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by yurinass
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鉄なぜ高い(上)原料生産増追い付かず―中国など取り合い過熱。

 国内外で建築向けや自動車向けなどの鋼材価格が上昇している。原料となる鉄鉱石や鉄スクラップが高騰し、メーカーが製品への価格転嫁を進めているためだ。世界的に需要が堅調なことも、こうした流れを後押しする。原料も含めた需給動向から鉄が強基調を保っている背景を検証する。
 国内の鋼材市中価格(東京)は高値水準が続いている。建築用鋼材の鉄筋用棒鋼は現在、二十六年ぶりの高値となる一トン六万三千―六万四千円。厨房(ちゅうぼう)器材などに使うステンレス鋼板は二十三年ぶりの一トン五十万円台。メーカーが原料高を背景に出荷価格を引き上げている。
 原料となる鉄鉱石と鉄スクラップは今年に入っても上げ基調が続く。中国や韓国などが買い姿勢を強めている。
 鉄鉱石は日本や中国などの鉄鋼大手と、ブラジルや豪州の資源大手が半年から一年程度の長期契約を結ぶのが一般的。価格は交渉ごとに異なるが、指標となる粉状鉄鉱石の価格は〇七年は五〇ドルを超えたもよう。〇一年は一トン一八ドル前後だったので、約三倍になった。
 世界の鉄鉱石生産量は〇五年に十五億四千万トンと〇一年比で約一・五倍となったが、生産が追い付かない状況。需要もそれだけ増えているためで、大半は中国。同期間の中国の生産量は二億トン、輸入量も一・八億トン増えた。全体の増加分のほぼ八割に当たる四億トン近くが中国で増えた計算だ。
 鉄スクラップ価格は〇一年に比べてアジア(日本の輸出指標)で四倍強、欧州で約二・五倍となった。アジアで最大の輸出国である日本の輸出量(貿易統計)は韓国、台湾の需要が増え、輸出量を押し上げている。
 欧州向けの輸出国であるロシアは国内需要が強く、国外向けが減少傾向にある。中東地域で大型建設が相次ぎ、鉄筋など製品の引き合いが強まり「トルコが欧州からの鉄スクラップ調達を強めている」(商社)ことも全体の需給を引き締める。
 副原料の値上がりも大きい。ステンレスなど特殊鋼向けに使うニッケルは過去最高値更新が続く。国際指標のロンドン金属取引所(LME)先物は〇六年三月の一トン一万五三〇〇ドル前後から、現在は一トン約四万七〇〇〇ドルと三倍の水準に跳ね上がった。中国がステンレスの生産を拡大するためにニッケル調達に力を入れている。中国の〇六年の生産量は七百万トン近くになったもようで、四年前の五倍近い。
 鉄は自動車や家電、住宅など用途がきわめて幅広く、生産活動の基本となる素材。鉄の消費量は各国の経済動向を敏感に反映するとされる。他の金属のように投機資金が流入する先物市場による乱高下の影響が少なく、価格形成は実需をより反映しやすい。鉄の原料価格高騰は底堅い成長を続ける世界経済を映しているとも考えられる。
 中国の強い引き合いで原料価格の大幅下落は見込みにくいのが現状。鉄スクラップも発生量が限定される中、「国際的な取り合いが始まっている」(東京製鉄)といい、しばらくは上昇基調が続くと見る向きが多い。
(日本経済新聞)

by yurinass | 2007-03-22 08:10 | 経済状況記事
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