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イー・ギャランティ、企業の信用リスクを保証(新規公開株の横顔)

 企業の信用リスクを保証する。売掛債権などを持つ事業会社や金融会社から保証料を受け取り、取引先の倒産などで債権を回収できなくなった場合に保証金を支払う。引き受ける信用リスクを細分化し金融商品にして、損害保険やリース会社などに販売しリスクを移転する。
 対象は商品の販売代金など通常の売掛債権や金融関連会社が買い取った債権など。保証期間は1年が中心で、保証料率は平均3%程度。2006年9月中間期末時点での保証残高は491億円と前期末から14%伸びた。保証サービスの販売を委託している地銀との提携拡大を進め、現在の14行から50行程度まで増やす。
 07年3月期の単独売上高は前期比31%増、経常利益は19%増の見通し。保証残高が増加し保証料収入が伸びる。「経営基盤の安定を優先しつつ配当を検討していきたい」(江藤公則社長)という。
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by yurinass | 2007-02-28 08:43 | 取引信用保険

在庫活用、無担保より低金利、評価手法の確立課題

 金融機関が動産担保融資に取り組み始めたのは二〇〇五年十月に「動産譲渡登記制度」が創設されたのがきっかけだ。従来は動産を担保にした場合の契約が第三者に明示されず、二重に担保設定される恐れがあった。同制度の導入で動産を担保にしたことを法的に証明できるようになった。
 動産担保の金利は「無担保融資よりは低く、中小企業には比較的有利なレート」(りそな銀)といい、土地や建物、有価証券などを持たない中小・零細企業にとっては新たな資金調達の手段となる。
 近畿財務局の〇六年七―九月期の法人企業統計によると、近畿二府四県に本社を置く企業の在庫などの棚卸し資産は約九兆円。「関西はものづくりに関連した中小企業が多いだけに、動産担保融資による資金調達が増えれば、中小の設備投資増につながる」(近畿経済産業局中小企業課)。金融機関にとっても担保にした在庫などの動産を定期的に確認するため、「融資先の経営状況をきめ細かく把握でき、貸し倒れリスクを軽減できる」(三井住友銀)。
 ただ普及には課題もある。動産担保融資が先行している米国では在庫評価を専門とする企業があり、評価額算出や融資先が倒産した場合の処分の仕組みが整っているが、日本ではまだ手探りの状態。「動産を処分する流通市場も整っていない」(信金中央金庫大阪支店)。今後は動産の評価手法の確立、処分する際の市場整備などが求められそうだ。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-02-28 08:40 | 経済状況記事

名古屋市地下鉄談合、ゼネコン副社長ら聴取

 名古屋市営地下鉄工事の談合事件で、名古屋地検特捜部が、入札に参加した複数の大手ゼネコン副社長らから任意で事情聴取していたことが25日、関係者の話で分かった。2005年末の大手ゼネコンによる「談合決別宣言」後も談合を継続していた疑いが強まっており、名古屋地検は談合存続の認識の有無などについて副社長らに説明を求めたもようだ。
 名古屋地検は独占禁止法違反容疑(不当な取引制限)での立件に向け、26日に公正取引委員会と最終調整し、今週前半にも強制捜査に踏み切るとみられる。
 関係者によると、大林組名古屋支店元顧問、柴田政宏被告(70)=別の談合事件で公判中=らは05年12月中旬ごろ、名古屋市交通局発注の市営地下鉄桜通線延伸工事について受注調整することで合意。06年2月と6月に入札が行われた5工区で落札予定の共同企業体(JV)を決めたという。立件対象は大林組とJV幹事社の計6社、各社の担当者になるとみられる。
 柴田被告による受注調整直後の05年12月末、大手ゼネコン4社は談合決別を宣言。その後、ゼネコン各社の副社長らが集まり、今後、談合をしないように申し合わせたといい、会合では「粛々とやりましょう」などと話したとされる。
 地下鉄工事の入札では、事前に決めた工区との入れ替えはあったものの、最終的には本命業者に指定された鹿島、清水建設、ハザマ、前田建設工業、奥村組を筆頭とするJVが約62億―19億円でそれぞれ落札。名古屋地検と公取委は談合決別宣言後も、柴田被告を頂点とした談合システムが維持されていた疑いが強いとみている。
 名古屋地検と公取委は昨年12月から、ゼネコン担当者の事情聴取を重ねてきた。複数の担当者は「宣言後も、柴田被告の受注調整の枠組みに従った」などと説明したという。一方、各社の副社長らは聴取に対し、談合を継続していたかどうかの認識について食い違う点があり、さらに詰めの捜査を進めている。
 名古屋地検は先月22日、刑法の談合容疑で大林組、鹿島、清水建設の各東京本社を捜索している。
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by yurinass | 2007-02-26 07:49 | 経済状況記事

中小企業「お見合い」サイト、経産省など4月開設

 経済産業省と財団法人の全国中小企業取引振興協会は、取引先の開拓や新規の商談成立を目指す中小企業の「お見合いサイト」を4月に開設する。中小企業の顧客開拓を支援する。最大で20万社の登録を目指す。
 「ビジネス・マッチング・ステーション」をインターネット上に開き、面識がない中小企業同士の仕事の受発注を取り持つ。企業は業務内容や商品情報をデータベースに登録。受発注したい仕事を入力すれば、取引を望む企業を検索できる。例えば「菓子の包装紙」で検索すれば、商品を扱う企業情報のリストを閲覧できる。
 登録は無料。商談でトラブルが発生した場合は、各都道府県の取引振興協会が仲裁する。
 経産省は当初2万社程度の利用を見込む。「認知度を上げて、将来は10万―20万社程度の登録を目指したい」という。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-02-26 07:47 | 経済状況記事

エンジェル税制、どんなメリット?――売却時、課税譲渡益が半減。

 創業間もないベンチャー企業に資金を提供する投資家を「エンジェル」と呼ぶ。そうした投資の際に税負担を優遇する制度が「エンジェル税制」だ。このうち売却時に税負担を半減させる特例は、今春以降二年間の延長が決まった。エンジェル税制の仕組みと、注意点を探った。
 横浜市に住む西川英雄氏(仮名、70)が未上場企業への投資に興味を持ったのは五年前。知人に誘われ、エンジェル団体の日本エンジェルズ・フォーラム(東京・渋谷)が開く起業家との交流会に参加したことがきっかけだ。
 実際に税制を活用するチャンスが訪れたのは二〇〇四年度。その年、西川さんは保有する上場株で五百万円の売却益を得た。そのままでは売却益全額が課税対象だが、西川さんは未上場のベンチャー企業の株式にも四百三十万円を投資した結果、課税対象額が七十万円に減少。税額は五十万円から七万円に減った。
 これがエンジェル税制のメリットの一つ。ベンチャー企業への投資額をその年の株式売却益から控除でき、その年の税金が減る(図Aの(1))。
 投資額をすべて控除すると、ベンチャー企業の株式の帳簿価格はゼロとみなされる。投資先が上場して二千万円で売却したとすると、通常は帳簿価格を引いて課税されるが、この場合は二千万円がそのまま課税対象となる。つまり投資時点の優遇策は、税負担が減るのではなく売却時までの繰り延べにすぎないが、その間に資金を自由に使えるメリットがあるわけだ。
特例が2年延長に
 二番目のメリットである売却時点の優遇策は実際に税負担が減る。ただ使い方は利益が出るか損が出るかで異なる。株式を三年超持ち続けて利益が出ると、課税対象が半分に圧縮される(同(2))。今年度末までの期限付き措置だったが、今回の税制改正でさらに二年間延長される。
 逆に損失が確定すると、その年の上場株などの売却益から控除できる。損失が大きくその年の利益だけでは補いきれない場合、翌年以降三年間にわたって控除が可能となる(同(3))。
 税制を使う場合、投資対象が適用を受けるか判断が必要。対象企業の要件は(1)設立十年以内(2)大企業の子会社でない(3)研究者が二人以上かつ全従業員等の一〇%以上――などだ。特に(3)の要件によって、対象が製造業や研究開発型企業に限られていた。四月からは、「研究者」を商品企画担当者なども含む「開発者」に改め、小売り・サービス業にも適用できるようにする。
 ただ現在は実際にその企業が対象となるか、投資後に経済産業省に確認する仕組み。要件からある程度は予測できるものの、事前にはわかりづらい面がある。このため企業側も税制適用を前提とした資金集めをしづらかった。
 四月からは資金調達前でも、企業は経産省に適用の可否を問い合わせることが可能となる。さらに同省は、税制の適用が確認できた企業をインターネット上で公開する。未上場企業の投資情報を充実することでエンジェルを増やし、税制の利用を促す。
 税制の対象は企業への直接投資だけではない。〇四年、経産相が認定した投資ファンドを通じた投資と、日本証券業協会が運営する未上場株取引制度「グリーンシート」の一部銘柄にも広げた。現在、認定ファンドは十を超える。
 一般的に企業が資金繰りに最も苦労するのが創業直後。個人が資金供給すれば、有望な技術やアイデアを事業化できる企業が増え、産業界が活性化する――というのがこの税制に期待される役割だ。
 米シリコンバレーでは、事業に成功した元経営者が若い起業家を資金と経営の両面で支援する仕組みが整い、競争力の源泉となっている。英国でのエンジェル投資は年間八百億円ともいわれる。
 一方日本では制度創設から十年間で、この税制を利用した投資は累計百億円弱。対象企業の条件の厳しさや、制度が十分知られていなかったことなどが要因とみられる。
余剰資金の範囲で
 エンジェルは事業に成功した経営者だけでなく、実は定年退職した元サラリーマンも多い。今年から団塊世代の大量退職が始まり、“エンジェル予備軍”が増えそうだ。経産省は今後も、英米に比べるとまだ十分でない減税メリットを、さらに拡充するよう財務省などに働きかける見通しだ。
 ただベンチャー企業への投資は、上場株式などに比べてリスクが高いことはよく認識したい。経営者が優秀で事業計画がしっかりしていても、財務が脆弱(ぜいじゃく)な企業も多く、環境変化などで倒産の可能性もある。
 経産省の調査では、エンジェルの七割が未上場企業への投資を一千万円以内に抑えている。あくまで「余裕資金の範囲内」が投資の基本だ。高いリスクを覚悟の上で「新産業の育成に力を貸したい」と考える人にとっては、エンジェル税制は有力な味方になりそうだ。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-02-26 07:37 | 経済状況記事

米企業再生ファンド大手、サン・キャピタル日本進出。

米企業再生ファンド大手サン・キャピタル・パートナーズが日本に進出する。東京事務所の開設を終え、営業を本格的に開始した。主に業績不振企業に照準を定めて出資、事業を立て直し企業価値を高めて株式公開や会社売却で投資を回収する。
 東京事務所は日系企業再生ファンドのベーシック・キャピタル・マネジメント出身の宇津木滋氏ら三人を採用した。東京事務所が案件の発掘と市場調査を担い、実際の投資は米国本社が決める。業績不振企業の買収のほか、低格付け債への投資、銀行ローンや債権買い付けなども行う。
 日本では小売りや外食、一般製造業などを中心に投資案件を探る。「中国の市場拡大や原油高など経営環境の急変に直面している日本企業は多い。投資機会は今後も増える」(マネージング・ディレクターのゲリー・タラリコ氏)とみている。
 サン・キャピタルは米欧アジアに六拠点を持ち、従業員は百十五人。ファンドの運用総額は三十五億ドル。企業再生型の投資手法に定評がある。
(掲載日:2007/02/26 媒体:日経金融新聞,1面 )
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by yurinass | 2007-02-26 07:30 | 経済状況記事

国の貸出債権、1000億円規模で証券化――財務省、07年度、政府資産を圧縮。

 財務省は国の資産を圧縮して「小さな政府」をめざすため、政府系金融機関などに貸し付けている債権を証券化して民間に売却する枠組みを固めた。複数の政府系機関向けの債権をまとめて一定の利回りを期待できる証券化商品に仕立て、二〇〇七年度にまず一千億円規模を機関投資家向けに売る方針。政府は約七百兆円ある資産を十年間で国内総生産(GDP)比で半減する目標を掲げており、証券化などで最大二十兆円分を減らす。(国の資産圧縮は3面「きょうのことば」参照)
 証券化する資産は「財政融資資金」。郵便貯金や市場から調達した資金を原資に政府系金融機関などに貸し付けている債権で、〇四年度末で約二百五十七兆円ある。一五年度までに約百三十兆円圧縮する計画で、このうち百十兆円は効率の悪い事業への貸し付けを減らすなど財政投融資の改革で対応。残りを証券化などで減らす方針だ。
 証券化の枠組みは、(1)複数の政府系機関向け貸出債権をまとめ、証券に転換して投資家に販売する(2)信用力が低く売りにくい部分(劣後債権)は国が抱える(3)証券化後も債権回収は国が担う――などが柱。二十七日に投資家や有識者で構成する実務検討会の初会合を開き、商品設計を始める。
 財務省は四月にも証券会社などとアドバイザー契約を締結。〇七年度後半には実際に証券化を手掛ける民間金融機関を選び、来年一―三月に第一弾を出す見通しだ。
 証券化商品の利回りは政府系金融機関などが発行している「財投機関債」に近い水準になるとの見方が強い。期間十年の財投機関債利回りは国債に比べ約〇・二―〇・三%高い銘柄が多く、現在の長期金利(一・七%前後)を前提にすれば二%前後になる。商品ごとに格付けも取得し、投資家が買いやすくする。
 住宅ローンなどの証券化商品の市場規模は〇六年で約十一兆円。国の資産の証券化は市場拡大にもつながる。
 政府が資産圧縮に取り組むのは資産を官から民へ開放して効率活用を促すのが狙い。GDPと比べた国の資産規模は米の約一二%、英の三二%に対し日本は一・四倍と大きい。経済財政諮問会議の専門調査会も財務省に具体策を求めてきた。
 国の借金のうち財政融資に使うための債務は百三十八兆円(昨年九月末)ある。証券化すれば資産・債務を切り離せ、金利上昇で調達コストが増すリスクを抑えられる。圧縮計画ではこのほか公務員宿舎や庁舎、政府系金融機関の出資金など約十二兆円分を売却する。
 ただ証券化には証券会社への手数料などのコストもかかる。政府が昨年夏に閣議決定した「骨太方針二〇〇六」でも、証券化は「メリットがコストを上回る場合、積極的に実施する」と明記しており、財務省は対象にできる債権など商品設計を慎重に詰める。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-02-25 07:35 | 経済状況記事

米金融市場カネ余りの実相(下)相場形成、「新人類」が席巻、忍び寄る企業破綻の足音

 一月末、経営破綻したデルタ航空の債権者説明会。七十三歳のジェラルド・グリンスティン最高経営責任者が再建への道筋を順を追って説明しようとしたところ、三十歳そこそこのヘッジファンド運用者が突然さえぎった。「カネはふんだんにあるんだ。細かい経営の能書きは聞きたくない」
 債権を高値で引き取ってくれる先はいくらでもある。長期保有する気はないから、長話を聞かされるのはごめん、というわけだ。
 「今のヘッジファンドには大学を出たばかりの若者があふれている」。投資銀行グリーンヒルの首脳は、現代米国版の「新人類相場」にとまどいをかくさない。「彼らは企業破綻が相次いだ一九九〇年代初めを知らない。リスクを忘れて買いまくっている」
強気の借り手側
 カネ余りは借り手と貸し手の力関係も変えた。「金利を〇・二五%下げてもらいたい」。一月末、ある金融機関に突然の要請があった。ベイン・キャピタルなどファンド連合が病院チェーンHCAを総額三百三十億ドルでLBO(レバレッジド・バイアウト)した案件での一幕だ。必要資金を金融機関から借り入れる予定だった買収ファンドが、直前に融資条件の変更を要求。しかし、金融機関側は「それでも貸したい」と、受け入れた。
 LBOは本来、リスクの高い融資案件だが、カネ余りと金融緩和に支えられ、昨年の債務不履行(デフォルト)率はわずか〇・八%。金利も従来は米国債利回りに六―八%上乗せしていたが、今は二%程度だ。
 エネルギー取引の失敗で昨年秋、ヘッジファンド大手アマランス・アドバイザーズが破綻したが、「影響は見られない」(ドイツ銀行のジョン・ダイメント氏)。同行の機関投資家調査では、今年のヘッジファンド投資額は昨年比一割増える。アマランス出身者は早くも業界に復帰、後遺症らしきものは見えない。
借入金依存強く
 とはいえ、さすがに警戒感も頭をもたげる。
 「米国での住宅ローンの焦げ付きが発端となり、いずれ新興国市場の相場下落が起きるのではないか」。メリルリンチのストラテジスト、デビッド・ローゼンバーグ氏は最近、頻繁にこんな質問を受けるという。米国では、一部の住宅ローン会社が、返済能力の低い低所得者層に貸し込んだ融資を回収できず破綻し始めた。リスクを嫌ってマネーの逆流が起きれば、まず影響を受けるのが未成熟な新興国市場という理屈だ。
 ニューヨーク大学のエド・アルトマン教授は「信用度の低い債券発行が急増し一部企業の借入金依存が強まっている。金利や景気動向からみて来年には企業破綻が増え始める」と読む。
 九〇年代後半から、米欧金融機関はリスク資産を積極的に外部へ売却、「クレジット・デリバティブ」といった高度な金融商品が急膨張した。一月のダボス会議などでは、ヘッジファンドへの規制を求める声が相次いだが、規制当局もリスクがどこにあるかを正確に把握できずにいる。
 「自分が持っている株は売り始めたよ」。ニューヨーク郊外に住む四十歳代のUBSのトレーダーが明かす。株高の楽観に染まる米市場だが、静かにマネー回収の動きも出始めている。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-02-25 07:34 | 経済状況記事

米金融市場カネ余りの実相(上)世界で株高、「持ち合い」進む―海外依存色濃く。

ダウ工業株三十種平均がバブル期の高値を抜け、史上最高値を更新し続ける米株式市場。株高を支えるのは資源高や、長期にわたる世界的な金融緩和で市場にあふれた投資マネーだ。景気や経済成長への楽観論が支配し、一部にはリスクを度外視した過度の投機さえ見られるようになった。仮にマネーが逆流を始めれば市場が大きく揺らぐ可能性もある。
 二月七日、ニューヨーク。高級ホテル、ピエールの会議場は四百人の投資関係者であふれかえった。米ヘッジファンド大手フォートレス・インベストメントの新規上場に伴う株式売り出しの説明会。ヘッジファンドの上場は米国初だ。「有力ファンドに投資できるまたとない機会」と参加者の一人が興奮気味に語る。
 募集枠に対する申し込みは実に二十五倍。枠に漏れた投資家が上場直後に飛びついたため、九日の上場初値は、売り出し価格の八九%高に跳ね上がった。
 同じく二月初め、フロリダで催された個人向けの投資展示会。日本企業が出展しているブースを訪れる個人投資家が口をそろえた。「安い円を借りて、他の有望市場に投資したい」
 機関投資家から個人まで、マネーがさらに高い利回りを求めてマネーに投資する。「世界にあふれる資金があらゆる投資機会を求めてうごめいている」(ロジャー・ファーガソン元米連邦準備理事会=FRB理事)。それが今の市場だ。
資金移動6兆ドル
 マッキンゼーによれば株式や債券など世界の金融資産残高は百四十兆ドル(二〇〇五年末)。世界の名目GDP(国内総生産)総額の三・二倍に膨らんだ。十年前は二・二倍。しかも国境を超えてマネーがあふれ出している。クロスボーダーの資金移動は総額六兆ドルに達し、〇二年の二倍に拡大した。
 活発な投資の結果出現したのは、国際的な「株式持ち合い」という新たな構図だ。FRBによれば〇六年九月末の米国人による外国株保有は三兆五千億ドル、外国人による米国株保有は二兆六千億ドルとともに過去最高。それぞれ〇二年の二・六倍、一・九倍だ。
 例えばインドの非鉄大手ヒンダルコによる米ノベリス買収。二月十一日に六十億ドルで買収を決めたが、インド企業による米企業買収という単純な図式には収まらない。ヒンダルコの株主の二割は外国人。株主上位にはフィデリティやフランクリン・リソーシズなど米系運用会社がずらりと並ぶ。
 米国のマネーが他市場に流れて現地の株高を支え、そのマネーが再び米国に還流する。前提条件は「米市場が世界的に魅力的であり続けること」(マサチューセッツ工科大学のクリスティン・フォーブス助教授)だが、この図式は今後も続くだろうか。
単発エンジン
 基軸通貨としてのドル、市場の流動性の高さなどに引き寄せられて世界から余剰資金が米国に集まってきたが、同助教授の分析では過去五年間の投資リターンそのものでは説明がつかないという。米国ではなく自国資産に投資し続けた方がもうかったからだ。
 ドル安リスクが表面化するなど各国マネーが内向きに転じ、世界的な持ち合い解消へ向かったとき「米市場は不安定さを増す」(同氏)。
 オイルマネーの行方も不確定要因だ。米投資信託大手ピムコが年初にまとめた調査では「一バレル五〇ドル水準なら産油国が世界の金融市場に年間三千億ドルの資金を供給する」という。高すぎる原油は米経済にとって重しだが、安すぎる原油は投資マネーの縮小につながる。
 米株高が引っ張る金融資産の拡大が家計を支え、米経済の堅調を演出している面も見逃せない。「世界経済は米国の個人消費というただ一つのエンジンに頼っている」(モルガン・スタンレーのエコノミスト、スチーブン・ローチ氏)との指摘もある。逆回転のリスクも決して少なくはない。
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by yurinass | 2007-02-24 07:40 | 経済状況記事

粉飾決算加担、監査法人、刑事罰見送り―会計士法改正案、「みすず解体」で慎重論。

 金融庁は今国会に提出予定の公認会計士法改正案で、粉飾決算に加担した監査法人への「刑事罰」による罰金導入を見送る方針を固めた。刑事罰を科すかどうかは焦点になっていたが、みすず監査法人(旧中央青山)が不祥事を背景に事実上解体する方向となり、導入への慎重論が強まった。事実上の制裁金である「課徴金」を科す行政処分を新設することなどで、不正の抑止につなげる。
 金融庁は二十七日に開く自民党の金融調査会企業会計小委員会で、刑事罰を盛り込まない改正法案の骨子を提示する予定だ。与党の了承を経て、三月にも今国会への提出を目指す。改正法は成立から一年以内に施行する見通しだ。
 現在の会計士法は当局の検査を意図的に妨害したりウソの報告をした場合に限って、監査法人に刑事罰を科す内容になっている。粉飾決算に加担し適正意見を出した場合、担当会計士には刑事罰を適用できるが、監査法人に適用する規定はない。カネボウの粉飾事件でも関与した会計士は刑事告発されたが、旧中央青山は立件を見送られた。
 金融庁は粉飾に加担した監査法人を刑事追及できる「虚偽証明罪」の新設を検討していた。しかし昨年五月に業務停止命令を受けたみすず監査法人(当時は中央青山)が今月二十日、事実上解体の道を選ぶことを発表。政府・与党内では「刑事罰を適用すれば、その影響は計り知れない」(金融調査会幹部)など導入への慎重論が大勢を占めるようになってきた。
 金融庁は公認会計士法改正案に、監査法人への行政処分の種類を増やす内容を盛り込む。現在は罰則などを伴わない「戒告」の次に重い処分は、監査先企業への影響が大きい「業務停止命令」「解散命令」へ一気に飛ぶ。課徴金を納付する命令や業務改善命令を新たに設け、違反内容によっては監査先企業への影響をなるべく抑えながら処分できるようにする。課徴金の水準や算定法など詳細を内閣法制局と協議しており、同庁は法案提出までにまとめたい考えだ。
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by yurinass | 2007-02-24 07:39 | 経済状況記事