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by yurinass
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企業評価システムプリズムランキング――収益・成長力磨く。

 日本経済新聞社と日経リサーチが共同開発した多角的企業評価システム「PRISM(プリズム)」による優良企業ランキングは独自に設計した四つの観点に基づく因子で企業を評価する。今回の調査の特徴は総合評価に対する影響力(寄与率)のうち、「収益・成長力」が五二・二%と前回を二一・二ポイント上回り、過半を占めたことだ。
 次に影響力を持つのは昨年に続き「柔軟性・社会性」。だが影響力の度合いは前回より一四ポイント低い一〇・四%。「開発・研究」は三・〇%、「若さ」は三・六%だった。
 総合順位では高い収益・成長力に柔軟性・社会性など他の分野の強さを兼ね備えた企業が上位に入った。一位のコマツは「収益・成長力」「柔軟性・社会性」がともに三十位台と高い。低い評価を受ける項目がなく、総合的な強さを見せる。ただ二〇〇五年七月の自社株買い期間中に子会社の解散という「重要事実」を発表した行為が証券取引法に違反するとして当局の調査を受けており、再発防止策を講じる。
 前回の三十六位から五位になったオリックスは中堅・中小向け融資に加え不動産事業が好調で「収益・成長力」が五位。独立性の高い社外取締役の登用などが評価され「柔軟性・社会性」も比較的高い得点だった。主力の工作機械の制御システムが伸びているファナックは二十三位から七位に上昇。特許出願状況や部長へ昇格年齢も低いなど「開発・研究」「若さ」でも評価を受けた。
 「収益・成長力」のトップは住友金属工業。総合順位は昨年の五十四位から十六位に急上昇した。ただ、総合的評価をさらに上げるには評価が低かったほかの項目で力を付ける必要があるといえそうだ。
 プリズムは(1)柔軟性・社会性(2)収益・成長力(3)開発・研究(4)若さ――の四つの観点(評価因子)から企業を評価している。
 定量的な財務データだけではなく、企業の社会性など定性的側面も含めて多角的に評価するのが目的である。アンケートの回答や財務指標などから、定性的な側面の評価を数値化する「共分散構造分析」を適用している。
 今回は質問紙郵送調査データと財務データから三十四項目の指標を作った。調査は二〇〇六年十月、東京証券取引所上場と非上場有力企業二千二百十九社を対象に実施した。持ち株会社制度の企業では一部の質問の回答を事業会社から得た。有効回答は千四十七社(四七%)だった。
 財務データは、NEEDS―COMPANY(日本経済新聞社の総合企業データバンク)から収益力などを示す指標を作成した。経常利益や当期利益を用いる指標は原則〇六年度(〇六年四月―〇七年三月)データを使用した。〇六年十二月期―〇七年三月期決算の企業は予想(二月六日時点)データとなる。予想を公表していない未上場企業は取材からデータを得た。
 その他の財務指標は〇五年度(〇五年四月―〇六年三月)実績で作成した。また、原則的に連結データを使用しているが、連結決算を発表していないなどの場合、単独データから指標を作成した。
【評価因子と測定指標】
 四つの評価因子を測定する主な指標は以下の通り。
 (1)柔軟性・社会性 社会貢献、リスク管理、環境経営、法令順守、顧客対応、海外IRなど二十二指標。
 (2)収益・成長力 経常利益、株主資本利益率、経常利益成長力、売上高平均増加額、営業キャッシュフロー対売上高比率など九指標。
 (3)開発・研究 売上高研究開発費比率、研究開発従業員比率、特許出願状況、知財管理など九指標。
 (4)若さ 部長最年少昇格年齢、非正社員向け制度、中途採用者比率など五指標。
 指標合計が三十四を超えるのは複数の評価因子を測定する指標があるため。
【専門家による総合評価】
 四つの評価因子とは別に、ランキング対象企業から百二十二社を選び、専門家による総合評価を実施、「優れた会社」とは何かを測る基準を導き出した。そのために三つの指標を用意した。
 (1)記者の総合評価 日本経済新聞記者(五十二人)が総合的判断で企業を五段階評価した平均点。
 (2)識者の総合評価 有識者(五十六人)が総合的判断で企業を五段階評価した平均点。
 (3)記者の経営者評価 日本経済新聞記者(九十四人)によって経営者個人の力量を決断力、先見性、国際感覚の三側面で五段階評価し、統計的にその総合的な経営者評価を示す「第一主成分得点」。
【モデルと寄与率】
 優れた会社の計算モデルは、まず三十四指標から四つの評価因子を測定する式を作成。同時に専門家による総合評価と測定式の計算結果にできるだけ誤差がなくなるような基準で四つの評価因子のウエートを推定した。
 「優れた会社」への寄与率は「柔軟性・社会性」一〇・四%、「収益・成長力」五二・二%、「開発・研究」三・〇%、「若さ」三・六%で合計(決定係数)六九・一%となった。残り三〇・九%は四因子では説明しきれない誤差だ。モデルとデータとの適合度指標「GFI」は〇・八一だった。
 企業ランキングは総合得点を最大千点、平均五百点、評価因子は最大百点、平均五十点になるように変換して表示した。

by yurinass | 2007-03-05 10:00 | 経済状況記事
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