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by yurinass
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利益相反、予防へ動く――敵対M&A増え、顧客と関係錯綜(法務インサイド)他。

 利益相反――。裁判の当事者双方に、同じ法律事務所の弁護士が助言することなどを指す。依頼者の利益を損なう恐れがあり禁止されている。だが、法律事務所の大型化が進み、弁護士への社会的ニーズも変化すれば、顧客との関係は従来以上に錯綜(さくそう)する。大手事務所は様々な利益相反問題にどう取り組んでいるのだろうか。
 敵対的買収を手伝ってほしい。対象はA、B、C社のうち一社。二社はダミーだ――。アンダーソン・毛利・友常法律事務所(東京・港)にはこんな依頼が来る。情報管理のため、打診時は対象会社を特定しない。アンダーソンは所属弁護士のかかわりの有無を三社すべてで確認した。
 同事務所では最近、所内メールで激論が交わされた。「経営改革を求める投資ファンドから依頼が来たとする。所属弁護士が買収防衛策を助言した企業が、ファンドの標的になる可能性がある場合どうするか」。結局、「こうした状況ならファンドの依頼は受任しない」ことで議論は決着した。
 弁護士法や日本弁護士連合会の職務基本規程は裁判当事者の双方代理の禁止など、裁判を主な対象に利益相反回避義務を定める。こうした規制に加え、各事務所は自主ルールを持つ。自主ルールの一つの狙いは「職務規程」などが禁じる状況の事前予防だ。
 例えば、敵対的買収の構えも見せるファンドの顧問弁護士に自身がなり、同じ事務所の別の弁護士が顧問を務め防衛策も助言した企業の大株主に同ファンドがなったとする。防衛策の差し止め仮処分になれば一方の弁護士は降りなければならない。「用心棒」が敵前逃亡すれば依頼者との信頼関係は崩れる。
 自主ルールのもう一つの狙いは営業戦略や事務所のブランド維持という「事務所利益」に反する案件の回避だ。
全幹部の関係点検
 こうした理由から、大手事務所では案件が飛び込むと、全パートナー(幹部弁護士)などが、自分の依頼者との関係から問題の有無を二十四時間以内に調べる。長島・大野・常松法律事務所(東京・千代田)のようにパートナー全員が携帯端末を持ち歩き、素早く確認する事務所もある。
 ここ数年、大企業同士の裁判が増え、敵対的買収構想もあちこちでくすぶる。ただでさえ利害調整が難しいのに、合併などで事務所が大きくなると、既存顧客間の利害対立も増え、顧問先のライバルの新興企業も顧客にしづらい。
 四月、二百人以上の弁護士を抱える森・浜田松本法律事務所(東京・千代田)から、八人が末吉綜合法律事務所(東京・港)として独立する。「もう一度、ベンチャー企業のような動きをしたい」と話す末吉亙氏。利益相反の回避も一つの狙いだ。
 自主ルールを巡り、最近大手事務所が注目するのが「TBS・楽天問題」と社外取締役の扱い。提携交渉が実を結ばず、新たな緊張関係に入った両社。TBSの一部顧問弁護士と楽天の社外取締役はいずれも、国内最大級の西村ときわ法律事務所(東京・港)に属する。西村ときわのライバルである森・浜田の本林徹氏は「うちの事務所はあのような状況は避ける」と話す。
 西村ときわでは社外取締役就任を弁護士の社会的役割として認める。ただ、事務所の別の弁護士がその企業を相手とする裁判の原告側に立つ可能性を事前に伝え、難色を示されれば就任を断る。
 西村ときわの小杉晃執行パートナーは現状について「利益相反ではない」と話す。ただ、TBSの買収防衛策を巡り、差し止め仮処分に発展した場合はどうか。楽天の社外取締役は顧問弁護士ではなく、「法的問題は無いが適切ではない」(小杉氏)とみており、裁判になれば両者に関与する現状を見直す方針だ。
社会は独立性期待
 法律上の利益相反とは言えないが、「利益相反的な」問題もある。社外取締役弁護士に期待される「独立性」をどう担保するか、だ。
 本林氏は昨年六月、日立製作所の社外取締役になったが、事務所が日立の顧問のため、本林氏は同社監査委員会のメンバーには就任しなかった。米国の規制では監査委員会の取締役には「独立性」が求められ、米国上場している同社の監査委員になると、事務所が日立の仕事を断る必要があったからだ。
 日本でも、上場会社の社外取締役の弁護士に対し、社会は独立性を期待しているようだが、法律上は米国のような独立性を求めていない。このため、社外取締役が所属する法律事務所がその企業の仕事をすることは珍しくない。
 ただ、大手でも独立性への期待を意識し、取締役就任を制限する事務所も出てきた。その一つ、TMI総合法律事務所(東京・港)の田中克郎代表は「継続的に弁護士業務を受任している企業の取締役就任は禁止した」と話す。社外取締役になるか、仕事を受けるか、一方を選ぶことを明確にした形だ。
 ここ十年、相次ぎ表面化した企業不祥事などを受け、多くの企業で社外取締役需要が高まった。弁護士界も、視野を広げたり社会的ステータスの面から経済界のニーズに応えてきた。一般株主や社会が弁護士の社外取締役に期待したのは、利害関係がなく企業トップにも苦言を呈せる独立性だろう。依頼者だけでなく、社会の期待にも応えることが永続するエクセレント・ロー・ファームの条件のように思えてならない。
(編集委員 三宅伸吾)
 ◎…「金融商品取引法の内部統制も、施行初年度は不備が出るのが当然」と指摘するのは金融庁企業会計審議会専門委員の大崎貞和氏。2008年度から適用される同法の内部統制部分への対応を急ぐ企業が多いが、「不備をなくそうとしすぎるあまり、隠そうとする動きが出る恐れもある」。
◎…中堅・中小企業を中心に慌てて内部監査室をつくる例もあるが、「人的資源なしには逆効果」と警鐘を鳴らす。「会計士と協力し、コンセンサスがある所は文書化を省くなど、身の丈にあった対応を」と強調していた。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-03-19 08:13 | 経済状況記事
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