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サブプライム危機の真実

民営化した郵政はアメリカに出資せよ

上田 最近の世界的話題といえば、サブプライム危機。今回はこの問題にスポットを当てたいと思います。

竹中 サブプライムの「サブ」は下という意味です。プライム(優良な)貸付先の下にランクされるということで、信用度の低い借り手に対する住宅貸し付けを、正しくはサブプライムモーゲッジと呼びます。別にサブプライムローンそのものが悪いわけではないのですが、信用リスク管理が甘く、慎重に審査して貸しつけていなかった。一義的には、金融機関が経営に失敗したということです。

 ただし、問題はそれにとどまらなかった。銀行はローン貸し付けの債券を証券化して売り出します。それ自体は、そんなに悪いことではない。むしろ銀行としては、債権をずっと持ち続けているとリスクを負う。証券化すれば銀行のリスクは無くなり、証券を買った人は投資したことになるから、これは通常の金融取引なんです。ところが、証券化して売るときに、格付機関がちゃんと格付けしなかったのではないかとか、金融の複雑な取引の中で問題がどんどん積み重なっていった。銀行としては証券化してリスク分散したはずが、結果的にリスクが社会中に広がってリスク拡散になってしまった。それが今回のサブプライム問題の本質なんです。

サブプライム危機は第3の段階
「資本不安」を迎えている
上田 一番の責任者は誰になるんでしょう。

竹中 アメリカでもいろんな議論があって、その中で名前が挙がっている一人として、グリーンスパン前FRB議長がいます。彼は非常にリスペクトを集めていて評価が高かったからこそ、当時のグリーンスパンが行ったことに問題があったのではないかという穿った見方も強いと思いますが。

 あえて言えば、金利を引き下げて不動産のバブルを煽ってしまったのではないかという説が一つ。もう一つは、連銀として金融機関を監督する立場にありながら、銀行のミスを見逃してしまったのではないかという批判。ただ、これはグリーンスパンの問題だけではなくて、アメリカ社会が持っている制度や、現在の金融そのものが持っている怖さを、サブプライム問題は象徴していると思います。だから、誰かに責任を着せるのではなく、前向きに対処を考えていかなければいけないと思います。

上田 でもグリーンスパン本人は、先日開き直ったようなコメントをしていませんでしたか。「誰にも予想できなかったことだ」とか。

竹中 実際、誰にも予想できなかったと思います。彼としては連銀議長として当時最善を尽くしていたと言いたかったのだと思います。

竹中 その上で、冷静に物事を見る場合に、サブプライム問題は3つの段階を経て広がっていると思います。第1段階は去年2月頃、住宅ローンが危ないという話が広がって、住宅ローンが容易に付けられない問題が生じたんです。すると、不動産投資ができなくなる。ただ、この段階ではまだ不動産市場の問題だったわけです。

 ところが、去年の夏頃に第2段階がやってきました。私はこの段階のキーワードは「クレジット・クランチ」(信用不安)だったと思います。住宅ローンだけでなくいろいろな金融商品に不安が広がってしまったので、金融機関全体が資金調達できなくなり、流動性が不足した。去年の夏ごろ、各国の中央銀行が協力して流動性不足を解消するべく、クレジット・クランチに対応する措置をとりました。専門家の間では、措置が遅すぎたとか、もっとやるべきだったという批判がありますが、方向としては間違っていなかったんです。

 そしてこれから、第3段階を迎えようとしています。キーワードは「キャピタル・クランチ」(資本不安)だと思います。金融機関が不良債権を抱えて損を出すと、資本金に食い込んできます。その結果、資本金が足りなくなった状況がキャピタル・クランチです。金融機関の商売は「信用商売」であり、信用の基礎に一定の自己資本が無ければ大変なことになる。90年代終盤から今世紀頭の日本経済は、銀行部門全体で資本が足りなかった。私はアメリカの銀行全体が資本不足になるとは思いませんが、部分的にいくつかの銀行でそういう問題が生じることはありうるわけで、どのくらい深刻な度合いになるかを見極めなければならない。そのために、今は株価が一喜一憂して乱高下しています。

上田 G7でも、打開への展望は今ひとつ描けていないとも聞きましたが、実際のところはどうなんでしょう。

竹中 サブプライム問題は新しい事象なので、全体像を把握している人は誰もいないと言ったほうが正しい。私は、アメリカ経済は長期的には強い成長力を持っていると思うんです。今回打撃を受けても、やがてどこかで金融の混乱は収まってくる。リセッションになるかもしれないけれども、ある程度回復する力は持っていると思います。

 私は実は、日本のほうを心配しています。サブプライムの影響そのものは大きくないが、円高を通して輸出産業が影響を受ける。一方で改革が進まず内需が弱い。日本をよくすることは、サブプライムとは別に考えていく必要があります。

日本郵政による出資なら
米国も政府系ファンドより安心
竹中 そこで今回、ニッポンの作り方として、「民営化された日本郵政はアメリカに出資せよ」とぜひ申し上げたい。さきほどキャピタル・クランチの話をしましたが、アメリカではここ半年くらい、俄然一つの問題が浮かび上がっているんです。アメリカの金融機関が資本を受け入れるときに、誰が出するかということです。そこで、最近のキーワード、ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)があります。政府系ファンド、つまり国が持っている基金です。アメリカの金融機関がSWFからお金を受け入れるケースが増えていますが、一方で、他国政府から資金を受け入れてもよいのかという問題がある。ある国が政治的な意図をもってアメリカの金融機関を乗っ取ってしまったら、アメリカ経済が影響を受けるのではという懸念も出てきています。

 翻って考えると、日本にはかつてとんでもなく巨大なSWFがありました。それが今の日本郵政なんです。資金量でいうと300兆円。他のSWFとは比べ物にならないほどのSWFがあったんです。民営化したので、今はSWFではない。だからアメリカから見ると安心して受け入れられる、民間の資金なんです。アメリカに対しても貢献できるし、同時に日本郵政から見ても、アメリカの金融機関に出資することで、いろいろなノウハウを蓄積し、新たなビジネスへの基礎もできる。

上田 ちなみにSWFは活発に融資したりということを行っているんですか。

竹中 一番歴史が長いのは、シンガポール投資公社(GIC)ですが、ここは25年以上の歴史を持っていて、過去10年間、平均10%程度の高い利回りを上げていると言われています。しかし、あまりはっきりと看板は掲げていませんが、実は世界最大のSWFは日本にあるんです。何かといえば、「年金基金」です。これは別のテーマになりますが、日本もちゃんとしたSWFの仕組みを作るべきだと思います。

上田 新たな展開も開けると?

竹中 一つのきっかけとして考える価値はあると思います。何もしないでいる状況では、マーケットからも信用されないし、国民から見ても不安だと思います。
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by yurinass | 2008-04-22 20:51
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