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by yurinass
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終焉土地デフレ(上)「清算」超え経済に活力。

 全国の平均地価が十六年ぶりに前年を上回った。銀行・企業が負の遺産処理にメドをつけた一方、東京などは都市再開発で土地の収益性が向上。グローバル化の加速に伴う海外マネーの流入と相まって、底なしの土地デフレは終焉(しゅうえん)を迎えた。マクロで見ると日本経済は資産デフレの足かせから解き放たれようとしている。
収益高める政策
 「東京の山手線南部地域はマンハッタンに」。ゴールドマン・サックス証券は今年はじめ、こんなリポートをまとめた。丸の内、渋谷などで再開発が続き、十年後には高層ビルが並ぶ高機能都市になるという。
 二〇〇六年に山手線内の南部地域に流れ込んだ不動産マネーは二兆円を上回る。商業地の上昇率は渋谷区の二九・三%を筆頭に、港、中央の両区も二〇%を超えた。もともと地価が高いこの地域の大幅上昇が、全国の平均地価を押し上げた。
 土地デフレ終息をもたらしたのは所有より利用に軸足をおいた土地の評価尺度だ。所有が前提のバブル期までは土地の値上がり益を狙う投資が中心だった。それが行き詰まってバブルが崩壊。不良債権を抱えこんだ銀行が担保不動産の清算に動いた。これと並行し賃料収入など利用価値に着目した収益性が地価の基準としてほぼ定着。利回りを狙う新しい投資環境が出来上がった。
 小泉純一郎前首相が進めた規制緩和も見逃せない。敷地面積に対する延べ床面積を示す容積率の上限を三割あげ、土地の収益性を高めた。政府はこの規制緩和を生かせる認定申請の期限を今三月末からさらに五年延ばす考えで、規制緩和で収益性の高まる土地が一段と広がる。
 もうひとつ大きいのは企業の復活だ。収益回復に支えられ過剰債務を脱した企業は、社屋建て替えや拠点拡充に動いている。都心のオフィス需要が高まり、空室率が低下。東京の平均賃料は昨年から上がり始めた。これは不動産の利用という面からは実需に基づく収益性向上を意味するので、地価を押し上げる。
 土地デフレから脱した不動産市場の風景は一九八〇年代のバブル期までとずいぶん変わった。
 評価のものさしが収益性に変わったことで、不動産は債券や株式と同じグローバルな金融商品になり海外マネーの流入が進んだ。豪州では近く日本に投資する四本目の不動産投資信託(REIT)が上場する。
 それに伴い価格は国際比較で決まるようになった。例えば東京・銀座の一等地は三〇%も上がった。それでもニューヨークの五番街より割安との見方もあり地価の上昇圧力がなお衰えない。
 一方で、収益が見込めずREITが投資していない県はなお十一あり、秋田などでは商業地が八%下がっている。収益性という尺度が不動産の勝ち組と負け組をあぶり出している。
 資産デフレを脱した影響は日本経済全般にわたる。銀行や企業は地価下落の重しがとれ融資や新事業などのリスクを取りやすくなる。保有不動産に含み益が生じれば消費者心理の改善につながるだろう。
一部には過熱感
 一部には過熱感もある。福岡の博多駅前で商業地が四〇%上がり、地価上昇が収益性を上回っているとの指摘も出ている。金融庁の銀行監督などを通じた警戒は怠れないが、九〇年代初めに融資の総量規制と大幅利上げで地価の急激な下落を招いた苦い経験もある。
 いま日本の土地資産の総額は千二百兆円程度で、ピークの半分以下。全国の商業地の地価は七〇年代後半とほぼ同水準で、資産デフレを脱したといってもまだ病み上がり。細心かつ慎重な経済政策運営が必要だ。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-03-23 07:45 | 経済状況記事
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