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by yurinass
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質の向上を目指して(上)難題の投資家保護、開示巡り綱引き(試練の新興株市場)

開示巡り企業と綱引き
 東証マザーズ指数が先週、最安値を記録するなど相場低迷が長引く新興株市場。ようやく動き始めた制度改革で投資家の信頼はどこまで取り戻せるのだろうか。企業と市場の間で揺れながら「新しい新興株市場像」を模索する取引所に迫った。
 二月二十八日午前四時すぎ。東京・茅場町。永代通りに面した証券会館ビル三階の明かりがようやく消えた。ネクタイを外し会議室のソファで崩れるように眠りについたのはジャスダック証券取引所上場部の社員だ。
午前4時に修正
 異例の深夜作業のきっかけとなったのは携帯電話向けに情報配信するフォーサイド・ドット・コムの情報開示。二〇〇六年十二月期に連結売上高に匹敵する七百十三億円の特別損失を計上し、六百六億円の最終赤字になったとする業績の下方修正だ。
 フォーサイドがインターネットを通じた上場企業の情報開示システム「TDnet」で発表しようとした内容について、ジャスダックが最初に訂正を求めたのは一日前の二十七日夕方。ところが実際の開示は二十八日の午前四時だ。上場部は会社とのやりとりを明らかにしないが、関係者の話を総合するとこんな様子だった。
 焦点は業績の下方修正を含めた五件のプレスリリースのうち、決算発表の延期について説明した資料。当初は「三月にずれ込むことを記した一、二行程度の文章」が、最終的に「英子会社売却と決算手続きが重なり決算数値を確定できない」などの理由を付記した二十一行にまで増えた。上場部の指導に応じた会社側の加筆は合計五回を超え、作業は延々と未明までもつれ込んだ。
 一連の発表への失望売りなどで、フォーサイド株はストップ安をはさみ、一時は四割超下落した。ジャスダックが開示文書を事前確認する際に注視するのは「一般投資家が目にして企業に何が起きているか理解できるのか、という点だ」(栗山保上場部長)。
 フォーサイドの場合では海外での大型買収が失敗し、それが決算発表の遅延につながる因果関係をきちんと説明させたかったとみられる。根気のいる地味な作業だ。
 ライブドア・ショックをきっかけに新興株市場に広がった情報開示や決算に対する投資家の不信感。投資家の利益を損なうような資金調達にも厳しい視線が注がれる。
取引所に危機感
 証券業界も事態を放置していたわけではない。日本証券業協会が新規公開時の証券会社の引き受け審査基準の統一ルールを作成するなど、遅ればせながら投資家保護に向けた改革を打ち出した。
 ジャスダック会長の藤原隆・自主規制責任者は「投資家保護が市場の信頼確保、ひいては優良企業の成長につながる」と話す。投資家の信頼を完全に失ったら市場は存在意義を失うだけに、市場を運営する取引所は危機感を募らせる。
 マザーズは一九九九年の開設時から企業に四半期業績の開示を義務づけた。赤字で公開できる緩い上場基準を設定した代わりに、徹底した情報開示を求めた。だが現実は「社員が入れ替わり決算短信の作り方がわからない」と、休日にもかかわらず取引所社員の携帯電話が鳴る。
 企業の情報開示に対する取引所の管理はここ数年強まるばかり。企業の代表者が提出する「情報開示に誠実に取り組む」という宣誓書は二〇〇五年二月までに全上場企業に義務づけられた。
 情報開示の体制が整っていない悪質な企業は社名を公表したうえで「改善報告書」の提出を命じている。内容が不十分な場合には社名は公表しないが「口頭注意」し、対応が遅れる場合には経緯や改善策を記した「経緯書」の提出を求める。口頭注意は〇五年度のジャスダックで百三十三件に上った。
 こうした監視強化にもかかわらず売買状況を見る限り、個人投資家の新興株離れは止まらない。
 ジャスダックは今年夏をめどに先端技術企業向け新市場を立ち上げる方針だ。上場時に示した経営計画の進ちょく状況については定期的な説明を義務づける。これまで以上に厳格な開示を求めないと、もはや投資家の信頼を取り戻せないのではないかとの思いがある。
 市場の「質の向上」は各取引所が抱える共通の課題だ。情報開示の問題一つをとっても、これまでの延長線上で努力を重ねるだけでは限界がある。その現実を見据えた上で手を打たない限り、信頼回復への道は遠い。
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by yurinass | 2007-03-14 08:48 | 経済状況記事
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