Webメモ


メモです。
by yurinass
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

財務最前線グローバル化に挑む(下)為替リスク重く多様に―変動への対処手探り。

 「一一〇円まで円高が進む前提で二〇〇八年三月期の業績計画を立てざるを得ない」(ニコンの寺東一郎副社長)。円安基調から一転、一ドル=一一五円台と急激な円高に見舞われた五日、輸出企業に緊張が走った。
 海外売上高比率が七五%あるニコンは業績への影響を抑えるため為替予約のルールを細かく設定してきた。向こう三カ月間は全取引の六〇―九〇%、その先の三カ月間は一〇―六〇%、さらにその先の三カ月間は〇―三〇%の範囲で予約するのが基本。相場を見ながら予約比率を変えるが、急速な為替変動には対応し切れないのが実情だ。
 海外売り上げの比重が高まり、為替変動で業績は一段と振れやすくなっている。〇六年九月中間期に海外売上高比率が八四%と最高になったホンダの場合、対ドルで一円の変動による営業利益の影響額は年約二百億円。数年前は百数十億円だった。「売り上げ規模が大きくなり影響は増している」(池史彦取締役)
 そのホンダが海外進出にあたり掲げる基本方針がある。「自給率八割確保」。販売の八割を現地生産で賄うという意味だ。材料や部品も現地で大部分を調達する方針。貿易摩擦を未然に回避するだけでなく、為替の変動によるキャッシュフロー(現金収支)への影響を抑える狙いがある。
 同じ通貨で収入と支払いが同額であれば、為替の影響は理論上なくなる。富士通など一部電機メーカーのように現地生産や逆輸入が増え、影響をほぼ相殺した企業もある。だが輸出企業の大半は海外売り上げが調達を大きく上回り、相殺するのは難しい。製造業の海外売上高比率は九月中間期で四三%強。五年前より一〇ポイント高まっている。
 新興国への進出が増えるにつれて為替リスクは多様化している。フマキラーはインドネシアのルピア高が悩みの種。同国は日本を含めた世界への製品輸出の拠点。連結売上高の二割近くを生産する。〇五年に比べ最大で二割ルピア高が進行、〇七年三月期の三%増益の達成が微妙な情勢だ。
 オリンパスは昨秋から中国の人民元でもキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入した。中国内にある七つの子会社の資金を一括管理する。人民元建ての資金の過不足を調節することで他通貨との取引を少なくし、為替リスクを軽減する狙いからだ。
 為替リスクの管理を巡っては銀行も企業の支援に乗り出している。三菱東京UFJ銀行は企業がグループ全体でどれだけの資金や債権・債務をどの通貨で保有しているのかすぐに把握できるシステムを開発。専門商社などを中心に導入企業は百社を超えた。
 効果的な為替対策は円建て取引を増やすこと。アドバンテストは韓国、台湾などアジア向け取引はすべて円建て。連結全体でも七割が円建てだ。ドル建てが中心だった一九八〇年代は為替で業績が乱高下したが、今は対ドルで一円変動しても営業利益ベースの影響額は一億―二億円。「為替には自然体でのぞむ」(大和田等CFO)として予約も最小限に抑える。
 だがこうした対応ができるのも製品に独自性や競争力がある企業に限られる。財務省によれば、〇六年下半期の日本からの輸出に占める円建て比率は三七%。三年前から三ポイント下がり、ドル建て(五一%)との差は一段と広がった。グローバル化の最大の難題ともいえる為替リスク。その古くて新しい課題に立ち向かうのは容易ではない。
(日本経済新聞)
[PR]

by yurinass | 2007-03-19 08:25 | 経済状況記事
<< Q&A、意思決定のプロセスは―... 小売り再編メガ連合の衝撃(下)... >>