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M&Aの奔流(1)日本水産――海外展開に先手の買収(会社研究)

相乗効果発揮がカギ
 M&A(企業の合併・買収)が急増している。グローバル企業は国際競争力を強化するため、海外での買収に積極的だ。国内では生き残りを懸けた業界再編が相次ぐ。最近、M&A関連銘柄として市場で話題になった企業の戦略を探る。
 「我が社は垂直統合。まねをするのは難しい」。マルハグループ本社とニチロという水産老舗同士の経営統合に、日本水産の垣添直也社長は動じなかった。将来の水産資源争奪を見越し、財務に不安のあった二〇〇一年前後に海外の水産企業を相次ぎ買収。水産を核に食品や医薬原料にも展開、「世界中に例のない企業体制」(垣添社長)に変えた自負があるからだ。
 昨年。世界的な水産資源争奪の号砲が鳴り響き日本が水産物の輸入価格で他国に競り負ける「買い負け」が生じた。
 十年以上前。米国の水産物輸出の六五%が日本向けだった。それが〇四年に二四%にまで低下。スケソウダラでは八一%が三二%まで減った。
 その逆風下、〇七年三月期の連結純利益は九十億円と最高益を更新する見込み。八円の年間配当も過去最高額となる。
 なぜ出資するのか――。〇一年一月、百億円強を投じニュージーランドのシーロードに資本参加を決めたとき、社内でも多くの社員がその真意を測りかねていた。狙いだった漁業資源の確保は、数年を経てだれもが納得するものとなった。
 米マクドナルドにフィレオフィッシュ用の白身フライを卸す米ゴートンズも買収するなど、この五年間で過去四年間の営業利益に相当する五百億円を投じてきた。
 買収による海外展開に先鞭(せんべん)をつけ五年、今期は全体の三割強の利益を海外で稼ぎ出すまでになった。
 〇一年(〇二年三月期)は、日水が土地や株式評価損で二百一億円の特別損失を出し、財務に不安を抱えていた時期。ゴートンズ買収には取引先金融機関が「身の丈に合っていない買収」と難色を示した。しかし垣添社長は「この時期に買わなければ買える時期はもう来ない」と押し切った。
 今まで買収に投じた金額を今後生み出す利益を使って何年で回収できるか。一般的に使われる利払い・税引き・償却前利益で計算すると、ざっと十年弱。現在、投資ファンドの資金が流れ込み、水産企業の買収価格は急騰しているといわれ、今では回収に十三年以上かかるともいわれる。その意味では日水の買収はお買い得だった。
 マルハも現在は海外企業の買収に意欲を示すが、「価格面で折り合わない」ため、見合わせている状況にある。
 もうひとつ、日水が手を打ってきたのは高い利益率を誇るファイン事業の強化だ。エイコサペンタエン酸(EPA)など持田製薬向けの医薬原料、健康食品などを販売する同事業はすでに営業利益の三割強を稼ぎ出す。日水はマルハに比べ、全体に占める水産事業の割合が低いのも、食品やファイン事業が奏功しているからだ。
 高付加価値品を生み出すファイン事業の拡大は利益率の改善にもつながる。日水は水産業としては世界最大規模だが、利益率ではノルウェーの企業などに及ばない。
 「水産資源の枯渇なども視野に入れた研究開発を加速する」(垣添社長)ため、総額六十五億円を投じ茨城県で工場建設が進む。今春稼働を目指す。新工場は魚油などから造られる機能性油脂などを造る拠点として整える。
 だが、現在二千億円強の時価総額も水産で最大とはいえ、食品株の中ではまだ中堅にすぎない。同社の持つ薬品原料や漁業資源へのアクセス権など見えない価値が、買い手には魅力的に映る。
 買収した企業との統合効果の発揮など今後も課題は山積している。株価を高めていくには、〇一年のように新たなステージを目指して果敢に攻める姿勢を市場に示すしかない。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-03-01 07:57 | 経済状況記事
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