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不動産はバブルか(上)投資マネー、都心部席巻――残高2年で3倍、融資も活発。

 都心部の不動産に投資マネーの流入が加速している。主役は不動産ファンドで投資残高は二年間で約三倍になった。銀行によるファンド向け融資の活発化が後押ししている。ただ、投資利回りを狙う物件購入は価格の高騰を招くとの指摘もある。不動産業界は低すぎた地価の「正常化」につながるとみるが、金融庁は「バブル」警戒から金融機関への監視を強め始めた。二十二日の公示地価発表を前に、不動産の現場でいま何が起きているのかを探った。(松下太郎、中西豊紀)
 一月、都内の不動産の競売で異変が起きた。入札は無事終了したが最終的に売買が成立しなかった。落札した私募ファンドに対し、銀行が融資を見送ったのが原因という。「昨秋から銀行の貸し出し審査が厳しくなった」と、ライバルファンドの関係者はため息をつく。銀行の姿勢変化の理由は金融庁の方針にあるようだ。
「タマ不足」状態
 昨年十二月二十六日、金融庁は銀行の監督について着眼点を示す「監督方針」を突然改正した。昨年六月末時点の不動産ファンドの市場規模が十兆円と一年半で二・三倍に膨らんだこと、ファンド向け融資の残高が〇五年から一年で三割伸びたことを示すデータなどを開示。「不動産に融資が集中している場合、そのリスクに十分留意する必要がある」との文言を注記で加えた。
 実は金融庁は〇五年から二年連続で不動産投融資について金融機関から聞き取り調査を実施済み。不動産業界は「不動産への過度なマネー流入を警戒している」(信託銀行の融資担当者)と受け止めた。結果的に案件審査を慎重に行うようになり、時間もかかる。
 背景には投資資金流入による首都圏など都市部の不動産市場の局所的な過熱がある。私募ファンドや不動産投資信託(REIT)が優良物件を買い集め東京都心ではもはや「タマ不足」(大手REIT)で業界関係者が驚くほどの高値になる。昨年二月には三菱地所系のREIT、ジャパンリアルエステイト投資法人が、旧日債銀本店跡地の高層オフィス・住居ビルの「北の丸スクエア」を八百十五億円で購入した。REITが取得した物件では最高額。それ以降も価格高騰は続く。
業界は否定的
 国土交通省によると東京都区部の商業地の公示地価の変動率は〇六年で三・七%。全国平均がマイナス二・七%なのと比べると乖離(かいり)が激しい。二十二日発表の〇七年一月一日の公示地価にもこうした動きは反映される見込み。
 私募ファンド向け融資も過熱気味だ。企業向けが伸び悩む中で、金融機関の間で利ざやを稼ぐためのノンリコースローン(非そ及型融資)の貸し出し競争が続いている。基準金利への上乗せ金利(スプレッド)は、ファンドの運用資金に対する負債の比率が七〇%程度の案件の場合、二―三年前までは二%程度だったが、相次ぐ競争で一%を下回る水準のケースも珍しくない。
 ただ、こうした状態を「バブル」とみることに不動産業界は否定的だ。「運用利回りは長期金利を上回り、買われすぎではない」(REIT運用会社)と反論する。現在の不動産価格は物件が将来生み出す収益を元に決まる傾向が定着しつつあるとみているためだ。
 金融庁は何を警戒をしているのか。一つは、不動産ファンドに破綻例がないことへの不安だ。「デフォルト率が分からないなかで金融機関が貸し込み過ぎるのは危険」(幹部)との思いが当局にはある。
 さらに、不動産の価値が将来の賃料見通しなどの見積もり次第でいくらでも変わることに不信感もある。実際、都内のある鑑定士は「顧客が指定する鑑定評価額をつけるよう求められることがある」と明かす。金融庁は十三日、ダヴィンチ・セレクトに対し、運用する賃貸物件でずさんな評価があるとして、一部業務停止命令を出したばかりだ。
 物件の劣化を指摘する声も出てきた。「融資基準に合わない物件が増え成約率は半分ぐらい」。ダイヤモンドリースの瓜阪道生不動産プロジェクト営業部次長はこうぼやく。「価値評価が割高」などの理由で却下される案件が目立つという。
 ファンド間で転売が繰り返される結果、賃料など物件価値は同じなのに販売価格だけが上昇する現象も起きている。「土地転がし」と見まがうばかりの取引の登場で、ある大手リース会社は「物件所有者の履歴もしっかり確認するようにした」という。
 地価上昇はさらに続くというのが業界の感覚的な見方だが、その実態を注意深くみる必要があるだろう。

by yurinass | 2007-03-16 12:29 | 経済状況記事
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