Webメモ


メモです。
by yurinass
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

エンジェル税制、どんなメリット?――売却時、課税譲渡益が半減。

 創業間もないベンチャー企業に資金を提供する投資家を「エンジェル」と呼ぶ。そうした投資の際に税負担を優遇する制度が「エンジェル税制」だ。このうち売却時に税負担を半減させる特例は、今春以降二年間の延長が決まった。エンジェル税制の仕組みと、注意点を探った。
 横浜市に住む西川英雄氏(仮名、70)が未上場企業への投資に興味を持ったのは五年前。知人に誘われ、エンジェル団体の日本エンジェルズ・フォーラム(東京・渋谷)が開く起業家との交流会に参加したことがきっかけだ。
 実際に税制を活用するチャンスが訪れたのは二〇〇四年度。その年、西川さんは保有する上場株で五百万円の売却益を得た。そのままでは売却益全額が課税対象だが、西川さんは未上場のベンチャー企業の株式にも四百三十万円を投資した結果、課税対象額が七十万円に減少。税額は五十万円から七万円に減った。
 これがエンジェル税制のメリットの一つ。ベンチャー企業への投資額をその年の株式売却益から控除でき、その年の税金が減る(図Aの(1))。
 投資額をすべて控除すると、ベンチャー企業の株式の帳簿価格はゼロとみなされる。投資先が上場して二千万円で売却したとすると、通常は帳簿価格を引いて課税されるが、この場合は二千万円がそのまま課税対象となる。つまり投資時点の優遇策は、税負担が減るのではなく売却時までの繰り延べにすぎないが、その間に資金を自由に使えるメリットがあるわけだ。
特例が2年延長に
 二番目のメリットである売却時点の優遇策は実際に税負担が減る。ただ使い方は利益が出るか損が出るかで異なる。株式を三年超持ち続けて利益が出ると、課税対象が半分に圧縮される(同(2))。今年度末までの期限付き措置だったが、今回の税制改正でさらに二年間延長される。
 逆に損失が確定すると、その年の上場株などの売却益から控除できる。損失が大きくその年の利益だけでは補いきれない場合、翌年以降三年間にわたって控除が可能となる(同(3))。
 税制を使う場合、投資対象が適用を受けるか判断が必要。対象企業の要件は(1)設立十年以内(2)大企業の子会社でない(3)研究者が二人以上かつ全従業員等の一〇%以上――などだ。特に(3)の要件によって、対象が製造業や研究開発型企業に限られていた。四月からは、「研究者」を商品企画担当者なども含む「開発者」に改め、小売り・サービス業にも適用できるようにする。
 ただ現在は実際にその企業が対象となるか、投資後に経済産業省に確認する仕組み。要件からある程度は予測できるものの、事前にはわかりづらい面がある。このため企業側も税制適用を前提とした資金集めをしづらかった。
 四月からは資金調達前でも、企業は経産省に適用の可否を問い合わせることが可能となる。さらに同省は、税制の適用が確認できた企業をインターネット上で公開する。未上場企業の投資情報を充実することでエンジェルを増やし、税制の利用を促す。
 税制の対象は企業への直接投資だけではない。〇四年、経産相が認定した投資ファンドを通じた投資と、日本証券業協会が運営する未上場株取引制度「グリーンシート」の一部銘柄にも広げた。現在、認定ファンドは十を超える。
 一般的に企業が資金繰りに最も苦労するのが創業直後。個人が資金供給すれば、有望な技術やアイデアを事業化できる企業が増え、産業界が活性化する――というのがこの税制に期待される役割だ。
 米シリコンバレーでは、事業に成功した元経営者が若い起業家を資金と経営の両面で支援する仕組みが整い、競争力の源泉となっている。英国でのエンジェル投資は年間八百億円ともいわれる。
 一方日本では制度創設から十年間で、この税制を利用した投資は累計百億円弱。対象企業の条件の厳しさや、制度が十分知られていなかったことなどが要因とみられる。
余剰資金の範囲で
 エンジェルは事業に成功した経営者だけでなく、実は定年退職した元サラリーマンも多い。今年から団塊世代の大量退職が始まり、“エンジェル予備軍”が増えそうだ。経産省は今後も、英米に比べるとまだ十分でない減税メリットを、さらに拡充するよう財務省などに働きかける見通しだ。
 ただベンチャー企業への投資は、上場株式などに比べてリスクが高いことはよく認識したい。経営者が優秀で事業計画がしっかりしていても、財務が脆弱(ぜいじゃく)な企業も多く、環境変化などで倒産の可能性もある。
 経産省の調査では、エンジェルの七割が未上場企業への投資を一千万円以内に抑えている。あくまで「余裕資金の範囲内」が投資の基本だ。高いリスクを覚悟の上で「新産業の育成に力を貸したい」と考える人にとっては、エンジェル税制は有力な味方になりそうだ。
(日本経済新聞)
[PR]

by yurinass | 2007-02-26 07:37 | 経済状況記事
<< 中小企業「お見合い」サイト、経... 米企業再生ファンド大手、サン・... >>