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バブルの積極投資で赤字転落、“破壊的改革”が始まった

DOWAホールディングス会長が語る企業改革“実戦記”(1)

1884年に創業した同和鉱業(2006年にDOWAホールディングスへ移行)は、鉱石の製錬により、非鉄金属を生産することを中核事業としてきた。ところが、長い歴史の中で受け継がれた伝統は時に「悪しきもの」へと変化し、膨大な有利子負債を抱えた。
2000年4月、その状況を打破すべく事業構造改革に着手、たった7年で経常利益10倍を実現した。その改革は現在、マネジメント強化にまで至っている。
今回より3回にわたり、その“破壊的改革”の全貌をDOWAホールディングス吉川会長が語る。

 2000年4月、当社は「事業構造改革」を開始しました。これは3ヵ年計画で、第3期にあたる現在も改革は進行中です。

 まず当社の構造改革の中身に触れる前に、改革以前の状況を少し紹介しておきたいと思います。この表は数値で見た30年間の当社の歴史です。

DOWA30年間の推移と改革の歴史


「借金で資産投資」という失敗構造
 バブル以前の経常利益(折線グラフ)は、銀の暴騰などの異常時を除けば、プラスマイナスゼロのところを低迷しています。

 この期間の利益には、実は年間20億から30億くらいの資産売却益が含まれおり、この数字は相当ゲタをはいています。つまり、計算すると実質的には事業収益がほとんど上がっていない。事業としては、残念ながらこういう状態が続いていました。

 そこで、これはいかんということで、バブルが始まったころに積極投資を始めました。

グラフを見ればわかりますが、投資のおかげで資産は急激に増えました。ところが利益を見ると、もともと元手のない投資ですから借金も一緒に増えています。

 要するに、投資は積極的にしたが、同時に借金をしたために、収益が上がらないという、借金で資産投資をしたという失敗構造が見てとれます。

 ここから赤字に転落し、収益も低迷、借金は相変わらず減らないという、危機的な状態に陥りました。そういった中で、「事業構造改革」を開始したわけです。

改革のキーワードは「選択と集中」
 まず、事業構造の改革の焦点を4つに絞りました。1つ目は「収益構造の改革」、2つ目は「資産構造の改革」、3つ目は「財務体質の改革」、つまり有利子負債の削減です。そして4つ目は「マネジメント改革」です。それらを「選択と集中」というキーワードとともに進めていきました。

 それぞれの事業構造改革の中身について、もう少し詳しくお話ししましょう。

 事業構造改革の策定時に我々が重視した考え方は、まず「コアビジネスを明確に」し、「集中投資をする」ことでした。コアビジネスとして我々が決めた事業をM&Aしたり、あるいは投資をしたりして、我々の事業の中に取り入れていく。一方、コアビジネスではないと我々が決めたものは、売却、撤退をする。

 その結果、4つの分野(「製錬」「電子材料・金属加工」「環境・リサイクル」「熱処理」)が我々の投資分野と決まりました。シナリオは数字よりも、何を実行するかという、施策の方が重要だと考えました。これはあまり他社で見られない方法ですが、施策を徹底的にやり、数値はあまり重視しませんでした。何をやるか、何ができるか、ここを徹底的に議論して、固めていきました。

 最初から数値にはあまり期待をしない、当てにならないことには期待をしない。ここまで詰めた施策なんだから、やれば結果が出るはずだという信念のもとにやったんです。

 これは、今までの経営とは全く違うスタイルであり、そのために「選択と集中」を行ないました。そのターゲットに絞ったのが環境・リサイクル部門でした。

 リサイクル部門に投資すると決めたとき、社外からは「DOWAはゴミ屋になった」と言われたりもしました。また、社内でも非常に伸び始めていたIT関係の部署から、「ITの仕事をやるのにゴミ屋じゃ仕事をやりにくい」という反対意見も随分ありました。

 しかし、そうした軋轢の中で、この年度の経常利益は残念ながら目標値には若干未達だったものの、有利子負債は大幅に達成し、決算もはみ出してきました。これは前述したように、会社自体の体質がかなりよくなってきたと言えるかと思います。

基準は3つ、「マーケット」「競争力」
そして「やる気」があるか
 我々は選択と集中を、何の基準もなし、考えなしにやったわけではなく、具体的には3つの基準を設けていました。

 まず「マーケットがあるかどうか」。自分がやっている仕事の事業のマーケットはあるか、そのマーケットは将来の成長が期待できるか。自分がいるマーケットは安値市場になっていないか、ということです。

 2つ目は、「自社に競争力があるかどうか」で、その競争力とは「QCDD」。Qはクオリティー(Quality)、コスト(Cost)、デリバリー(Delivery)、Dは開発力(Development)です。

 我々は製造メーカーですから、開発力があるかどうかが重要です。その競争力が将来までもつ可能性があるか。今は競争力がなくても、それを生み出す人材、種があるかどうか、これが2つ目の基準です。

3つ目は当たり前のことですが、「社員にやる気があるかどうか」。

 基本的に、この3点を満たしていないと撤退、満たしていれば投資をします。随分徹底してやったので、社員のほうは、非常につらい時期があっただろうと思います。

 やり方としては、伝統や事業のいきさつ、諸先輩のことは一切考えず、すべての事業を白紙に戻し、まな板にのせてしまう。そこでまず評価をし、選択をする。利益の出ない事業からは当然撤退です。

 また、たとえ黒字でも将来性がないと判断した仕事からは撤退しました。利益が出ている事業から撤退するのは異常だと社内外から言われましたが、いずれ行き詰まるのはわかっていますから、撤退は早いほうがいいわけです。

 黒字で将来性のある事業はもちろんですが、赤字でも将来性のある事業には投資する。普通は、黒字だから撤退しない、赤字だから撤退するというように、見かけの会計上で判断されるところが結構あるように見受けられます。しかし、それは間違いだろうと思います。

 もう1つ、キャッシュフローベースの経営に切り換えました。それまでは会計上の利益、収支を重視していましたが、キャッシュフロー経営への変更が、この事業構造改革の第1期の構造計画となりました。

 第1期は以上のようなことを非常に激しくやりました。この時点では、あまりいい成績は出ていませんが、会社自体の体質は非常に強くなりました。

 その結果、第2期に入ると、これまでの効果が出始めました。4つに決めたコアビジネスが育ってきて、利益をかなり出すようになったのです。

(第2回へ続く)

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by yurinass | 2008-02-29 08:24
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