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連鎖株安の構造(下)マネー・経済均衡探る。

 株安のさなかに訪日したポールソン米財務長官は、一八五センチの長身でどっしりした体つきさながら、市場のアンカー(錨)として振る舞った。てんぷらとすしが好きな長官は、五日夜の尾身幸次財務相との会食で「世界経済の順調な推移」を確認。六日の福井俊彦日銀総裁らとの会談でも同様の認識を共有した。
 米投資銀行ゴールドマン・サックス会長から財務長官に転じたポールソン氏は、金融市場の裏の裏まで知り尽くす。元々はメディアへの露出を好まなかったが、上海株安を引き金にした世界同時株安以降、登場頻度がにわかに増した。
 尾身財務相との会食後にも報道陣にコメントするなど、学者出身のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長に代わって、市場の不安心理を抑える役を買ってでた。
警告重ねた当局
 一九八七年のブラックマンデー(世界同時株安)、九八年のロシア経済危機、二〇〇一年のIT(情報技術)バブル崩壊――。世界の株式市場は幾たびも連鎖安に見舞われた。当局の経済政策運営に市場が不安感を抱いたのが引き金だった。
 今回は事情が違う。米景気軟着陸、低インフレ、カネ余りという、願ってもない好環境が続くと市場は安心し切っていた。
 警告したのは日米欧の当局だった。二月の七カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議など、折あるごとに「カネ余りの行き過ぎ」に警鐘を鳴らしていた。中国でさえ全国人民代表大会の成思危・副委員長が「中国株はバブル」と指摘した。
 「リスク分散の技術は進歩したが、資産価格の急変が起こらないと考えるのは賢明でない」。コーンFRB副議長がこう警告したのは、連鎖株安直前の二月二十一日。日銀関係者は「追加利上げの狙いのひとつは、市場に慢心が広がるのを防ぐことだった」という。
 連鎖株安は、市場からの投資家への目覚まし。低金利の円などを借りて高金利通貨や商品に投資する取引は、巻き戻しを余儀なくされた。極端に小さくなっていた米国債と社債、新興市場債との間の金利差は再び拡大した。尾身財務相をはじめ各国当局者は「健全な調整」との認識を共有し、平静に振る舞っている。
 欧州中央銀行(ECB)も八日の理事会で、追加利上げに踏み切るとの見方が多い。株式相場が多少振れても、カネ余りを吸収する政策運営は続きそうだ。
巡航景気へ調整
 六日に日本やアジアの株は自律反発し、欧米も持ち直して始まった。株安不安が増幅しなければ、景気に急ブレーキを踏むことなく、世界経済は拡大を続ける公算が大きい。実体経済に比べマネーに傾きすぎていたバランスが回復に向かう。市場参加者の多くは依然そうみている。
 円借り(円キャリー)取引の解消で、円は五日、一ドル=一一五円台まで上昇した。円の上昇ピッチは速かったが、この水準なら輸出採算の悪化に伴う企業収益悪化を心配するほどのことはない。
 ポールソン長官は五日、「為替相場は市場が決めるべきことだ」と述べた。これは単なる成り行き任せではない。「円には米議会や産業界が懸念を表明している」。直近まで一二〇円台だった円安気味の為替相場に対して、長官も米国内の政治的不満を意識せざるを得ないのだ。
 住宅ローンの焦げ付きや企業業績の鈍化など、景気が成熟局面に入った米国は軟着陸が大きな課題。中国は投資に偏った経済の是正が待ったなしである。三十年ぶりの高成長が続いた世界経済は、巡航速度への調整のさなかにある。
 低金利と円安、株高というぬるま湯のような心地よさをいつまでも当たり前と思ってはいけない。そんなメッセージを、今回の市場波乱は経営者や投資家に告げている。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-03-07 07:02 | 経済状況記事
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