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監査法人認定の「危ない会社」 リスク開示は新興中心に増加

「危ない会社」が増えている。2007年9月中間期(および07年9月期)の決算書に、企業が存続できるかどうか(ゴーイング・コンサーン=継続企業の前提)に関するリスク情報を記載した上場企業(東京証券取引所とジャスダック証券取引所)は、07年3月期に比べ12社増え69社になった。開示制度が始まった03年3月期以降で最多を記録した。東証マザーズとジャスダックの新興企業向け市場で増えているのが目立った。


マザーズの1割強がGC開示

 東京証券取引所の調べによると、東証に上場している07年9月中間期(および9月期)決算の1,864社のうち、監査意見の追加情報に「ゴーイング・コンサーン(GC)に関する注記」がある企業は、1部15社、2部12社、マザーズ11社の合計38社。07年3月期の35社に比べ3社増。なかでもマザーズは3社増え、同期に決算期を迎えたマザーズ上場企業(99社)の1割を上回った。

 ゴーイング・コンサーンは、監査人が監査先の企業が永続するかどうかについて、意見を表明するリスク開示制度である。監査人の求めで、経営者は、自社が1年以内に破たんするリスクが極めて高いと判断したら、破たんリスクとそれへの対応策を決算書に明記しなければならない。03年3月期から開示が義務づけられた。投資家にとっては、監査人が認めた「危ない会社」、いわば「イエローカード」をつきつけられた会社という意味合いがある。

 ジャスダック取引所の調べでは、同9月中間期(および9月期)決算の654社のうち、注記を記載した企業は9社増え31社。両取引所合わせて69社。07年3月期の57社より12社増えた。リスク開示企業の大幅な増加は、監査法人が監査を厳格化していることが背景にある。なかでも東証マザーズ、ジャスダックの新興市場で急増したのが大きな特徴だ。07年9月中間期(および9月期)に新たにリスクを開示した企業は、東証7社、ジャスダック11社。東証マザーズ、ジャスダックの新興企業が大半だ。

 ライブドア事件後、新興市場の審査が厳格になった。新興市場では、新規上場数が大幅に減ってきた。新興企業の相次ぐ不祥事が投資家離れにつながり、上場にふさわしくない企業を排除しようと、審査を厳格化したためだ。それに伴い、監査も厳格になった。大証によるジャスダックの救済合併の動きも、新興市場の低迷が主たる要因である。


常連企業の面々

 07年3月期に続きリスク情報を開示している企業は、東証31社、ジャスダック20社の合計51社。財務内容の改善は進んでいない。経営再建中の三洋電機、三菱自動車工業、日立造船、不二家、商工ローンのロプロ(旧・日栄)、格安エアラインのスカイマークが引き続き「継続企業の前提に重要な疑義が存在する」との注記を開示した。

 三洋電機は、過去の決算で子会社株式の評価損を過少計上する不正な処理をしていた問題で、01年3月期から06年3月期までの決算を訂正。三洋がこの間に実施した総額約280億円の配当は、違法配当だったと認めた。

 監査法人が、継続企業の前提に「疑義」を指摘しているのは、巨額赤字のほかに、金融機関の協調融資に財務制限条項が付いている点。格付け会社の格付けが「BBBマイナス」以上を維持することが義務づけられており、それより低い格付けに下げられた場合は、契約期限よりも早く返済を迫られることになる。格付け会社が、三洋の生殺与奪権を握っている格好だ。

 三菱自動車は、最終損益が引き続き赤字だったことが理由。ただし、営業利益、経常利益は黒字に転換しており、再生計画の最終年度となる今期の目標である「黒字体質」に大きく改善したとしている。

 不二家の07年9月中間期の連結決算は、売上高は前年同期比40.3%減の225億円で、営業利益、経常利益、当期利益とも大幅な赤字。洋菓子に消費期限切れの原材料を使用していた問題で、顧客や小売店が離れた影響が大きかった。監査法人は、赤字になったことのほかに、営業キャッシュフロー(現金収入)が大幅なマイナスになった点も「疑義」の理由にあげている。スカイマークも営業キャッシュフローの大幅なマイナスが、「疑義」の理由だ。

 日立造船は当期利益を計上したが、利益水準が低いことが理由になっている。

 商工ローンのロプロは巨額の赤字。灰色金利問題で、日本公認会計士協会の指針に従い、灰色金利で貸し付けた顧客からの利息返還に備え、引当金113億円を特別損失に計上したことが赤字の理由だ。

 マザーズ上場の投資会社オーベン(旧アイ・シー・エフ)は、朝鮮総連本部の土地・建物の仮装売買事件をめぐり、詐欺容疑で逮捕された緒方重威・元公安調査庁長官が監査役を務めていたことで話題になった。


二極化が鮮明に

 リスク情報の記載をやめた企業は、東証が4社、ジャスダック2社の6社。オリエントコーポレーションなどが財務体質の改善を理由に記載を外した。
 リスク情報を開示する企業の数は、東証の場合、開示制度がスタートした03年3月期の33社をピークに05年9月中間期には17社へ減ったものの、06年9月中間期から増加に転じ、07年9月中間期は38社を記録した。
 同期は高業績をあげた企業が相次いだが、その一方で、リスク開示する企業も大幅に増えた。企業業績の「二極化」が一段と鮮明になった。 
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by yurinass | 2008-01-30 07:59
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