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by yurinass
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リスクマネジメント Part2 「損する企業」のビジネススタイル

年功序列社会が崩壊し、1円起業が恒常化した現在、「起業」という働き方への注目が高まっています。SEとして、会社に残るのも一つの道ですが、起業という選択肢もあるのです。では、どうすれば起業できるのか。起業したその先は何を目指していけばいいのか。本連載では、SEのための起業成功法について、考えていきます。


「効率化」が、リスク回避を妨げている
  不徹底な管理から生じる事故や情報漏えい、果ては不正行為や隠蔽工作など、CSR(企業の社会的責任)を問われる事故・事件はここ近年、絶えることがありません。また、企業活動において地震をはじめとした自然災害へのリスクヘッジも求められています。

 たとえば、今年7月に発生した新潟県中越沖地震。自動車部品メーカー工場の被災により製品供給がストップした結果、国内自動車メーカーのほとんどが数日間、生産停止に追い込まれました。これは「トヨタ式」に代表される、カンバン方式――いわゆる “必要な物を、必要な時に、必要なだけ適切に生産”――の徹底によって引き起こされた結果です。

  加えて、IT技術が多くの企業経営の根幹を支える現代では、災害や故障によるシステムダウンは、企業活動を停止させかねません。

 今まで企業の多くは、事業の発展のために「効率化」を第一に考えてきました。しかし効率化によるビジネススタイルは、実はリスクを目の前にすると脆弱であるという側面も見えてきました。これは企業経営者として肝に銘じなければならないことだと思います。

危機回避方法とは?
 それでは、企業活動のリスクを減らすにはどうしたらよいでしょうか。

1つ目は「仮定」を設定する習慣を持つべきです。

たとえば、ある仕事に対して

1.条件が変わったらどうなるか
2.制約条件はどこにあるのか
3.影響する要因はなにか
4.変化はどういうきっかけで起こるのか
5.そのためにはどういう行動で備えればよいのか


と、実際に危機が降りかかる前にシミュレーションをして、次の準備を進めるのです。

 たとえば、この仮定の1つとして「こういう危機が起こるとしたら、その前にこんな現象があるだろう」という、先行きを見渡す力を養うことも大切でしょう。過去に起こったことを参考にして、危機が降りかかってくる前には必ずこのような現象があったということを分析していけば、今はこの段階にあるのではないかということが予測できます。

 当社を例にすると、ある企業のWebコンテンツの制作を請け負い、約10年が経過しました。ところがこの3年ほどで、先方の担当者が次から次へと退職していきました。早い人は約3ヶ月、長くても半年ほどで。また、唯一すべての仕事を把握していたプロデューサーも、2年ほど前に親会社に戻されました。以前もこの会社はある部門の事業規模を縮小するときに、次々と担当者が辞めていったので、これは危険だと察知しました。

 そこで新規顧客を獲得を目指し、他企業への営業を開始したのです。そして案の定、数ヶ月前M&Aによってその会社の経営陣はすべて刷新、コンテンツ制作の担当者も一掃されました。

 約1年かけた営業の甲斐があって、その会社の売り上げに匹敵する受注量は確保できましたが、危機に対する以前の経験からの分析がなければ、当社は大変な状況に陥っていたことは明らかです。

 さらに2つ目は、起業家である自分も含め社員一人ひとりが会社の構成員として、物事を「自分の問題」だと考え、全体像で置かれている状況を捉えられるようになることが大切です。たとえば人に言われ、決められたことをそのまま行なうのではなく、自分で考え言動に表す「能動型人間」。そうなれるように、自らはもちろん社員教育の徹底も必要なのです。会社内でも「他部署のこと」「他支店のこと」と、当事者意識のない考え方を捨てるようにしていきましょう。

まとめ――あらためてリスクマネジメントを問う
 さて、あらためてリスクマネジメントについて考えます。 起業して、新しく事業活動を行なおうとするときには、さまざまなリスクが伴うのはいわば当然のことです。問題なのは、「リスクが存在する」ということではなく、「リスクに気づいていない」ことなのです。リスクを過小評価したり放置することによって、適切な処理を行わないこと、これが問題なのです。 まずはどのようなリスクがどこに存在するのか見極め、そのリスクを分析し、どのような方法で対応するべきかを考えることが第一歩です。

 そして、実際にリスクと正面から向き合い、「リスクを管理する」ことが、リスクマネジメントなのです。

 リスクマネジメントとは、「リスクの存在、大きさなどを事前に把握し、さまざまな手法を用いて適切な対応策をとることによって、リスクによるダメージを小さくすること」です。

 度重なる企業の不祥事に一石を投じるために制定された日本経団連の「企業行動憲章」を一度参考にしてみるとよいでしょう。

by yurinass | 2007-10-26 08:17
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