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再生機構が解散――「官製ファンド」開拓の4年、企業再生のモデルに。

 「産業と金融の一体再生」を掲げて二〇〇三年四月に発足した産業再生機構が十五日解散し、四年間の活動に幕を下ろした。ダイエーやカネボウなど全四十一件の支援企業はおおむね順調に再建が進み、三百億円台後半の利益剰余金を計上する。記者会見した首脳陣の発言を基に成果と今後の課題を探った。
成果は
「海外では一般的だった企業の再生モデルを日本に定着させるきっかけになった」(斉藤惇社長)
 再生機構は過剰債務企業に対して公的な立場を活用して金融機関に債権放棄を求め、倒産を避けながら企業の早期再建を進めた。再建過程では厳密な資産査定を実施。資産売却などで企業の財務リストラを進めるとともに、企業価値を高めるためにM&A(企業の合併・買収)も積極的に活用した。
 こうした企業の再生ビジネスは欧米では民間の投資ファンドが中心に進めているが、日本では「機構の発足当初、民間のファンドがほとんどなかった」(斉藤社長)。再生機構は「官製ファンド」として、欧米流の企業の再生事業を日本に普及させる先導役となった。
 ダイエーやカネボウの案件では独自に再建に手を挙げた民間ファンドもあり、「民業圧迫」との批判も出た。だが斉藤社長は、「(旧UFJ銀行など)ダイエーの主力銀行三行は相手が再生機構でなければ、債権放棄に同意しなかった」などと反論する。
 再生機構が支援を引き受けた四十一件の企業が抱えていた借入金は、総額で四兆二百五十五億円。当時の日本の不良債権の約一割に相当した。金融不安の中で銀行側が過剰債務企業への金融支援に及び腰になる中、公的な立場を活用して銀行の債権放棄を促進する役割を果たしたといえる。
収支は
国民の負担回避、黒字300億円台
「自己評価は合格ラインぎりぎりの点数」(冨山和彦専務)
 再生機構は発足時、「成功に疑問符を付けられながら世の中に出てきた組織」(斉藤社長)。このため損失を抑え、国民負担をいかに避けるかを目標にしてきた。四年間の活動の最終的な収支を示す利益剰余金は三百億円台後半で、ほぼこの全額が国に納入される。債権や株式買い取りに投じた資金は総額約一兆円なので、四年間で三%台の投資利回りを確保した。
 銀行からの債権の買い取り価格を厳しく評価したことが「黒字解散」に寄与。景気回復や株価上昇などの追い風を受け、再建完了後に支援先の債権や株式が「思いのほか高値で売却できた」(斉藤社長)ことも一因だ。
課題は
「私的整理」定着へ正念場
「再生機構が築いた早期事業再生の文化を定着させたい。新たな制度整備と債権者や株主など関係者の再生への動機づけが重要だ」(高木新二郎産業再生委員長)
 再生機構は多様な関係者の利害を調整し、迅速な財務リストラを進めることで、企業の経営破綻を回避しながら再生を果たすという公的な役割を担った。再生機構解散後も、こうした債務カットの調整の枠組みをいかに残すかは課題の一つだ。
 政府は二月に事業再生の円滑化などを狙った「産業活力再生法」の改正案を閣議決定し、私的整理で再建中の企業に対するつなぎ融資の優遇策などを設けた。債権者の一部が私的整理に反対しても、裁判所の判断などで早期再生を促す措置も盛り込まれ、今国会中に成立する見込みだ。
 ただ、整備された制度が十分に活用されるかは未知数。「債権者や株主、役職員など過剰債務企業の当事者に、いかに早期再生が合理的かという意識を受け付けるかが課題だ」(冨山氏)。関係者に対する情報開示を一段と拡充させ早期再生への理解を高めるなど、日本で事業再生を定着させるためには、これからが正念場ともいえそうだ。
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by yurinass | 2007-03-16 12:32 | 経済状況記事
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