えやすいようにするかが重要です。このあたりをダメな経営者は分かってないんです。

 人事制度や評価制度を作れば、きちんと情報が伝わるようになるかといえば、そんなことはありません。制度やシステムをどれだけ整えたとしても、最も重要なのは人なんです。もし目安箱のようなものを作ったとしても、そこにメールを送る人がいなければ、まったく無駄です。何かあってメールを送りたくても、バッドニュースを歓迎しない雰囲気が会社全体にあれば、結局その情報を経営者に送らずじまいになり、発覚したときにはたいへんな状況になっているということが、往々にしてあります。経営者は、どれだけ人に対する洞察力を持っているかということが重要になってくるのです。

次代の経営者をどのように選定するか

――企業はITシステムを導入し、また社会インフラとしてインターネットが普及してきています。こういったIT革命は、企業経営、マネジメントにどのような影響を及ぼしますか。

冨山:  IT革命が波及すると、情報格差がなくなっていきます。それまでは、特定分野の情報を入手できるのは、その分野のプロフェッショナルだけでした。しかし、ITシステムが整備されることで、多くの人が情報を入手できるようになってきています。このことが、企業のビジネス環境を知らないうちにグローバル化してきているのです。どんどん競争がグローバルなものになってきています。

 たとえば地方の旅館がインターネットを使って外国人旅行者を獲得しています。ライバルは海外のリゾートです。旅館業といったドメスティックなビジネスですら、国際競争にさらされているのです。日本のマーケット自体はどんどんシュリンクしているので、成長機会も世界にしかなくなっています。今までのように資源の供給地や製造拠点として海外をとらえるのではなく、お客様のいるマーケットとして考えるべきです。



株式会社経営共創基盤
代表取締役CEO
冨山 和彦 氏

――企業経営で誤らないために、経営者に求められる資質とは、どんなものなのでしょうか。

冨山:  重要な資質として、次代の経営者を育てられるかどうかがあります。日本の企業では、経営者をきちんと育てていない場合が往々にして見受けられます。たとえば旧来の合議制の重役会で、順送りで社長が決められていくなどというような。

 こういう事例は、これだけ厳しいビジネス環境下においては、致命的なミスといえるでしょう。ある意味、会社がダメになっていく赤信号が灯ったといえる。

 経営者を今までの重役会のメンバーから選んでいくのが本当に正しいかことなのかは疑問です。企業統治という観点から経営者を見れば、外部からスカウトしてきたっていいんです。それで、会社がうまく回っていくなら。日産をはじめ、そうして立ち直った企業の例もあります。

 もちろん生え抜きから選ぶことが重要な場合もあります。私が再生に携わったカネボウの場合でも、嗜好品の要素が強い化粧品の商品企画が分かり、かつカネボウを支えていたビューティーカウンセラーたちのことが分かるかどうか、など、さまざまな要因を考え人選していった結果、カネボウ化粧品の社長には、内部から41歳という若手の知識氏を抜擢しました。これは、外部から招聘したり内部のベテランを昇格させるより、メリットが大きいと判断したからです。

――産業再生機構では、さまざまな経歴、さまざまな職種の人がその力を遺憾なく発揮していました。こうした多様な人材をうまくマネジメントするコツは、どのあたりにあるのでしょうか。



株式会社経営共創基盤
代表取締役CEO
冨山 和彦 氏

冨山:  産業再生機構には、コンサルタントや会計士、弁護士、投資銀行、銀行など、いろいろな背景、経歴の人がいました。こうした人たちをどうマネジメントしたかですが、産業再生機構では、「部署」というものを作らなかったのです。さまざまな職種の人たちが、1つの案件に取り掛かるという、プロジェクト方式で個々の事案に取り組んでいきました。

 そうするとどういうことが起こったかというと、大喧嘩が始まりました。やり方を巡ってなどです。状況を確認するのでも、共通する言葉さえない状況でした。

 でも、こういったことを乗り越えていくことが、大切なんです。1つの企業を再生させるということは、並大抵の努力と知恵ではできません。関わる人たちに、限界ぎりぎりの努力を要求することになります。そういった局面では、さまざまなスキルを持った人が必要になるのです。

 たとえば、他の人から見ると問題でもないことを、会計士出身の人が、さも大問題のように語っていると、みんなが最初思っていたことがあります。しかし企業再生が進んでいくと、その会計士が指摘した問題が、大きなトラブルとなってきたりするんです。こうしたトラブルを乗り越えていくことで、チームの結束が強まり、みんなが実力を発揮できるようになって、企業再生といった難問題を解決していくことが可能になるのです。

 こうした多様な人材を生かしていく必要があるのは、一般の企業でも同じです。企業の軸は、シェアードバリューとして従業員すべてに根付いている必要があります。しかし、組織にいる人自体は、モノリシックではいけないんです。さまざまな多様性を内部に抱え込むことで、組織は動いていくのです。日本の企業は、人事だけを見ても、往々にして1つのステロタイプとなる人ばかりを取ってきました。こういった組織は、ある意味弱いです。生物の多様性の問題と同様に、さまざまなスキルや考え方を持つ人がいてこそ、企業は発展するのだと思います。

──ありがとうございました。



冨山和彦(とやま・かずひこ)氏

株式会社経営共創基盤
代表取締役CEO

1984年司法試験合格。
1985年東京大学法学部卒。
1992年スタンフォード大学経営学修士および公共経営課程修了。
1985年株式会社ボストンコンサルティンググループ入社。
1986年株式会社コーポレイトディレクション設立に携わり、幅広い産業分野にわたり戦略立案やその実行支援に関わる。
2001年同社代表取締役社長就任。
旧日本リースなど大規模な破綻企業の再生からアキヤマ印刷機械といった中堅メーカーの再生支援まで、事業再生にも多くの経験を有している。
2003年4月に株式会社産業再生機構代表取締役専務 業務執行最高責任者(COO)に就任。
産業と金融の一体再生を目指す産業再生機構において、事業再生のプロフェッショナル集団を率いた。
2006年4月郵政民営化委員会委員就任。
2006年12月資産債務改革の実行等に関する専門調査会委員就任。
2007年3月株式会社産業再生機構解散。
2007年4月長期・持続的な事業・企業価値の向上を目指し、経営支援サービスを提供する株式会社経営共創基盤を設立。
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by yurinass | 2008-02-29 08:34

金融大手、保有資産の市場価格上昇に期待

 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)金融大手各社はこのところ相次いで数十億ドルの評価損計上を発表しており、その一部は「悪いニュースがあれば良いニュースもある」という考え方をとっている。

 悪いニュースは評価損の計上で、今や1000億ドルを突破している。良いニュースは、各社が言うには、損失は机上の計算にすぎないということであり、少なくともその一部は数カ月あるいは数年以内に市場が回復すれば取り戻せると考えている。

 問題は、多くの出来事が良いニュースより前に起きる可能性があり、これが企業の成長見通しに悪影響を与え、経営トップの交代や、もっと悪いことには資本の劣化や格下げにつながる恐れがあるということだ。こうなれば株価は低迷すると考えられる。

 決算発表を控えた保険大手2社は悪いニュースの代表例となりそうだ。米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(NYSE:AIG)は28日の取引時間終了後に、また保険料収入で世界最大の再保険会社であるスイス再保険(RUKN.VX)は翌29日に決算を発表する。

 両社とも、信用リスクを移転させる取引手法であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の評価損を計上し株価が下落している。AIGは5年ぶりの安値、スイス再保険は評価損計上を発表した日に10%安となった。

 AIGは、投資家に良いニュースに注目してもらうのが難しくなりそうだ。同社が今月、「会計システムに大きな弱点があると監査法人から指摘された。また10月と11月のCDSの評価損計上額を大幅に増やし48億8000万ドルとしなければならなくなった」と発表したことを受け、株価は1987年の大暴落以来の安値をつけた。

 この数週間前に同社が投資家に明らかにしていた評価損計上額は、この金額の約5分の1だった。AIGにとって最悪のシナリオは、10月と11月の評価損と同じ額を再び計上する必要に迫られることだ。

 AIGが12月の評価損を計上する可能性は高い。7-9月期と同様の方法をとるとすれば、今年1-3月期にどのようなスタートを切ったかを少しだけ投資家に説明するだろう。スイス再保険が評価損を追加計上するかどうかははっきりしない。

 AIGのマーティン・サリバン最高経営責任者(CEO)は12月の投資家説明会で、「当社には、価値の下がった投資資産を価値が回復するまで保有し続ける能力がある。これは極めて重要なことだ」と語った。

 こうした含み損を確定しないとしても、企業が抱えるリスクは膨大だ。多くの企業にとって評価損は、格下げ、資本の劣化、事業構成の再編、経営トップの交代、事業機会やシェアの喪失の要因になり得る。

 サンフォード・バーンスタインの保険業界アナリスト、トッド・ボールト氏は、評価損計上に直面している企業全般について「事態がさらに悪化すれば、影響が及ぶ」と語った。

 AIGと同じ境遇にあるほかの企業はすでに痛みを感じている。市場が回復するはるか前に、米シティグループ(NYSE:C)ではチャールズ・プリンス氏がCEOを辞任し、2回にわたり資本を増強した。金融保証会社(モノライン)大手のMBIA(NYSE:MBI)でもトップが交代し、増資を余儀なくされたうえ、事業構成の再編に動いている。

 10-12月期に30億ドルを超える評価損を計上したMBIAは、良いニュースの理論をすぐに取り入れた。CDS関連の損失は最終的に約2億ドルになるとみられており、同社は将来の保険金請求についての残りの評価損は「予測できない」とした。

 AIGは最近、主要格付け会社3社が同社の格付けの中長期見通しを「ステーブル(安定的)」から「ネガティブ(弱含み)」に変更したと発表したことで、やや痛手を被った。

 AIGの自己資本は安定しているとみられている。同社は昨年、160億-210億ドルの余剰資本があると見積もっていた。同社株の27日終値は前日比0.83ドル(1.61%)高の52.25ドル。その後の時間外取引では下げに転じ、52.00ドルで取引された。

 金融全体をみると、各社が予想している通り、金融商品の売却によって実際の損失が最少になるとすれば、主要な問題はもちろん、市場価格の下落がいつ上昇に転じるのかということだ。一部の金融会社は、保有資産の市場価格が上昇に転じる可能性があると考えているため、こうした資産の売却の誘惑に抵抗している。

 (2月28日付のHeard On The Streetより)
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by yurinass | 2008-02-29 08:29

売掛債権の早期現金化を支援 中小企業の負担軽減

経済産業省は28日、中小企業の資金繰りを支援するため、期日前に売掛債権の現金化を可能にする中小企業信用保険法などの改正案を今国会に提出することを決めた。中小企業が保有する売掛債権は平成18年に約73兆円に達し、現金化を促して受取企業の負担を軽減する。29日の閣議決定を経て、今夏までの施行を目指す。

 法律で支払い責任が明確な手形は、企業が銀行に持ち込めば額面を割り引いた価格で現金化できるが、法的保証のない売掛債権は困難だった。改正案は売掛債権の発行企業が支払いを1つの金融機関に一括して行う契約を結べば、各地の信用保証協会が支払いを保証する制度を創設する。金融機関には期日前でも受取企業からの債権譲渡に応じることを義務付け、現金化を後押しする。

 売掛債権の早期現金化には各金融機関が独自に応じてきたが、対象は売上高20億円以上の企業が発行したものなどに限られ、実績は5000億円以下とみられる。経産省は新制度により、1兆円以上の売掛債権で早期の現金化を見込んでいる。
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by yurinass | 2008-02-29 08:28

バブルの積極投資で赤字転落、“破壊的改革”が始まった

DOWAホールディングス会長が語る企業改革“実戦記”(1)

1884年に創業した同和鉱業(2006年にDOWAホールディングスへ移行)は、鉱石の製錬により、非鉄金属を生産することを中核事業としてきた。ところが、長い歴史の中で受け継がれた伝統は時に「悪しきもの」へと変化し、膨大な有利子負債を抱えた。
2000年4月、その状況を打破すべく事業構造改革に着手、たった7年で経常利益10倍を実現した。その改革は現在、マネジメント強化にまで至っている。
今回より3回にわたり、その“破壊的改革”の全貌をDOWAホールディングス吉川会長が語る。

 2000年4月、当社は「事業構造改革」を開始しました。これは3ヵ年計画で、第3期にあたる現在も改革は進行中です。

 まず当社の構造改革の中身に触れる前に、改革以前の状況を少し紹介しておきたいと思います。この表は数値で見た30年間の当社の歴史です。

DOWA30年間の推移と改革の歴史


「借金で資産投資」という失敗構造
 バブル以前の経常利益(折線グラフ)は、銀の暴騰などの異常時を除けば、プラスマイナスゼロのところを低迷しています。

 この期間の利益には、実は年間20億から30億くらいの資産売却益が含まれおり、この数字は相当ゲタをはいています。つまり、計算すると実質的には事業収益がほとんど上がっていない。事業としては、残念ながらこういう状態が続いていました。

 そこで、これはいかんということで、バブルが始まったころに積極投資を始めました。

グラフを見ればわかりますが、投資のおかげで資産は急激に増えました。ところが利益を見ると、もともと元手のない投資ですから借金も一緒に増えています。

 要するに、投資は積極的にしたが、同時に借金をしたために、収益が上がらないという、借金で資産投資をしたという失敗構造が見てとれます。

 ここから赤字に転落し、収益も低迷、借金は相変わらず減らないという、危機的な状態に陥りました。そういった中で、「事業構造改革」を開始したわけです。

改革のキーワードは「選択と集中」
 まず、事業構造の改革の焦点を4つに絞りました。1つ目は「収益構造の改革」、2つ目は「資産構造の改革」、3つ目は「財務体質の改革」、つまり有利子負債の削減です。そして4つ目は「マネジメント改革」です。それらを「選択と集中」というキーワードとともに進めていきました。

 それぞれの事業構造改革の中身について、もう少し詳しくお話ししましょう。

 事業構造改革の策定時に我々が重視した考え方は、まず「コアビジネスを明確に」し、「集中投資をする」ことでした。コアビジネスとして我々が決めた事業をM&Aしたり、あるいは投資をしたりして、我々の事業の中に取り入れていく。一方、コアビジネスではないと我々が決めたものは、売却、撤退をする。

 その結果、4つの分野(「製錬」「電子材料・金属加工」「環境・リサイクル」「熱処理」)が我々の投資分野と決まりました。シナリオは数字よりも、何を実行するかという、施策の方が重要だと考えました。これはあまり他社で見られない方法ですが、施策を徹底的にやり、数値はあまり重視しませんでした。何をやるか、何ができるか、ここを徹底的に議論して、固めていきました。

 最初から数値にはあまり期待をしない、当てにならないことには期待をしない。ここまで詰めた施策なんだから、やれば結果が出るはずだという信念のもとにやったんです。

 これは、今までの経営とは全く違うスタイルであり、そのために「選択と集中」を行ないました。そのターゲットに絞ったのが環境・リサイクル部門でした。

 リサイクル部門に投資すると決めたとき、社外からは「DOWAはゴミ屋になった」と言われたりもしました。また、社内でも非常に伸び始めていたIT関係の部署から、「ITの仕事をやるのにゴミ屋じゃ仕事をやりにくい」という反対意見も随分ありました。

 しかし、そうした軋轢の中で、この年度の経常利益は残念ながら目標値には若干未達だったものの、有利子負債は大幅に達成し、決算もはみ出してきました。これは前述したように、会社自体の体質がかなりよくなってきたと言えるかと思います。

基準は3つ、「マーケット」「競争力」
そして「やる気」があるか
 我々は選択と集中を、何の基準もなし、考えなしにやったわけではなく、具体的には3つの基準を設けていました。

 まず「マーケットがあるかどうか」。自分がやっている仕事の事業のマーケットはあるか、そのマーケットは将来の成長が期待できるか。自分がいるマーケットは安値市場になっていないか、ということです。

 2つ目は、「自社に競争力があるかどうか」で、その競争力とは「QCDD」。Qはクオリティー(Quality)、コスト(Cost)、デリバリー(Delivery)、Dは開発力(Development)です。

 我々は製造メーカーですから、開発力があるかどうかが重要です。その競争力が将来までもつ可能性があるか。今は競争力がなくても、それを生み出す人材、種があるかどうか、これが2つ目の基準です。

3つ目は当たり前のことですが、「社員にやる気があるかどうか」。

 基本的に、この3点を満たしていないと撤退、満たしていれば投資をします。随分徹底してやったので、社員のほうは、非常につらい時期があっただろうと思います。

 やり方としては、伝統や事業のいきさつ、諸先輩のことは一切考えず、すべての事業を白紙に戻し、まな板にのせてしまう。そこでまず評価をし、選択をする。利益の出ない事業からは当然撤退です。

 また、たとえ黒字でも将来性がないと判断した仕事からは撤退しました。利益が出ている事業から撤退するのは異常だと社内外から言われましたが、いずれ行き詰まるのはわかっていますから、撤退は早いほうがいいわけです。

 黒字で将来性のある事業はもちろんですが、赤字でも将来性のある事業には投資する。普通は、黒字だから撤退しない、赤字だから撤退するというように、見かけの会計上で判断されるところが結構あるように見受けられます。しかし、それは間違いだろうと思います。

 もう1つ、キャッシュフローベースの経営に切り換えました。それまでは会計上の利益、収支を重視していましたが、キャッシュフロー経営への変更が、この事業構造改革の第1期の構造計画となりました。

 第1期は以上のようなことを非常に激しくやりました。この時点では、あまりいい成績は出ていませんが、会社自体の体質は非常に強くなりました。

 その結果、第2期に入ると、これまでの効果が出始めました。4つに決めたコアビジネスが育ってきて、利益をかなり出すようになったのです。

(第2回へ続く)

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by yurinass | 2008-02-29 08:24