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モノライン保険を直撃するサブプライムローン

1971年に最初のモノライン保険会社のAmbac Financial Group Inc(アムバック)が地方自治体の発行する債券の保険保証会社としてスタートしてから、同種の会社は債券の元本と利子の支払いに対する保証を提供してきました。

 1973年には大手の一角のMBIA Incが設立されています。

 モノライン保険会社は、自社のAAA(トリプルA)の優良格付けを裏づけとして、格付けの低い債券の元利保証を行い、見返りとしてフィーを受け取ってきました。債券の買い手にとっては、仮にBBBの債券を購入しても、AAAの保険会社の保証がついていれば、実質AAA格の債券として取り扱えるからです。

 この業界は、米国の保険業法の規制によって、損保、生保といった他の保険会社の参入が規制され、その参入規制の結果、Bloombergによると、大手MBIA社の利益率の平均は39%、AMBAC社のそれは48%と高い利益率を享受して来たわけです。

 モノライン保険はビジネスの多角化の一環として、地方自治体の債券だけでなく、CDO(債務担保証券)と呼ばれるストラクチャードクレジット商品の保証も行うようになりました。格付け会社S&P社の12月19日のレポートによると、保険会社全体で、1270億ドル(13兆3000億円)のCDOの保証を引き受けています(詳細一部は以下参照)。

ACA Financial Guaranty 266億ドル
Assured Guaranty Corp. 4.48億ドル
Ambac Assurance Corp 292億ドル
CIFG GUARANTY 94億ドル
Financial Guaranty Insurance Co. 109億ドル
Financial Security Assurance Inc. 3.64億ドル
MBIA 304億ドル
Radian Asset Assurance 28億ドル
XL Capital Assurance 16.8億ドル

 ところが、2007年になって米国住宅市場が低迷し、モノライン保険会社の間で、住宅ローンを担保とするストラクチャード商品に対する保証に、損失が増加しました。

 というのは、モノライン保険各社は、ストラクチャード商品(下図ABS CDOのハイグレード、メザニン、スクエア)のなかのBBからAAA格ノートの元利保証を請け負っていましたが、これらのストラクチャード商品が担保にしている住宅ローンには、多くのサブプライムローンが含まれていたためです。

 11月7日には、モノライン保険のACA社が10億ドルの損失を発表しました。12月13日、同社はニューヨーク株式市場の上場銘柄からはずされました。同社はシングルAの格付けを持っていましたが、12月19日にはS&P社がトリプルC格付けに格下げしました。一気に12段階(A→Aマイナス→BBBプラス→BBB→BBBマイナス→BBプラス→…→Bマイナス→CCCプラス→CCC)の格下げは、普通ありません。

 その後、格付会社は大手のMBIAやAmbac(アムバック)を含むモノライン保険数社に、格下げの可能性も含むネガティブウォッチの対象にしたと発表しました。

 先週1月18日には格付け会社のFitch社が、とうとうAmbac(アムバック)をAAAからAAへ2段階の格下げを発表しました。格付けは、そのまま資金調達能力を示しています。投資家にとっては、AAA格の保険会社の保証がAAになってしまったわけで、投資した証券の価値減価をどうカバーするかが今後のポイントになります。Ambac社は苦しい立場に追い込まれているといえるでしょう。

 モノライン保険が機能しなくなれば、地方自治体など、格付けが低い債券の発行体は調達コストが上昇するか、まったく資金を調達できなくなる可能性もあります。米国の政府や自治体にとって、モノライン保険はなくてはならない存在ですが、そこがサブプライムローンに直撃をくらってしまったわけです。

 こうした中、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるBerkshire Hathaway Inc.がモノライン保険業界への参入を発表しました(12月28日)。全体で2.6兆ドル(270兆円)と言われる地方自治体債券に対する保証引き受けを計画していると報道されています。

  ◇

 私は現在、ニューヨークでストラクチャード商品を投資対象とする金融機関で働いています。大波に揺れるクレジット市場の動向を随時わかりやすく報告していくつもりです。
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by yurinass | 2008-01-29 08:47
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