Webメモ


メモです。
by yurinass
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

サブプライムローン問題の影響

私は、常に史上最高値には注意が必要だと思っています。

過剰流動性で高値がつくだけであって、何か理由があれば必ず落ちてくるからです。

日本では邦銀のサブプライム関連投融資の残高が1兆円(米UBS証券推計)だと騒がれていますが、サブプライムローン全体では、約170兆円(米・ベアスターンズ推計:1兆4500億ドル)にのぼることを考えると、日本の傷など大したことはないと感じます。

欧州、米国の金融機関が受けるダメージは比較にならないでしょう。

しかも、今後はさらに厳しい状況が待ち構えていると私は見ています。米抵当銀行協会(Mortgage BankersAssociation)の発表によれば2007年1-3月期の米サブプライム
ローンの延滞率が13.77%と2005年以降上昇傾向です。

さらに米国の場合、90日以上滞納すると債務不履行と見なし、住宅を取り上げて競売にかけます。

競売で投売りされる住宅が増加すれば住宅価格が下落し、担保価値も目減りします。

また、2004年以降に実行されたサブプライムローンでは、当初の返済軽減期間が終了し負担急増に直面するものが、なお相当に残っていると見られるため、今後さらに延滞や債務不履行が増加することになると思います。

その資金の流れを考える際に押さえおくべきポイントは、「人はパニックになったときには論理的な行動を取らない」ということです。

ロシア危機でLTCM(ロングタームキャピタルマネジメント)が破綻したとき、論理的に判断するなら、まずREITなどの住宅関連へ流れ、それでもいよいよダメだとなって初めて米国債へと向かうべきでした。

しかし、実際には、いきなり米国債へと資金が流れたのです。

論理的な判断と行動を取るのではなく、誰かが叫んだ声を信じて、そこへ流れていくというわけです。

今回のサブプライム問題を懸念して引き上げられた資金に対して、この「叫び声」をあげたのは、ウォールストリートの人たちです。

ちょうど、今週(2007年7月30日号)のBusinessWeekに、「Death Bond(死亡債/生命保険債)」というタイトルの記事が掲載されましたが、この仕組みは、まさに今回のように行き場を失った資金を流していくための叫び声となるものだと私は思います。

これは、自分の生命保険を買い取ってもらえるサービスです。
例えば、1億円の生命保険に入っている人がいたとして、70歳なら2割、75歳なら4割でその生命保険を買い取るというサービスです。

この仕組みで数千人~数万人規模で集めて、さらにABS(Asset Backed Securities:資産担保証券)にします。

それがファンドに組み込まれるという形になっていくという構造です。

特徴的なことは、生命保険という商品を扱っているため、根本的に株やコモディティの波長と異なるという点です。

つまり、世界同時株安で株やコモディティが全面的に下落しても、被保険者が死亡するわけではないので、この商品はほとんど影響がないと思います。

この点において、ファンドからのニーズが高くなっているのでしょう。

ただ、私はこの手法は非常に危険だと感じています。

まさに今問題になっているサブプライムローン問題も全く同じ構造を持っています。

個人の人たちが借りているうちは、リスクも明確で安全であったものを、それらをまとめてABS化し、ファンドに組み込んだことで、最終的におかしな事態を招いたのだと私は思います。

今後、米国はサブプライムローン問題を切っ掛けに金利を上げるにも上げられず、金利を下げようにも、ユーロへの資金移動のために下げられないといった事態になり、パニックに陥ってしまうのではないかと私は危惧しています。

(大前研一)
[PR]

by yurinass | 2007-08-06 08:07
<< NTTデータ、ITリスク管理の... 動産担保融資、1年で6倍・地域... >>