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by yurinass
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2007年 02月 24日 ( 3 )


米金融市場カネ余りの実相(上)世界で株高、「持ち合い」進む―海外依存色濃く。

ダウ工業株三十種平均がバブル期の高値を抜け、史上最高値を更新し続ける米株式市場。株高を支えるのは資源高や、長期にわたる世界的な金融緩和で市場にあふれた投資マネーだ。景気や経済成長への楽観論が支配し、一部にはリスクを度外視した過度の投機さえ見られるようになった。仮にマネーが逆流を始めれば市場が大きく揺らぐ可能性もある。
 二月七日、ニューヨーク。高級ホテル、ピエールの会議場は四百人の投資関係者であふれかえった。米ヘッジファンド大手フォートレス・インベストメントの新規上場に伴う株式売り出しの説明会。ヘッジファンドの上場は米国初だ。「有力ファンドに投資できるまたとない機会」と参加者の一人が興奮気味に語る。
 募集枠に対する申し込みは実に二十五倍。枠に漏れた投資家が上場直後に飛びついたため、九日の上場初値は、売り出し価格の八九%高に跳ね上がった。
 同じく二月初め、フロリダで催された個人向けの投資展示会。日本企業が出展しているブースを訪れる個人投資家が口をそろえた。「安い円を借りて、他の有望市場に投資したい」
 機関投資家から個人まで、マネーがさらに高い利回りを求めてマネーに投資する。「世界にあふれる資金があらゆる投資機会を求めてうごめいている」(ロジャー・ファーガソン元米連邦準備理事会=FRB理事)。それが今の市場だ。
資金移動6兆ドル
 マッキンゼーによれば株式や債券など世界の金融資産残高は百四十兆ドル(二〇〇五年末)。世界の名目GDP(国内総生産)総額の三・二倍に膨らんだ。十年前は二・二倍。しかも国境を超えてマネーがあふれ出している。クロスボーダーの資金移動は総額六兆ドルに達し、〇二年の二倍に拡大した。
 活発な投資の結果出現したのは、国際的な「株式持ち合い」という新たな構図だ。FRBによれば〇六年九月末の米国人による外国株保有は三兆五千億ドル、外国人による米国株保有は二兆六千億ドルとともに過去最高。それぞれ〇二年の二・六倍、一・九倍だ。
 例えばインドの非鉄大手ヒンダルコによる米ノベリス買収。二月十一日に六十億ドルで買収を決めたが、インド企業による米企業買収という単純な図式には収まらない。ヒンダルコの株主の二割は外国人。株主上位にはフィデリティやフランクリン・リソーシズなど米系運用会社がずらりと並ぶ。
 米国のマネーが他市場に流れて現地の株高を支え、そのマネーが再び米国に還流する。前提条件は「米市場が世界的に魅力的であり続けること」(マサチューセッツ工科大学のクリスティン・フォーブス助教授)だが、この図式は今後も続くだろうか。
単発エンジン
 基軸通貨としてのドル、市場の流動性の高さなどに引き寄せられて世界から余剰資金が米国に集まってきたが、同助教授の分析では過去五年間の投資リターンそのものでは説明がつかないという。米国ではなく自国資産に投資し続けた方がもうかったからだ。
 ドル安リスクが表面化するなど各国マネーが内向きに転じ、世界的な持ち合い解消へ向かったとき「米市場は不安定さを増す」(同氏)。
 オイルマネーの行方も不確定要因だ。米投資信託大手ピムコが年初にまとめた調査では「一バレル五〇ドル水準なら産油国が世界の金融市場に年間三千億ドルの資金を供給する」という。高すぎる原油は米経済にとって重しだが、安すぎる原油は投資マネーの縮小につながる。
 米株高が引っ張る金融資産の拡大が家計を支え、米経済の堅調を演出している面も見逃せない。「世界経済は米国の個人消費というただ一つのエンジンに頼っている」(モルガン・スタンレーのエコノミスト、スチーブン・ローチ氏)との指摘もある。逆回転のリスクも決して少なくはない。
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by yurinass | 2007-02-24 07:40 | 経済状況記事

粉飾決算加担、監査法人、刑事罰見送り―会計士法改正案、「みすず解体」で慎重論。

 金融庁は今国会に提出予定の公認会計士法改正案で、粉飾決算に加担した監査法人への「刑事罰」による罰金導入を見送る方針を固めた。刑事罰を科すかどうかは焦点になっていたが、みすず監査法人(旧中央青山)が不祥事を背景に事実上解体する方向となり、導入への慎重論が強まった。事実上の制裁金である「課徴金」を科す行政処分を新設することなどで、不正の抑止につなげる。
 金融庁は二十七日に開く自民党の金融調査会企業会計小委員会で、刑事罰を盛り込まない改正法案の骨子を提示する予定だ。与党の了承を経て、三月にも今国会への提出を目指す。改正法は成立から一年以内に施行する見通しだ。
 現在の会計士法は当局の検査を意図的に妨害したりウソの報告をした場合に限って、監査法人に刑事罰を科す内容になっている。粉飾決算に加担し適正意見を出した場合、担当会計士には刑事罰を適用できるが、監査法人に適用する規定はない。カネボウの粉飾事件でも関与した会計士は刑事告発されたが、旧中央青山は立件を見送られた。
 金融庁は粉飾に加担した監査法人を刑事追及できる「虚偽証明罪」の新設を検討していた。しかし昨年五月に業務停止命令を受けたみすず監査法人(当時は中央青山)が今月二十日、事実上解体の道を選ぶことを発表。政府・与党内では「刑事罰を適用すれば、その影響は計り知れない」(金融調査会幹部)など導入への慎重論が大勢を占めるようになってきた。
 金融庁は公認会計士法改正案に、監査法人への行政処分の種類を増やす内容を盛り込む。現在は罰則などを伴わない「戒告」の次に重い処分は、監査先企業への影響が大きい「業務停止命令」「解散命令」へ一気に飛ぶ。課徴金を納付する命令や業務改善命令を新たに設け、違反内容によっては監査先企業への影響をなるべく抑えながら処分できるようにする。課徴金の水準や算定法など詳細を内閣法制局と協議しており、同庁は法案提出までにまとめたい考えだ。
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by yurinass | 2007-02-24 07:39 | 経済状況記事

企業再生はいま(下)支える基盤、なお不足――地域への定着これから。

 「東京でメガバンクによる再建支援を見てきた」。昨年七月、東京から本店に戻った北陸銀行の南部勝・融資第二部長は話す。最初はメガバンクのドラスチックなやり方に戸惑いがあったが、次第に考え方が変わった。東京で取り組んできた再生支援を今度は地元に根付かせようと走り回る。
 二〇〇三年に民事再生法の適用を申請した子供服店のピーター商事(福井市)。当時社長だった、創業家の桜井秀伸氏は都市部で先行する経営再建の手法に活路を求めた。「地元の弁護士を訪ねても自己破産を勧められるだけだった」ためだ。
 〇四年には日本政策投資銀行から、事業再建中の企業向けのつなぎ融資の取り付けに成功。在庫を担保に五千万円の融資枠設定を受けた。小売業の再生支援を手掛けるキアコン(当時)が在庫の評価や監視を請け負い、中小企業が動産担保融資を活用する先行事例の一つになった。
 再建支援の「道具」は増えている。債務を株式化するデット・エクイティ・スワップ(DES)、貸出債権を返済順位の低い劣後ローンへ転換するデット・デット・スワップ(DDS)などは地方企業の再建でも活用され始めた。
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 「キャッシュフローのプラスが見込める会社なら、DDSも(銀行にとっての)自己資本と割り切っている」(北陸銀)といい、「経営改善した段階で、再び優良な貸出先になってほしい」との期待を込める。
 〇三年に設置された中小企業再生支援協議会による成果も積み上がってきた。北陸三県の支援協には昨年十二月末までの累計で五百六件の相談があり、八十一件の再生支援計画策定にこぎ着けた。福井県の支援協は弁護士や公認会計士などの専門家を当初の十七人から二十三人に増やすなど、支援体制を強化している。
 ただ、地方では企業再生が完全に「市民権」を得たとは言い難い。「他の金融機関に、なぜ債権放棄までするのか、とみられることもある」と南部氏。地域金融機関にはなお「外科手術」を伴う私的整理にアレルギーが残る。中小企業の経営者間でも「『再生』というだけで後ろ向きにとらえる風潮が根強い」(金融関係者)。
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 だが、経済の変化の速度は増している。南部氏は「ある程度元気があるうちに手をつけないと、もっと経営状態は悪化する」と指摘し、福井県再生支援協の深川明志プロジェクトマネジャーも「早期診断」の重要性を強調する。
 都市部と地方では再建を後押しする組織や人材の「格差」も残る。倒産処理を多く手掛ける淀屋橋・山上合同大阪事務所(大阪市)の軸丸欣哉弁護士は「担保権の消滅手続きなどは地方では事例が少なく、裁判所も手探りでやらざるをえない。東京や大阪のような倒産処理を扱う専門部署がなく、割ける人員も限られている」と話す。
 バブル期に端を発する倒産はおおむね一段落したが、中小・零細企業の経営状態は予断を許さない。「(二十一日に日銀が決定した)今回の利上げが中小に与える影響は大きい。多くの金融機関は不良債権処理は峠を越したというが、まだ処理が滞っている案件も多い」(関係者)との見方も根強い。
 公共事業の縮小に苦しむ建設業者の倒産は衰える気配はない。大企業と中小企業の業績格差を指摘する声も多い。中小も人口減少や国際競争にさらされる時代。企業再生を支援する「セーフティーネット」の拡充は地方にこそ求められている。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-02-24 07:32 | 経済状況記事