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by yurinass
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企業再生はいま(上)存続第一、経営者も現場に――地域や取引先、きずな維持。

 景気が浮揚しつつある北陸で不振企業が再建を目指す取り組みが出てきた。過剰な負債を抱えた企業は破産に追い込まれることが多かった従来とは異なり、法的、私的な整理を経て会社を立て直し、存続を目指すという意識が根付きつつある。
 「先祖代々続けた老舗ののれんを守るという浪花節しかなかった」。老舗和菓子メーカーの森八(金沢市)の中宮嘉裕社長は創業三百七十年目に和議を申請し、それから九年後に債務返済を完了した当時を振り返る。
 一九九五年、同社は約六十億円の負債を抱えて倒産。バブル期の工場新設や高コストの経営体質がアダとなった。顧問弁護士は破産を勧めたが、中宮氏は断固拒否。「顧客の下支え」もあり、仕入れはすべて現金決済という自転車操業状態を乗り切った。「老舗ののれんの意地が再建の最大の要因」となった。
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 地場有力企業の破綻は地域経済への影響も大きい。二〇〇四年、民事再生法の適用を申請した輪島塗の稲忠漆芸堂(石川県輪島市)。負債額は約二十三億円に上ったが、観光産業の衰退を危惧する地元の思いが再建を後押しした。
 再建では、欧州画家らの高価な美術品を展示するイナチュウ美術館も残ることになった。「処分して債務返済に充てるべきだ」という声が出ても不思議ではないが、「輪島の観光客減少につながる」(稲垣民夫会長)と、関係者に存続を要望した。
 ほかに、キリコ会館などを運営するが、「JTBなど旅行大手五社が連名で全施設存続を希望する嘆願書を市、債権者、裁判所に提出した」(同)ことも追い風になった。金融機関も「当初から再建に前向き」(同社)で大幅な債権カットに同意、リストラは大阪の店舗閉鎖にとどまった。
 ただ、地域による支援の「恩恵」にあずかれるのはごく一部だ。〇五年に民事再生(負債額約三十二億円)を申し立てた酒販店、ヤスブン(福井市)。県外の酒販二社の協力を得て作成した再建計画で、一般再生債権の弁済率は原則六〇%と高く設定した。「取引先への影響を最小限にしたい」という同社幹部の意向があったという。
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 会社存続に向けては「利益を出すようにすることが大前提」(地方銀行関係者)で、営業費用の削減は不可欠だ。森八は一社に独占させてきた原材料や包装資材の調達ルートを見直し、稲忠は借り受けて展示するキリコの賃料を引き下げた。ヤスブンは売り上げ、経費などのデータを店舗ごと、週単位での管理に切り替えた。
 経営の行き詰まりは、皮肉にも経営者が現場との距離を縮めるきっかけにもなった。中宮社長は和議申請と同時に社長室を廃止し、社員と同じ部屋に机を並べる。稲忠の新社長に就いた稲垣充治氏はワンボックスカーに漆器を積んで関東を中心に外商に回る。
 会社存続に懸ける経営者の熱意や従業員雇用の維持は企業再生に必要な条件の一つで、地域経済や社会への影響も無視できない。一方、安易な債務免除は企業のモラルハザード(倫理の欠如)を招く。
 「いい機会だったというと語弊があるが、あそこまで追い詰められたからこそ劇的な体質改善に至った」(中宮社長)。倒産を機にした経営改革の重要性は再生企業が将来にわたって背負う教訓でもある。
(日本経済新聞)
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by yurinass | 2007-02-23 07:46 | 経済状況記事
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