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新生クライスラーに倒産の危機?

新生クライスラーが、親会社ダイムラーから離れた現実を噛み締めている。

 北米クライスラー部門を大手投資ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメントに売却することを決めた独ダイムラークライスラー(DCX)。売却はまだ完了していないが、格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズ・インベスターズ・サービス(MCO)は、近く独立した自動車メーカーとなるクライスラーの社債格付けを「ジャンク」とした。投資適格を下回る水準だ。


過酷な米国市場に丸裸で放り込まれる

 それだけではない。S&Pの格付けは基本的に、米国が景気後退期に入れば、クライスラーが倒産しかねないことを示唆するものだ。S&Pのアナリストであるグレッグ・レモス・スタイン氏は言う。「米国の自動車市場がさらに縮小し、新車販売台数が今年の1630万台ペースから来年1550万台に5%程度落ち込むだけで、クライスラーは2010年までにデフォルト(債務不履行)に陥る可能性がある」。

 これに対してクライスラーのスポークスマンは、格付けは驚くに値せず、会社は再建計画を実行中だと述べている。S&Pがクライスラーに与えた格付けはネガティブな見通しがついた「B」で、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター(F)と同じだ。

 だが、多少の販売減少で倒産しかねないという見通しは、今、ビッグ3がいかに厳しい状況に立たされているかを物語っている。レモス・スタイン氏はインタビューで、「大幅な販売減少はない。我々が抱いている大きな懸念は、大幅な販売減少に見舞われなくてもクライスラーがデフォルトに至る可能性があるということだ」と語った。

 クライスラーは今後、ダイムラーの資金力や多角化した事業という恩恵なしで、国内産業が抱える問題と対峙しなければならない。レモス・スタイン氏によると、かつてクライスラーが投資適格級で資金調達できたのは、ダイムラーが米国の自動車市場に依存せず、強固な財務体質を備えていたからだ。

 もっとも、クライスラーが破産の瀬戸際にあるわけではない。S&Pやムーディーズによると、クライスラーには十分なキャッシュがあり、再建も可能だという。問題は、豊富な資金を持ち、世界的に事業展開する親会社なしでは、クライスラーが売上高の92%を稼ぐ北米市場における熾烈な競争に丸裸で放り込まれることになるという点だ。

 さらに、クライスラーはトラックやSUV(多目的スポーツ車)の販売に大きく依存しており、乗用車や燃費のいいクロスオーバーSUVの分野にあまり強くない。

 全体的な販売減少に加え、高額なピックアップトラックやSUVの販売が一段と落ち込み、利益とキャッシュフローにさらに打撃を与える――。レモス・スタイン氏曰く、こうした状況が重なればクライスラーが2010年にデフォルトに至る可能性はある。


高金利の社債発行で200億ドルの資金を調達

 S&Pやムーディーズがクライスラーの社債に格付けを決めた時、同社は高金利の社債発行によって自動車部門に120億ドル、金融子会社クライスラー・ファイナンシャルに80億ドルの資金を調達しようとしているところだった。S&Pコメンタリー・アンド・データによれば、クライスラーはこれらの資金を8.5%前後の金利で調達する見込みだ(S&Pはビジネスウィークと同様、ザ・マグロウヒル・カンパニーズ(MHP)の事業部門である)。

 最近、債券市場は弱気になっており、社債発行企業が買い手を見つけるのに苦労することもある。だが、クライスラーに近い関係筋は、社債は担保付きなのでクライスラーと新たな親会社サーベラスは難なく資金を調達できるはずだと語っている。

 では、会社の利益率とキャッシュフローを高めることはどうか。社債発行ほど簡単ではないだろう。
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by yurinass | 2007-08-09 07:53 | 経済状況記事
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