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<   2007年 03月 ( 96 )   > この月の画像一覧


大旺建設再生計画、新会社が事業継承・グループ20社売却

 経営再建中の四国最大の総合建設会社(ゼネコン)、大旺建設(高知市、四宮隆社長)は19日、再生計画をまとめた。新会社を設立して土木・建築などの中心事業とそれにかかわる負債を承継させる。一方で現会社に遊休、不良資産を残してこれを売却、借入金を返済する。グループ企業20社は売却する。整理回収機構(RCC)のスキームを活用した事実上の私的整理で金融機関ともほぼ合意。金融機関は債務を70億円程度免除する見通しだ。
 現会社を7月1日付で分割、中心事業を登記済みの新会社「新生大旺建設」が承継する。新会社には借入金126億円のうち22億円を移し、長期分割返済する。400人弱の従業員も新会社が引き継ぐ。同社は5億円の新規出資を募る。高知の有力企業グループ、入交グループ本社(高知市)が40%を持つ筆頭株主となる。四国銀行も5%出資する。出資企業は全部で10社程度になる見通しだ。
 新会社は事業承継後に「大旺建設」に社名変更。四宮社長が引き続き社長を務める。
 現会社は104億円の借入金を引き継ぎ、資産売却などで返済するが、返済額は3割程度にとどまる見通しで、残りは金融機関が債務免除する。取引がある23金融機関のうち、計画に21行が同意、残りの2行も近く同意する見通し。現会社は借入金を返済した後に清算する。
 グループ会社も再編する。連結対象は大旺建設も含め33社だが、新グループは本業の土木・建築事業と相乗効果のある13社とし、残りの20社は売却する。
 大旺建設は公共工事の減少に加え、バブル期の不動産投資の失敗などで経営が悪化。2006年6月期の単独売上高は、前の期に比べ5%減の300億9800万円、最終損益は8億3200万円の赤字(前の期は4億4400万円の赤字)だった。
 新会社は、社外取締役や社外監査役を登用し、経営監視機能を強化する。本業で立て直しを目指すことになるが、四国の建設業を取り巻く環境は依然厳しく、受注獲得や技術力の向上などが今後の課題となる。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-03-22 08:12 | 経済状況記事

伊藤忠商事、小杉産業を経営支援

 伊藤忠商事は企業再生ファンドのジェイ・ブリッジ(Jブリッジ)傘下で経営再建中の中堅アパレル、小杉産業の支援に乗り出す。伊藤忠系列の投資会社が、Jブリッジの保有する小杉株を取得。人材を送り込むほか、系列工場や百貨店・専門店を紹介するなど、生産や販売のネットワークを活用して小杉を再生する。
 伊藤忠が25%を出資する投資会社、レゾンキャピタルパートナーズ(東京・千代田)が月内にも小杉株のTOB(株式公開買い付け)を実施し、過半の取得を目指す見込み。小杉株の40.8%を保有するJブリッジは、TOBに応じるとみられる。レゾンによる買収額は40億―70億円前後になる見通し。
 小杉は「ゴールデンベア」「ジャンセン」などカジュアル衣料の有力ブランドを持つが、販売が長期にわたって低迷。経営不振に陥り、05年にJブリッジとみずほ銀行による支援を受け入れた。小杉は第三者割当増資や新株予約権発行などで資金を調達、有利子負債を削減したが、本業の収益力を本格回復させることはできず、Jブリッジは株の売却を決断したとみられる。
 これに対して伊藤忠側は自社グループが持つアパレル事業のノウハウなどを生かせば、小杉の再生は可能と判断したもよう。株の取得資金は投資会社側が手当てし、伊藤忠は直接出資はしない。
 伊藤忠は繊維部門の取引拡大を狙い、アパレル企業への投資を進めている。昨秋には中堅アパレルメーカーのジャヴァホールディングス(神戸市)に資本参加している。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-03-22 08:11 | 経済状況記事

鉄なぜ高い(上)原料生産増追い付かず―中国など取り合い過熱。

 国内外で建築向けや自動車向けなどの鋼材価格が上昇している。原料となる鉄鉱石や鉄スクラップが高騰し、メーカーが製品への価格転嫁を進めているためだ。世界的に需要が堅調なことも、こうした流れを後押しする。原料も含めた需給動向から鉄が強基調を保っている背景を検証する。
 国内の鋼材市中価格(東京)は高値水準が続いている。建築用鋼材の鉄筋用棒鋼は現在、二十六年ぶりの高値となる一トン六万三千―六万四千円。厨房(ちゅうぼう)器材などに使うステンレス鋼板は二十三年ぶりの一トン五十万円台。メーカーが原料高を背景に出荷価格を引き上げている。
 原料となる鉄鉱石と鉄スクラップは今年に入っても上げ基調が続く。中国や韓国などが買い姿勢を強めている。
 鉄鉱石は日本や中国などの鉄鋼大手と、ブラジルや豪州の資源大手が半年から一年程度の長期契約を結ぶのが一般的。価格は交渉ごとに異なるが、指標となる粉状鉄鉱石の価格は〇七年は五〇ドルを超えたもよう。〇一年は一トン一八ドル前後だったので、約三倍になった。
 世界の鉄鉱石生産量は〇五年に十五億四千万トンと〇一年比で約一・五倍となったが、生産が追い付かない状況。需要もそれだけ増えているためで、大半は中国。同期間の中国の生産量は二億トン、輸入量も一・八億トン増えた。全体の増加分のほぼ八割に当たる四億トン近くが中国で増えた計算だ。
 鉄スクラップ価格は〇一年に比べてアジア(日本の輸出指標)で四倍強、欧州で約二・五倍となった。アジアで最大の輸出国である日本の輸出量(貿易統計)は韓国、台湾の需要が増え、輸出量を押し上げている。
 欧州向けの輸出国であるロシアは国内需要が強く、国外向けが減少傾向にある。中東地域で大型建設が相次ぎ、鉄筋など製品の引き合いが強まり「トルコが欧州からの鉄スクラップ調達を強めている」(商社)ことも全体の需給を引き締める。
 副原料の値上がりも大きい。ステンレスなど特殊鋼向けに使うニッケルは過去最高値更新が続く。国際指標のロンドン金属取引所(LME)先物は〇六年三月の一トン一万五三〇〇ドル前後から、現在は一トン約四万七〇〇〇ドルと三倍の水準に跳ね上がった。中国がステンレスの生産を拡大するためにニッケル調達に力を入れている。中国の〇六年の生産量は七百万トン近くになったもようで、四年前の五倍近い。
 鉄は自動車や家電、住宅など用途がきわめて幅広く、生産活動の基本となる素材。鉄の消費量は各国の経済動向を敏感に反映するとされる。他の金属のように投機資金が流入する先物市場による乱高下の影響が少なく、価格形成は実需をより反映しやすい。鉄の原料価格高騰は底堅い成長を続ける世界経済を映しているとも考えられる。
 中国の強い引き合いで原料価格の大幅下落は見込みにくいのが現状。鉄スクラップも発生量が限定される中、「国際的な取り合いが始まっている」(東京製鉄)といい、しばらくは上昇基調が続くと見る向きが多い。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-03-22 08:10 | 経済状況記事

ハザマ、背水の選択――地下鉄談合“自首”の本音(NewsEdge)

 名古屋市営地下鉄工事を巡る談合事件で、名古屋地検特捜部は二十日、大林組元顧問ら五人とそれぞれ在籍していたゼネコン五社を独占禁止法違反(不当な取引制限)罪で起訴した。談合によって工事を受注したゼネコンのうち、ハザマだけが強制捜査前に自主申告したため起訴を免れた。「土木の名門」であり、古い業界体質が残っているといわれてきたハザマがなぜ“自首”を決断したのか。(関連記事27面に)
 「和歌山、名古屋と(談合事件が)続いて、まともにペナルティーを受けたらもう会社が持たないということだろう」
 独禁法違反行為を自主申告すれば処罰が軽減される「課徴金減免制度」の適用をハザマが申請したことが公表された二十日、同社の元幹部はこんな感想を漏らした。
 一八八九年(明治二十二年)の創業以来、ハザマは国内外で鉄道、ダムなどの大規模工事を数多く手がけてきており、伝統的に受注高に占める土木工事の比率が高い。大手ゼネコンはおおむね二割程度なのに対し、ハザマは四四%(国内のみ、二〇〇六年三月期)。建築工事を合わせた公共工事比率も三九%(同)と大手の二倍の水準だ。
 こうした土木・公共工事依存度が高い収益構造に加えて、台所事情の苦しさがのしかかる。ハザマは四年前の〇三年三月期に不良資産処理などで千二百二十六億円の最終赤字を計上、千百十一億円の債務超過に陥った。同年十月に新旧会社に分割し、不良資産は旧会社(社名は「青山管財」)が引き継ぎ、建設事業に特化した新会社(現ハザマ)が代替上場して命脈をつないだ。
 メーンバンクのみずほコーポレート銀行が主導した荒療治の結果、巨額の有利子負債が収益を圧迫することはなくなったが、借金棒引き(〇一年三月期に千五十億円の債務免除)や長引く業績低迷による信用低下に依然悩まされている。〇六年三月期の受注高は千九百六十七億円。ピークの九二年三月期(七千四百九十五億円)の四分の一近くに減少している。
 〇七年三月期の最終利益予想は九億円。仮に名古屋談合で公正取引委員会に告発され、課徴金や違約金を徴収された場合には赤字転落になりかねない利益水準だ。すでにハザマは和歌山県発注工事を巡る談合事件で昨年十月末、国土交通省から全国で一―二カ月間の指名停止措置を受けるなど受注への影響は深刻さを増している。
 ハザマは二十日、「独占禁止法違反の排除とコンプライアンス経営について」という表題の文書を公表。課徴金減免制度の適用を申請した報告とともに、土木担当の友野希成副社長(63)の辞任や新名順一社長(57)をはじめ取締役七人の減俸などを含む社内処分を明らかにした。首脳陣の危機感は尋常ではない。
 「危機管理に弱い会社」というレッテルがハザマにはつきまとってきた。終戦の年から四半世紀近くトップの座にあった神部満之助元社長(故人)をはじめ同社にはワンマン経営者が多く、東宮御所の「一万円入札問題」や、石川達三の小説「金環蝕」のモデルにもなった九頭竜ダム(福井県)入札スキャンダルなど企業統治やコンプライアンス(法令順守)にまつわるトラブルに何度も見舞われた。
 宮城、茨城県知事や仙台市長、ゼネコン経営者らが逮捕された九三年のゼネコン汚職事件。摘発の口火を切ったのは「仙台市長選、三〇〇〇(万円)」と記されたハザマ関係者の文書だった。昨年九月の和歌山談合事件も、二カ月前に別の事件で大阪地検特捜部がハザマ大阪支店を家宅捜索した際に押収した「井山(義一、元ゴルフ場経営者)氏に五九〇〇万円」と書かれたメモが摘発のきっかけになった。
 九三年のゼネコン汚職事件でハザマは現職の会長、社長が同時に逮捕されるという汚点も残した。「大手に比べて組織的に会社を守る能力で格段に劣る歴史や社風を考えれば、新名社長が自主申告を決断した気持ちは理解できる」と同社の元幹部は指摘する。
 〇三年の債務超過転落で信用不安がささやかれていた当時、ゼネコン業界ではJV(共同企業体)の組み合わせでハザマを排除する「ハマはずし(『ハザマ外し』の隠語)」が横行した。業界での“村八分”の恐怖はこの時に経験済みともいえる。だが、村八分よりも怖いのは経営破綻。「公共工事の減少など経営環境の悪化が続けば、ハザマのような(自主申告に踏み切る)会社がこれから数多く出てくると思う」と大手ゼネコン首脳は予測する。

 ▼課徴金減免制度 談合やカルテルなど独占禁止法違反行為について、公正取引委員会に自主的に申し出て調査に協力した企業の課徴金を減免する制度。二〇〇六年一月施行の改正独禁法で導入した。立ち入り検査前に最初に申告した企業は課徴金を全額免除し、刑事告発も見送る。二番目は五〇%、三番目は三〇%減額する。検査後の申告は一律三〇%の減額。減免する企業は立ち入り検査前後を合わせ先着三社まで。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-03-22 08:09 | 経済状況記事

ユニコ・コーポレーションの経営破綻、道内信金の決算に打撃

 昨年10月に会社更生法の適用を申請したユニコ・コーポレーションの経営破綻が道内信用金庫の2007年3月期決算に打撃を与えそうだ。債権を持つ16信金の多くは不良債権処理損失が大幅な減益要因となり、赤字に転落する信金も出る見通し。管財人が提示した試算では担保手形によっては評価額が5割カットされるなど、信金にとって厳しい内容となっている。
 債権者集会を22日に控え、管財人や代理人が各金融機関に保有債権のうちどの程度が配当として戻ってくるかというカット率の試算を示した。関係者の話を総合すると、担保なしの債権を85%カットし、担保付きの債権も10―50%カットする内容という。保有する担保手形の信用度によって違いが出て、銀行などではおおむね1―3割、多くの信金では4割以上のカット率になっているもようだ。
 担保手形のカット率が低かった金融機関の多くは試算について「おおむね妥当な水準」(道内地銀)とみる。50%カットの試算を提示されたある信金の担当者も「破産に至るよりはまし、やむを得ない」と話す。
 ただし信金の間では「算定基準がわからず、もっと説明してほしい」との声が根強いのも事実。会社更生法では、更生計画案の成立には更生担保権者の4分の3の賛成が必要。22日は正式な計画としての提示はない場合は「追加的な説明を求める」(ある信金幹部)動きが広がる可能性もある。
 各金融機関は管財人の試算に先立って債権処理を実行。札幌信用金庫はユニコ向け債権額の約3分の2を不良債権として処理し、最終利益は大幅に減る見通し。別の信金では「赤字決算になる可能性もある」との声も出ている。ただ、多くの信金は自己資本比率が高く「経営に大きなダメージを与えるには至らないだろう」(道内信金関係者)との見方が強い。
 信金の多くは地場企業の資金需要が鈍い中、顧客開拓が思うように進まないのが現状。大手の動きに安易に乗ってユニコに融資した面は否めない。「健全経営を維持したところが最終的に勝つ」(有力信金経営者)だけに、各信金は内部体制の見直しを迫られそうだ。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-03-22 08:09 | 経済状況記事

為替におびえる日本株――スクランブル(1)

 上海を震源地とする世界連鎖株安以降、日本株に奇妙な現象が起きている。円相場との連動性が極端なほど高まっているのだ。年初から日経平均株価が昨年来高値を付けた2月26日までは「円高→株安」もしくは「円安→株高」となる確率が6割弱にとどまっていた。それが2月27日から3月20日までだとこの相関関係はほぼ100%。連動性が当てはまらなかったのは1日だけだ。
 株式市場がここまで為替に神経質になっているのは「円借り(円キャリー)取引の巻き戻しによるリスクマネー縮小が懸念されている」(立花証券の平野憲一執行役員)からとの見方がもっぱら。3月5日までの下げ局面で業種別日経平均の下落率上位に並んだ業種は、高値を付ける過程での上昇率が2割を超えている。買われた銘柄ほど売られたわけで「巻き戻し」との指摘は確かに的を射ている。
 だが必ずしも需給要因だけで動いたとは言い切れない。表で2月26日までの上昇率より下げがきつい、もしくは下落率が大きくなった業種を網掛けで示した。自動車や電機、精密などの為替敏感業種が目立ち「円高→業績悪化」が懸念されたとみるのが自然だろう。そればかりか株式市場が「実際に円高が進行する2月末より前から、110円を超えるような円高を織り込んだ可能性がある」(野村証券の北岡智哉ストラテジスト)ことを示すデータもある。
 グラフは野村証券が試算した高為替感応度銘柄の「ファクターリターン」。円相場に敏感に反応する銘柄群が、相場全体の動きを上回ったか下回ったかを示している。同リターンが低いほど運用成績は芳しくないわけだ。グラフからは為替感応度の高い銘柄の運用は、昨年末から振るわなくなっていることが読み取れる。これは日銀による利上げが取りざたされ始めた時期と一致する。しかも今回より円高が進んだ昨年5月と比べて悪化の度合いが大きい。
 円高が定着するなら、気になるのは2008年3月期の業績見通し。田辺経済研究所の田辺孝則代表は「110円なら減益見通しが出る」と警戒する。
 各シンクタンクの推計によると、前提が115円から110円になると上場企業全体の経常利益は3%前後押し下げられる。ここ数年、企業が慎重な見通しを示していることや米景気減速懸念が早期に払しょくできそうにないことを考えれば、来期業績見通しに市場が失望する可能性は低くないかもしれない。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-03-22 08:05 | 経済状況記事

難敵の説得タイプ別に――「論理思考の壁を破る」著者出口知史さんに聞く。

 あなたは会社で自分の意見をしっかり言えますか――。会議で自分が提案する企画やアイデアが十分理解されず、もどかしい思いをしたビジネスパーソンは少なからずいる。ベテラン社員なら過去の実績や経験を基に、意見を通すこともできるが、若手になるほど十分な“理論武装”が欠かせない。ただ、「論理思考の壁を破る」の著者、出口知史さん(33)は単に理路整然と話すよりも、相手の傾向を把握して接した方が上手に説得できると語る。
 企画の提案や顧客との交渉などビジネスの現場で、気むずかしい相手に対しあまりに論理的に説得しようとしてかえって反発を買うこともある。出口さんは説得が難しい相手を三つに分類し、それぞれの攻略法をまとめる。
 【専門家型】専門家型の特徴は「研究開発で二十年」など専門分野に従事している期間が長いベテランに多い。特定分野については見識が高いが、他の分野にはあまり関心がなく、しかもプライドが高い。自分の専門分野など得意とするところに話を持っていこうとする傾向が強い。
 同タイプの対処方法は、真っ向から議論を挑むのは避け、相手が見落としている情報や事実を丁寧に話して、異なる角度からも考えるように話を持っていこう。
 例えばあなたが営業担当だと想定する。ある日開発経験が長く業界の動きに不慣れな営業部長に「新規顧客の開拓を月に二件取るように」と命じられた。しかしあなたは競合大手が参入してきていることもあり新規開拓より既存の顧客の売り上げを伸ばす方が得策だと考えている。
 「今は新規開拓が難しいので既存顧客を守るべきです」と答えるのは望ましくない。「大手のA社が参入してきています。彼らの立場だったらどうしますか」と専門意識が高い相手だけに結論を急がず、相手の考えで欠けている点や異なる立場があることを自分で気付くようにし向けることが大事だ。
 目標の設定や問題解決など問題意識を相手と共有することも重要だ。例えば「短期目標で無理に押し込み的に営業をして返品をされるより、安定した中期目標で進めたほうが良いと思いますが、いかがですか」と質問を投げかけることで、目標達成の時期を共有できる。
 【結論押し付け型】一般に声が大きい人はこの型に多い。結論があっても根拠があいまいで論理の組み立てが正しくない。根拠や論理を自分で明確に理解してなく、感覚的に結論を出す。結論だけを主張するため、話を聞いても納得ができない。質問に対して「いちいち聞くな面倒くさい」と返答する傾向も。
 対処方法は相手の頭の中を少しずつ明確にすることだ。相手が結論を出すきっかけとなった具体的な経験や話などを議論をしながら引き出して、相手の頭の中のロジックを見つけ出そう。先の営業部員の例を挙げると「私も賛成ですが新規開拓を二件にした理由は何ですか」と返答するのもよい。
 ただし注意することは論理的に話をする相手に対して感情的になることが多い。その摩擦を避けるために「そこは重要ですね」など部分的な同意や共感の意思表示をする必要がある。
 相手の頭の中を整理させたら「大手A社が参入してきた場合には我々はどう対抗していくとお考えですか」など相手が欠落している論点について、相手に考えさせる。基本的には相手に考えさせて、こちらと同じ結論に至るように議論を進める。紙やホワイトボードに書いて整理するなども有効だ。
 【思考停止型】責任を背負ったことがない人など問題解決の実行者としての当事者意識が薄い「評論家タイプ」が該当する。問題の提起や情報・事実を並べるだけであり、結論が抜けて「だからどうする」がない。
 対処方法は相手が出した情報・事実について「なぜ」と「それで」を繰り返し問いかける。答えが出るまで待ち続け相手に当事者意識を芽生えさせるのが狙いだ。相手の持っている情報や事実を聞き出した際に自分の知らない情報が出てきても、それを否定しないでその都度確認することを気をつけたい。一度出た結論を覆すような情報は否定したくなるが、正しい結論を導くためには何度も考え直す必要がある。
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by yurinass | 2007-03-20 07:43 | 経済状況記事

Q&A、意思決定のプロセスは―西室社長が最終決定(日興上場維持東証の判断)

 東京証券取引所が日興コーディアルグループの株式を上場廃止の可能性を周知する監理ポストに割り当てたのが昨年十二月十八日。その後、上場維持を決定した三月十二日までの三カ月弱で、どういう意思決定プロセスをたどったのか。関係者の動きを中心に振り返る。
 Q 東証は日興株を監理ポストに割り当ててから、どのような作業を進めていたのか。
 A 日興の不正会計が上場廃止基準に当たるかどうか事実関係の整理を進めた。日興関係者などから事情聴取を重ねたほか、日興が二月二十七日に訂正した有価証券報告書を出した後は監査法人からも聞き取り調査した。東証は一連の手続きを経て今月十二日午後に執行役会を開き、全員が日興株の上場を維持する決定を支持したとしている。
 Q 誰が決定に関与したのか。
 A ヒアリングなどを担当する上場部が判断材料をまとめ、自主規制部門の責任者に報告。その上で西室泰三社長が最終的に決めた。もともと上場廃止にするかどうかは通常業務の一環として、基本的には取締役会にはかけずに執行部で決めている。今回は事前に奥田碩トヨタ自動車取締役相談役や氏家純一野村ホールディングス会長らもメンバーである取締役会から、「執行部一任」の了解を取り付け、取締役会は決定プロセスに加わらなかった。外部の有識者で構成する自主規制委員会も関与していない。
 Q 政治や行政との関係は。
 A 西室社長は上場維持の結論を出したことについて「圧力は一切なかった」と強調している。東証を監督する金融庁は、自主規制機関である東証の決定を尊重するとの立場だ。産業再生機構で経営再建中だったカネボウの場合は、外部から上場を維持してほしいとの要請もあったが、東証は自らの判断で上場廃止を決めた。
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by yurinass | 2007-03-19 08:27 | 経済状況記事

財務最前線グローバル化に挑む(下)為替リスク重く多様に―変動への対処手探り。

 「一一〇円まで円高が進む前提で二〇〇八年三月期の業績計画を立てざるを得ない」(ニコンの寺東一郎副社長)。円安基調から一転、一ドル=一一五円台と急激な円高に見舞われた五日、輸出企業に緊張が走った。
 海外売上高比率が七五%あるニコンは業績への影響を抑えるため為替予約のルールを細かく設定してきた。向こう三カ月間は全取引の六〇―九〇%、その先の三カ月間は一〇―六〇%、さらにその先の三カ月間は〇―三〇%の範囲で予約するのが基本。相場を見ながら予約比率を変えるが、急速な為替変動には対応し切れないのが実情だ。
 海外売り上げの比重が高まり、為替変動で業績は一段と振れやすくなっている。〇六年九月中間期に海外売上高比率が八四%と最高になったホンダの場合、対ドルで一円の変動による営業利益の影響額は年約二百億円。数年前は百数十億円だった。「売り上げ規模が大きくなり影響は増している」(池史彦取締役)
 そのホンダが海外進出にあたり掲げる基本方針がある。「自給率八割確保」。販売の八割を現地生産で賄うという意味だ。材料や部品も現地で大部分を調達する方針。貿易摩擦を未然に回避するだけでなく、為替の変動によるキャッシュフロー(現金収支)への影響を抑える狙いがある。
 同じ通貨で収入と支払いが同額であれば、為替の影響は理論上なくなる。富士通など一部電機メーカーのように現地生産や逆輸入が増え、影響をほぼ相殺した企業もある。だが輸出企業の大半は海外売り上げが調達を大きく上回り、相殺するのは難しい。製造業の海外売上高比率は九月中間期で四三%強。五年前より一〇ポイント高まっている。
 新興国への進出が増えるにつれて為替リスクは多様化している。フマキラーはインドネシアのルピア高が悩みの種。同国は日本を含めた世界への製品輸出の拠点。連結売上高の二割近くを生産する。〇五年に比べ最大で二割ルピア高が進行、〇七年三月期の三%増益の達成が微妙な情勢だ。
 オリンパスは昨秋から中国の人民元でもキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入した。中国内にある七つの子会社の資金を一括管理する。人民元建ての資金の過不足を調節することで他通貨との取引を少なくし、為替リスクを軽減する狙いからだ。
 為替リスクの管理を巡っては銀行も企業の支援に乗り出している。三菱東京UFJ銀行は企業がグループ全体でどれだけの資金や債権・債務をどの通貨で保有しているのかすぐに把握できるシステムを開発。専門商社などを中心に導入企業は百社を超えた。
 効果的な為替対策は円建て取引を増やすこと。アドバンテストは韓国、台湾などアジア向け取引はすべて円建て。連結全体でも七割が円建てだ。ドル建てが中心だった一九八〇年代は為替で業績が乱高下したが、今は対ドルで一円変動しても営業利益ベースの影響額は一億―二億円。「為替には自然体でのぞむ」(大和田等CFO)として予約も最小限に抑える。
 だがこうした対応ができるのも製品に独自性や競争力がある企業に限られる。財務省によれば、〇六年下半期の日本からの輸出に占める円建て比率は三七%。三年前から三ポイント下がり、ドル建て(五一%)との差は一段と広がった。グローバル化の最大の難題ともいえる為替リスク。その古くて新しい課題に立ち向かうのは容易ではない。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-03-19 08:25 | 経済状況記事

小売り再編メガ連合の衝撃(下)メーカー・卸募る危機感。

 「アパレル業界も厳しい条件を突き付けられるだろう」。中堅婦人服メーカー、ルックの広田夏彦社長は大丸と松坂屋ホールディングス(HD)の経営統合による影響を危惧している。
 広田社長らアパレル経営者の脳裏をよぎるのは二〇〇三年の出来事だ。西武百貨店とそごうの経営統合で発足したミレニアムリテイリングはアパレル各社に対し、そごう横浜店(横浜市)への納入価格を、最も安い西武池袋本店(東京・豊島)の水準に下げるよう要求してきた。大丸・松坂屋が同じ動きに出たら、影響はさらに大きい。
 メーカー側はメガ(巨大)小売りの台頭で納入価格引き下げ圧力が強まると身構える。特にイオンとダイエー連合は加工食品や日用品の調達額が一兆円を超え、全国シェア一〇%を握る。メーカーごとの差を出しにくい商品だけに、仕入れ共通化による調達コスト削減の余地は大きい。
 清涼飲料業界はこの十年間で市場規模が数量ベースで約六%成長したものの、コカ・コーラなど大手五社の市場の寡占度は一二・七ポイント増の七六%と高まっている。清涼飲料は年間で一千種類以上新商品が発売され、店頭での陳列棚の奪い合いが激しい。ブランド力や販促投資などの資金力に劣る中小メーカーがふるい落とされつつある。
 実際、国内販売数量が前年比一%減だった〇六年は、サッポロ飲料(八%減)、ポッカコーポレーション(八%減)など中堅クラスの落ち込みが大きかった。
 「(外国企業による)外圧が働きにくかった食品業界に内圧がかかってきた」。味の素の山口範雄社長は、川下の小売りから川上のメーカーへの風当たりの強さをこう表現する。
 メーカーと大手小売りに挟まれた卸業界の危機感はさらに強い。仙台市が本社で食品トレーなどの包装資材卸大手の高速は近年、M&A(企業の合併・買収)を全国規模で進めている。〇七年三月期はすでに三社を子会社化した。高速のM&A担当者は「持ち込まれる買収案件が増えている」と再編機運の高まりを実感している。
 〇四年の商業統計によると、卸売業の事業所数は三十七万五千二百六十九拠点で、一九九一年に比べ一八・七%減少した。卸の集約化が進むなかで、卸を通さずメーカーとの直接取引を増やすイオンの勢力拡大が卸再編を加速させる。食品卸最大手の国分でさえ、「(イオン・ダイエー連合による)六兆円の年間売上高を武器にした購買力は脅威」とみる。
 メガ連合の誕生は産業構造の新陳代謝を促すだけでなく、後継者難など先行きに不安を覚える企業の淘汰も促す。
 ドラッグストア業界では、ツルハホールディングスの鶴羽樹社長が「四―五年で大手五社程度に集約される」という見方から積極的な買収攻勢を仕掛ける。四月に信陽堂薬局(千葉県鴨川市)から十一店を買収。五月には首都圏で約百二十店を運営する、くすりの福太郎(千葉県鎌ケ谷市)を完全子会社にする。
 ツルハに買収される企業の経営者は、規模の時代を迎え先行きに不安を覚えた面が強い。中小企業のM&A仲介の日本M&Aセンターによると、案件の大半は後継者難を理由にしており「中でも流通企業が目立つ」(分林保弘社長)という。
 国内の消費市場は地域性も強く、規模の拡大だけで生き残れる保証はない。ただ、グローバル化の時代に「企業は規模を目指すか、すき間を目指すかの選択を迫られる」(日本マクドナルドホールディングスの原田泳幸社長)のは確かだ。
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by yurinass | 2007-03-19 08:25 | 経済状況記事