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不安材料満載のメガバンク株、不良債権増加や株評価益の減少懸念

メガバンク株への不安が根強い。米金融機関の決算発表で信用収縮懸念がいったん後退し買い戻されてはいるが、先行きの懸念材料が目白押しで反転基調がいつまで続くのか疑問だとの声が浮上している。

 特に原材料高で急速に収益環境が悪化している中小企業向け融資が劣化し、不良債権発生の増加が顕著となるのかどうかが注視されている。加えて米欧での信用収縮懸念が再燃して日本株全体が下落すれば、保有株の評価益減少が売り要因となる。日本経済との連動性が高い大手銀行株にとって、しばらくは上値の重い展開が続きそうだとの声が多い。

 <増加傾向の株式持ち合い、株下落で打撃増加の兆し>

 世界同時株安が進んだ17日、メガバンク株は軒並み昨年来安値を更新した。資金繰りに行き詰ったヘッジファンドが「換金売りのため問答無用に金融株を売っている」(国内証券投資情報部)ため、サブプライム関連の損失が欧米の金融機関と比べて比較的小さいとみられている邦銀株も例外ではなかった。だが、実はもう1つの懸念が邦銀株の売り材料となっていたと複数のアナリストは指摘する。全体株が下落することで保有株式の評価益が減少するとの懸念だ。

 バブル崩壊以降、銀行と事業会社の株式持ち合いは減少傾向にあった。株下落の過程で「日本株式会社」の骨組みであった株式持ち合いは、資金繰りや資産効率追及といった理由で徐々に崩壊。かつてほどの規模ではなくなっている。

 金融庁の佐藤隆文長官は17日の定例会見で「わが国の金融機関は株式の保有を減らしてきており、株価変動による財務の影響は以前と比べて比較的小さくなっている」との認識を示した。

 金融庁の試算によると、日経平均株価は昨年9月末に比べて約30%下落したが、主要行の自己資本比率は9月末の平均13.1%から0.6ポイントの低下に過ぎない。

 では、なぜ売り材料となったのか。野村証券・銀行アナリストの守山啓輔氏は「評価益が残っている水準なので確かに自己資本比率への影響は少ないが、全体株価の下落は保有株式の評価益減少を通じて純資産額に影響する。これを投資家は嫌気した」と分析する。銀行は直接的、間接的に事業会社の株式を保有する傾向が再び強まっており、投資家も敏感にそれを感じているという。市場では「佐藤長官の発言は、かなり昔と比べて影響が小さくなっていると言ったのだろう。最近では持ち合いが増えてきている印象がある」(外資系証券アナリスト)との声も多い。

 大和総研(DIR)の調査では、銀行の保有する持ち合い株の市場全体に対する比率は、1991年度の11.28%から2006年度に3.23%へ低下した(金額ベース)。

 だが、05年度との比較では0.18ポイント上昇している。事業会社同士の持ち合いだけではなく、かつてのように銀行と事業会社の持ち合いも増加する傾向にある。

 潜在的な持ち合い株が増えていることに注目する声もある。住友不動産(8830.T: 株価, ニュース, レポート)は永久劣後ローンで1200億円を調達。永久劣後ローンの担保として新株予約権を割り当てることで、金融機関からの資金拠出を可能とした新しい資金調達方法を採用した。住友金属鉱山(5713.T: 株価, ニュース, レポート)も三井住友銀行と新株予約権付きの借り入れ契約を結び979億円を調達した。新株予約権を組み合わせた新型の資金調達方式は、潜在的な持ち合い株として懸念する声も多い。

 <原材料高が中小企業を圧迫、銀行の不良債権増加要因に>

 さらに、ここにきて不安が大きくなってきているのが不良債権の拡大だ。ある外資系証券の銀行アナリストによると、現在の銀行株の株価は、大手銀行平均でみて貸出金に対しての不良債権処理費用が将来的に約0.2%程度、毎年発生すると見込んでいる水準だという。だが、ここにきて原油やその他の原材料高が中小企業の収益を圧迫し出した。競争力の弱い中小企業は価格転嫁力に劣り、今後は一段と経営が悪化するリスクに直面している。その結果、不良債権処理費用が0.6%程度まで上昇する可能性があると予測する。

 「貸出金の額面に対する業務純益は1.2%程度。不良債権費用が0.2%から0.6%に上昇すると、利益の4割が吹き飛ぶ計算になる。これまでは比較的小型の企業倒産がほとんどで、大手銀行の不良債権はそれほど膨らまなかったが、今後、大型の倒産が増加するようだと不良債権は拡大する可能性がある。中小企業への貸し出しが多い銀行には要注意だろう」と、その外資系アナリストは警鐘を鳴らす。

 東京商工リサーチが12日発表した2月の全国企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年同月比8.3%増の1194件、負債総額は同26.1%増の3652億2000万円だった。負債総額は2カ月連続の前年同月比増加。東京商工リサーチは、大型の倒産が増えている点を指摘している。

 <国内でもくすぶるサブプライム関連損失拡大の懸念>

 サブプライム問題の震源地である米国の主要株価よりも日本株の下げ幅は大きく「外国人投資家主導の相場を作ってしまったツケが出ている」(国内証券ディーラー)との嘆きも聞こえるが、実は日本の銀行株に関して言えば、下落率は欧米の金融機関よりも小さい。昨年来高値からの下落率では、大手国内3行の平均が約46%の下落に対し、リーマン・ブラザーズ、メリルリンチ、シティグループの下落率平均は約52%だ。欧米の金融機関ほどはサブプライム関連の証券化商品に投資してこなかったことが評価されているわけだが「国内金融機関の関連損失の発生懸念が、消えたわけではない」(同ディーラー)という。

 金融庁によって国内金融機関はサブプライム関連商品の損失額を2度も開示しているが、サブプライム問題がくすぶっている中では損失拡大への不安は残っている。市場では「ベアー・スターンズ(BSC.N: 株価, 企業情報, レポート)が1株あたり2ドルで買収された衝撃が大きかった。保有している金融株がM&A(合併・買収)時には、それほどまでに売りたたかれるのかという恐怖心が植え込まれた」との声も出ていた。

 株価低迷で投信の販売が低調であるほか、法人向けデリバティブ販売などの手数料も伸び悩み気味だ。日興シティグループ証券・株式調査部アナリストの野崎浩成氏は「5月の決算発表までモヤモヤが続きそうだ。金融株は決算発表前に不安が大きくなる傾向があり、株価も軟調に推移するとみられるが、その後は割安感が意識される展開になるのではないか」と予想している。

 銀行株は日経平均やTOPIXなど市場指数との連動性を示すベータ値が高いことで知られており、日本経済・日本株を取り巻く環境が不安定な中では「日本株の縮図」としての特徴が強い銀行株に対する買いの手も、鈍りがちだとみられている。

 (ロイター日本語ニュース  伊賀 大記)
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by yurinass | 2008-03-20 16:52
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